神話
神話とは。すべからく歴史上に起こった事柄の抽象的な側面を取り扱ったものが多い。物語を紡ぎだしたも者の知識の限界が、事実を抽象的な想像の産物にしてしまっている為。歴史書としては評価を受けられないでいる。
だが、書き記されている事柄を注意深く観察してゆけば。古代の歴史。その本質をついたものであることが解る。
故に、神話・宗教的な寓話は歴史的価値を考古学的に価値を見いだせるのである。(月刊アトランティス編集部)
**スイマセン妄想が暴発気味ですw読まれる方注意ww**
エルフィリア皇国第一皇女第一近衛艦隊第二護衛隊。巡航艦エンダート。
「艦長。皇国標準時0125時。定期巡回コースに入ります。」
「宜しい。後続各艦に伝達。第二護衛隊は予定どうりに巡回任務に入る。気を抜くなと。」
女性を思わせる美しい声音が航海艦橋に響く。身長は170cm強。全体に華奢な印象な体躯であったが。胸部は華奢な印象を覆すように美しく隆起していた。
まるでお伽噺に出てくるような肩までの豪奢な金髪と、その金髪から突き出るように主張する笹穂の様な耳。明らかに人類とは違う種族。エルフィ人。185歳。人類に換算するなら十代後半に当たる。
巡航艦エンダート艦長。グリネリア・エル・ヴュラー少佐。先ほどの声音を発した人物である
その航海艦橋にグリネリアより若干低い声が響く。
「艦長。そんなに気を張り詰めなくてもいいのではないですか?既にこの空域に向かって来ていた蛮族どもの艦隊は、我が栄光ある皇主様が差し向けられたガイウス突撃艦隊に撃破されておる頃合いでしょう。さらに、この空域には第一皇女ライネシア様がご来訪下されております。遍く皇女様の御威光と御慈愛が空間に溢れております。彼奴らの悪意など・・漂うことすらできませんよ・・。」
グリネリアよりも2.3cm高い身長。豪奢な金髪は変わらず、少しうねりを帯びていて腰まで流れている。特徴的な笹穂耳。267歳。華奢な印象の体躯は変わらない・・・・が。胸の部分は・・・なだらかな・・隆起??を形作っていた・・・。
済みませんでした。平野です平野・・・・。
「しかし・・・。ズラヴィ一等教神官殿・・。これも艦長の役目ゆえ・・。」
生真面目な雰囲気のまま、答えるグリネリア。
「生真面目なお方ですね・・。いくら私が教神官でも、いきなり取って食ったりは致しませんよ・・。」
その生真面目な雰囲気を嫌って、優しく軽い口調で声を返すズラヴィー・グ・ヴュリュー。そして、その視線をグリネリアの豊かに隆起する胸に淫靡な感じで纏わりつかせていた。
「困ります、ズラヴィー様・・。職務中です・・。それに私のように胸が大きい者など・・醜い者でしょうに・・?」
その視線を感じ取ったグリネリアは、艦橋の他の者に気づかれないように声を潜めて囁くように言った。
「あら・・。エルフィリア教の教えは、神徒に遍く光差し公平に幸せを与えてくださいますよ・・。例え胸の大きい者であってもね・・・。」
そう言って、艦長席の左後方に在る。教神官席からグリネリアの豊かな胸に手を伸ばし、柔らかな感触を楽しむズラヴィー。
エルフィ人。現在、人類と絶賛闘争中の異星人。この二人に代表されるように、人類の感覚でも絶世の美女達であり。その生態は400歳で加齢現象は終わり、その後600歳程度で死を迎えるまでそのままの姿を保つ。
エルフィ人の美的感覚は、細く華奢であまり肉感的ではないものが美しいとされている為。前述の二人を比較すると、ズラヴィーの美しさが最上とされていた・・。
さらに、雌雄同体で。性別の差はない。だが、残念ながら小産で。その長い人生に於いても、出産は2・3人だ。
人類からこの二人の行為を見たならば・・。某掲示板に「画像はよ!!」とか「動画のリンクもなしに評価せよとな!!」や「欺瞞情報乙!!」「本当に有難うございます。」などの書き込みが上がってしまうやり取りであった。
ズラヴィーの悪戯が過ぎる行為に、艦長としての任務を忘れかけていたが。甲高い音と共に、索敵コンソールに向かっていた索敵長からの報告が艦橋に響く・・。グリネリアやズラヴィーとは明らかに違う種族。身長は150cm弱だが、成熟した女性の体形。何よりも、肌の色が緑色。額と天頂部の間より一本の角が生えていた。被支配種族ゴブリート。エルフィリア教第三階級。
「本艦進路方向、0-1-4方向に時空嵐。索敵機器、影響を受けます。」
「うん・・・もぅ・・・」
その報告を受けてズラヴィーの、ひどく残念そうな呻き声がグリネリアの耳に届く。
「了解した。索敵長。適宜、時空嵐に対応できるように機器を保ってくれ。距離がまだある。しかし・・大きいな・・・。」
ズラヴィーの声を受けて。跳びそうになっていた感覚と、高ぶってしまった自分自身を収めながら艦長としての職務を遂行していく。
「そうですわね。このごろの時空嵐にしては大きいですわね・・。」
先程の痴態は何処へやら・・・。普段どうりに興奮も収めて、観測されたスクリーン上の時空嵐を見つめていた。
二人のやり取りの最中に索敵長の緊迫した報告が入る。
「時空嵐。中心部より味方艦識別反応!反応識別・・・・。一等輸送艦ハリエ級・・!?艦名照会・・。出ました!2番艦ゴーリ、3番艦キリート、4番艦ヒューリア、5番艦ネーリア、6番艦ベスタ―・・!?2週間前に消息をたった、第13高速輸送艦隊です!」
索敵長の報告を聞いたグリネリアは、すぐさま命令を出す。
「すべての通信機器を使用して、輸送艦隊に呼びかけろ!近衛艦隊司令部に緊急通信。ワレ、輸送艦隊ト接触。コレヨリ臨検ス。第二護衛隊各艦は、臨検及び救助の準備に入れ!衛兵隊隊長ギスタナを艦橋に呼べ。臨検及び救助の詳細を話したい。」
矢継ぎ早に命令を下すグリネリアの横で、ズラヴィーが意見を述べる。
「艦長。少し注意した方が良いですね・・。2週間前より消息が不明だったのです。蛮族どもに拿捕されて、利用されているかもしれません・・?」
蛮族に拿捕され、利用される・・・。グリネリアの考えに浮かぶ光景。それは、エルフィ人にとって最も忌むべき事。エルフィリア教に於いて蛮族に捕らえられるなど、最もあってはならない事。聞くところによれば蛮族どもは、雌雄同体の完全な生物ではなく。
動植物のように、雄と雌に分かれていて。オゾマシイことに我らエルフィ人に対しても性欲を抱き、その獣欲が満足するまで我らの事を蹂躙するらしいのだ。
その自分の考えに怖気を抱き、身震いする。そうであるからこそ、輸送艦隊の同胞を一刻も早く救助したい思いが先走る。
「近衛艦隊司令部より返信。『可能な限り速やかに救助・保護し旗艦艦隊まで護送せよ。既に第3護衛隊を派遣しあり。適宜協力し任務遂行せよ。』以上です。」
通信オペレーターからの報告に、グリネリアの表情に安心感が広がる。
第3護衛隊は皇立士官学校の三期先輩のミンジャナ・エル・ガイナ中佐が率いる。艦隊の中で最も錬度が高い護衛隊だ。
救助作戦の詳細を詰めるために連絡を取らなければ・・。そう考えているグリネリアに音程の少し低い声が話しかけてくる
「エンダート所属。衛兵隊隊長ギスタナ・エリュー参りました・」
身長190cm弱。やや灰色の肌を持ち、バランスの取れた鍛え上げられたプロポーションをしていて。くすんだ銀髪を首元で切りそろえた頭部に輝く瞳は金色に輝き。美しい口元からは牙らしきものが上下に生えている。
先ほどの索敵長と同じくエルフィ人ではない。被支配種族オークリ。エルフィリア教第二階級。
エルフィリア教・・・。エルフィリア皇国の国教であり、エルフィ人の人生観そのものである宗教。
神祖エルーディアが、始原樹神メーダルから授かった神樹メダライト。その神樹を使い神の奇跡を行い。生命が尽きかける寸前だった荒廃した母星、エルフィリアを生命溢れる星に戻した。
そして、神樹によってエルフィ人を助けるための労働力としてゴブリートを。本来、戦いに向かないエルフィ人に変わって戦う存在としてオークリを作り出した。
いずれの種族もエルフィ人と同じく雌雄同体。しかしながら、寿命に関してはエルフィ人の十分の一程度。肉体の成長はの三十代の見た目のまま止まり、凡そ、80歳程度で寿命が尽きる。短い人生であるが多産であり、エルフィリア皇国の主要人口を占める。エルフィリア教の教義によって、厳格に地位が定められている。
始祖エルーディアの直系子孫が王権を握り、神から授かった神樹により奇跡を起こす。その教義の根幹は、遍く宇宙にエルフィリア教の教えの元。神の愛による繁栄と平穏をすべての者に享受させる事。
だが、その愛は第一階級エルフィ人・第二階級オークリ・第三階級ゴブリートにしか向けられておらず。教義の外にあるものは、『神から与えられた供物』として扱われていた。
その第二階級オークリ。その階級内でも高い能力を発揮し、数々の戦功を積み重ねてきたギスタナ・・。
「よく来てくれたギスタナ。状況は理解してくれたか?行方不明になっていた艦隊が出てきた。損傷も見受けられる・・。だが、こちらの呼びかけに答える事がない。内火艇で様子を探ってきてくれないか?」
命令口調ではなく、重要な案件の取引に使われるような丁寧な口調で語りかけるグリネリア。
「はい。グリネリアお嬢様。ギスタナ、御命承ります。」
かしこばった口調で答えるギスタナ。
「お嬢様は、もうやめてくれ・・。これでも巡航艦の艦長なのだ・・。」
微笑みながらギスタナに返すグリネリア。
「いいえ、先代様。そして、お嬢様から受けた御恩の深さ・・・。ギスタナの思いと口調は改めることはできません。そもそも、お嬢様と先代様から賜った事柄を述べるならば・・・」
生真面目な口調で返事をするギスタナ。
「ああ、分かったよギスタナ。だが、部下の前では遠慮してくれ・・。」
このままでは三代前からエリュー家が賜った御恩について延々と語りだしかねない。早速内火艇の準備をさせなければ・・・と考え込んでいたグリネリアの耳に通信オペレーターの声が届く。
「艦長!輸送艦ゴーリより通信入ります・・!!画像データが発信されていないため音声のみです!」
オペレーターの緊迫した声が艦橋に響く。
「こちら第13高速輸送艦隊旗艦ゴーリ・・・!蛮族の追撃を受けている・!!至急救援を乞う・・!」
ゴーリから届いた通信の内容を把握してグリネリアは矢継ぎ早に命令を下す。
「索敵長!輸送艦隊後方を重点索敵!無人索敵機準備!準備出来次第発艦させろ!」
「近衛艦隊司令部に発信!現状の情報を伝送しろ!第三護衛隊にも送れ!」
「第二護衛隊。最大戦速即時待機!咄嗟砲雷撃戦に備え!」
突然の状況に慌てることなく指示を飛ばしていくグリネリアを見ながら満足そうな笑みを浮かべるギスタナ。
ギスタナにも声がかかる。
「衛兵隊隊長。悪いが先ほどの命令は取り消しだ。衛兵隊は臨時応急対処班に回ってくれ。おっと、『先代様が見ていらっしゃったら・・・』は無しだ。よろしく頼むよ。」
そういってギスタナに話しかけるグリネリアの横顔は優しい笑みに満ち溢れていた。
そう命令を下すグリネリアの傍で、その横顔に見惚れているズラヴィー・・・。
「職務に精励する方の生気にあふれた横顔も素敵・・・。でも、第二階級オークリに必要以上に親しくしてしまうのはいけませんわ・・・。でも、今は蛮族に対する対処が先ですわね・・・。」
そう言って、教神官席にある秘匿回線を使って旗艦艦隊に設置されている特務教神官施設に連絡を送るのだった・・・。「「第13高速輸送艦隊発見セリ『積荷』の処理方法を検討されたし・・・」」
人類が初めて接触した「異文明」・・・。「漂流者」。
その存在との友好的な接触に成功した人類は、「漂流者」からもたらされた技術や知識によって瞬く間に生存圏を拡大していった。(まぁ、その間に数度にわたる人類同士の内乱が起こっていたが・・)
もたらされる「超文明」に「超技術」。近代のサイエンス・フィクションでさえ「何処の厨二病ですか?」と尋ねたくなるほどの物で満ち溢れていた。
特に超時空間ジャンプ航法は人類の宇宙への進出を大いに助けていた。「距離」の概念を覆す技術によって人類は大航宙海時代に突入する。
行く先々の星系を惑星地球化技術を用いて自らの生存圏とし、さらに其処を足掛かりに星系全体を開発していく。それらによってもたらされる資源や技術が集約され、未曽有の繁栄を築いていた。
しかし、問題がなかったわけでもない。あまりにも生存圏が拡大しすぎたため「人」の絶対数が足りなくなってきていた。
勿論、人的資源の側面としては解決は可能だ。もたらされた技術と知識によって「人」を補う存在「自立制御無人機器=ドローン」の大量配備と。それらを統括する「ヒト」の思考を持ち合わせた生体量子思考回路群の統合運用。
この運用により生存圏の急拡大は可能になった。だが、「人」の「種」としての限界が徐々に見えてくる。激変する宇宙環境に対応するには「人」の遺伝子はあまりにもか弱かった・・・。
人類が「種」として限界を感じ始め。総意として問題を認識し始めたとき。又しても「漂流者」から知識と、衝撃的な内容の事柄が伝えられる。
「漂流者」が最初に降り立った札幌。其処に作られた「漂流者」との交流拠点「神殿」。
その神殿の「巫女」として存在している「漂流者」の女性(エヴァと呼ばれている)。その口から紡ぎだされる内容。さらには、わかりやすいようにホロジェクターに映像も映し出された。
曰く、「貴方たちの遺伝子は現在までに解析されたものだけではない。私達「「漂流者」」によって秘匿された遺伝子がある。私たちが提供する因子により、秘匿遺伝子が解放される・・・。」
「貴方たち人類の祖先は、『漂流者』によって改造された改変生命体。地球に存在していた原始生命体を改異させた者たち。」
「貴方たちの前に存在している、この青い肌の「女」は生体転写を用いた仮初の姿。私達「漂流者」は、この宇宙に初めて生まれた知性体『始原鉱物生命体』・・・。」
「雌雄の差異などなく。始原鉱物の中に生まれた意識体・・・。陳腐な台詞になりそうだが「超能力」を持っていた。自ら動くことなく創造が出来た。長い時の流れの中で、自分たちの手足になって働いてくれる有機生命体を創造した。私達と同じく雌雄の無い生命体・・。だが、この最初の生命体の「種」の限界があった・・。其処で、異なる遺伝情報を交合させるために雌雄の差異をつけた「可能性」を秘めた生命体を創造した。そう、この地球の始原生命体を改異させた。貴方たち・・。」
「実験は成功だった・・。貴方たちは急速に増えていった。知識を与える為、貴方たちの肉体に何体かの『漂流者』の意識を生体転写した・・・。生体転写で『肉体』を得た超能力をもった『漂流者』・・。」
「肉体を得た『漂流者』・・。初めて経験する自らで動き、造り『男』と『女』になって共に生きる・・。その感動を味わっていた・・。でも、その幸せは長くは続かなかった・・。『肉』を得ることによって『欲』が生じてしまった・・・。色々な『欲』が混じり合い『漂流者』同士で争いが起こってしまった・・。」
「超能力を駆使した争いにより、地球は荒廃してしまった・・。その光景を見た『漂流者』達は自らの行為の結果に戦慄し、和解した・・。地球の環境を元に戻すべく。今まで蓄積した遺伝情報から、現在の地球に存在する動植物の基礎を築いた・・・。」
「そして、その地球を管理するために『受肉』した『漂流者』のグループを遺した・・・。旅立つ者と遺る者・・。そう、貴方たちが『神』と呼んで神話に遺した事柄・・・。強靭な意志・頑健な肉体・・『漂流者』の持つ超能力・・。有り余る遺伝子の『可能性』に危惧を覚えた『漂流者』は、貴方たちの遺伝子にロックを掛ける・・。『呪い』もしくは、『原罪」』と呼ばれている事柄・・・。」
次から次へと語られる衝撃の事柄が人類の思考を固めさせてゆく・・・。寝物語に聞かされていた神話・・。あるいは宗教の根幹をなす『神』の真実・・・。
だが、何故今になってこの事柄を打ち明けたのであろう?正しく我らが「神」ならば、その御業をもって我らを導いて下さらないのだ・・・?
宗教関係者を中心に湧き起こる『漂流者』=『神』への疑問・・・。(まぁ、自分たち自身で祭る『神』に疑問を持ってしまうのだから始末に負えない・・)
「私たちが欲していたのは何も考えない動物ではなく、パートナーだったから・・・。『受肉』した我ら同胞の子孫・・。貴方たち人類の考え方が成熟し。姿形が異なっても受け入れてくれる・・・『愛』を持つに至ったか見極めていました・・・。」
優しげな笑みを浮かべながら、更に言葉をつづけるエヴァ。
「私たちが最初に日本を選んだのは理由がありました。滞留して三か月の間に得た情報により。日本の方たちが、異種族・異民族・異宗教・・さらには想像の産物にも分け隔てなく『愛』を注いでいたのが分かったからです・・・。」
「種の限界の因子を開放するには、私達と交合するしかありません。ただ、交合するだけなら遺伝子に因子を注入すればいいのですが・・・。その交合に『愛』があるか試されます・・・。」
少し頬を赤らめたエヴァが、恥ずかしそうに次の言葉を紡ぎだす・・。
「その・・・。姿かたちが異なっても『愛』される。精神的な結びつきが強ければ強いほど『呪い』は因子によって打ち破れるのです・・・。」
ここまでを聞いて、ある程度の人類は考えた。その交合によって因子がもたらされるならば・・その因子を持った存在は何処にいるんだ?と。
エヴァが、その疑問を感じたように語りだす。
「その因子を持った存在は・・・。原初に『受肉』した『漂流者』・・・。その姿かたちは『神話』に出てくる『人』に近しい者たち・・。異形の者・・。モンスターと呼ばれている者です・・。そして、そのもの達が存在しているのが『月』の中にある保存施設・・・。」
エヴァが語りだした内容を裏付けるように。広大な構造施設内に区画で仕切られた場所に、数えきれないほどの繭の形をした保存ケースがホロジェクターに写っていた・・。
さらに、ズームになったホロジェクターには・・頭から羊の角が生えている、蒼い肌を持ち、背中に蝙蝠の様な翼を持った絶世の美女・上半身は絶世の美女で、下半身は大蛇の姿を持つ者・均整なプロポ―ションを持った少し毛深い獣と人間のハーフの様な姿の者・灰色の肌を持った、女性を蕩けさせるには十分な顔つきの青年。だが、口元には少し犬歯が出ている。などなど・・・
人類が想像の産物として、神話の中に登場するであろう半神・幻獣・妖怪・妖魔・天使・悪魔・・すべて人間に近しい姿を持って写っていた・・・。
「この者たちは、原初の『漂流者』が『受肉』した姿です。争いも終わり・・またいつか平和な世になった時・・受け入れてくれる者たちがいたならば目覚めるようになっていました・・・。この者たちが交合の相手です・・・。」
赤らめた表情はそのままに、少しうつむいて話を終えるエヴァ。
そして、その発言を終わるや否や・・・
全世界中・・いやさ、人類の生存圏すべてに流れる歓喜の魂の叫び・・・「俺の時代がキター!」「はは、大歓喜!!」「異種族愛は間違えじゃなかった!」「だから、おれの予言は当たっただろww」
「なに、この可愛い生き物・・うふ。お姉さんのモノよ・・」「俺と別れてくれ!!」「何言ってんの!さっさと離婚するわよ!」「あれは・・・私の・・・モノ・・」などなど・・・・。
恐ろしいほどの熱量が、人類圏を駆け抜ける・・・。主に日本人をルーツに持つ者たちが圧倒的に多かったが・・・。(一部の宗教の者たちは、自分の中の教義と欲求の葛藤に悩まされることになる)
うつむいた、恥ずかしげな雰囲気のままエヴァがポツリと語りだす・・・。
「あの・・・・。私も・・・交合の対象なんですが・・・・」さらに止めとばかりの上目づかい・・・
美しい唇を妖しく光らせながら囁く
「相手を・・・・してもらっても・・・・宜しいでしょうか・・・・?」
この後、人類圏にある総合掲示板や、民間・軍事の代表的な通信回線。その7割が吹っ飛んだ・・・。
さらに、札幌の『神殿』。その周りに配属されている各国交渉代表団や職員がエヴァの元に駆けつけ、壮絶な『愛』の告白合戦になっていった・・・・。
その日、札幌周辺の花屋は・・軒並み最高の売り上げを記録した・・・・。