29:お前が出たか!
第二研究所に帰還する日。
AS31の周りには子どもたちがあふれていた。
「危ないからさわるなよ」と注意する兵士に、子どもたちが、
「ヴェレーネ様が危ないものをシエネの真ん前まで運んでくるものか!」
と言い返し、やり込められた兵士達は苦笑していた。
子供にやり込められて笑っている。
自分の背後の権力に溺れない兵士は強い。
自分たちも常に、こう有りたいと思いながらASの外部点検を行う。
帰還する際に警備兵達に礼を言うと、
「この巨人は、我々の国の守り神としてヴェレーネ様が使わされたものでしょうか?」
と訊かれ、少しの作り笑いで、
「そうかもしれませんね」
と答えるしかない巧であった。
綺麗に布拭きされており、死体の痕跡がないのは有り難かったのだが、
『深入りしたくない』と思う自分は卑怯だろうか。
巧には兵達の期待に満ちた視線が辛かった。
結局、最初に転移した場所から帰還することになった。
パトロールついでと言うことだったのだが、散乱していた死体が片付いている。
「不味いわね」
AS31の背中にセットした予備バッテリーパック。
その上に跨乗していたヴェレーネが呟いた。
「どうしたんですか?」
コックピットの中から巧は尋ねる。
「死体がないわ」
「そうですね」
粉砕したものから踏みつぶしたものまで綺麗に片付いている。
多分草むらの中の両足も消えていることであろう。
ウィンドウ・モニタに映し出されて不安気な表情を見せるヴェレーネに巧が質問を重ねた。
「それが?」
「狼よ!」
「ああ、なるほど」
人肉の味を覚えてしまっている可能性が有ると言うことか。
それを心配するのは分かる。
早贄は相変わらずの場所にぶら下がっているが、かなり鳥に食い荒らされて最早見る影もない。
「ん~、大丈夫でしょ、多分。
山の麓に奴らの一時的な拠点があったって、主任はそう言ってましたよね。
そこの残留組が回収したんだと思いますよ」
「何故、そう思うの?」
ヴェレーネの疑問は当然である。
「あれ、見えますかね。 早贄がぶら下がっている樹の根本」
巧はカメラを二四倍にしている為よく見えるが、彼女では難しいだろうと思ったところ、答えは以外に早く帰ってきた。
「あいつらでも、ああいう追悼をするのね。
あの優しさを何故、他の民族に向けられないのかしら……」
樹の根元には僅かながら花が添えられていた。
はっきりと人の手によるものと分かる、それであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「で、何故お前らが此処にいるんだ?」
ブリーフィングルームに戻ると、確かに自分の時計は三日進んでいた。
それに驚く間もなく、二人の人物の顔を見ることになる。
桐野昴と岡崎彗である。
桐野は伍長に岡崎は軍曹に昇進していた。
「お久しぶりです。曹長。自分は此処には先輩と同じでASテスターとして配属されました。
今は資格のない見習いですので、曹長になってからの搭乗になります。
基礎整備の訓練からですね。
で、こいつなんですが……」
そういって、右手にいる桐野に肩越しに親指を向けた。
言い辛そうである。
「何しでかした?」
巧の声に、桐野は苦笑いで、
「いや、弾撃ち足りないって、訓練や演習の度ごとに上官に言ってたら移動願い書かされちゃいまして、」
「つまり、希望という名目の左遷だな」
「……ですよねぇ」
頭が痛い、巧がそう思っていると、
「彼女、新型の自動小銃専用のテスターになって貰うことになりましたわ」
ヴェレーネが現れた。
桐野は敬礼で返すものの、目付きは既に踊り狂いそうなモノである。
勤務は週明けからであり、今日は挨拶に来たのだと早々に引き上げていった二人を見るヴェレーネの顔つきは黒い。
巧はそれに気付き、
「彼らを引き込まんで下さいよ」
と釘を刺した。
ヴェレーネは一瞬巧を見て、それから横を向くと、
「顔に出てた?」
と訊いてきた。
「出てましたね」
と答えた巧だが、この二人がこのような雰囲気の会話をするのは実は初めてのことである。
二人とも互いの僅かな変化に気付かない侭であった。
翌日の研究所、ヴェレーネの書斎で二人はかなりの言い争いをしていた。
最初は『あちら』に持ち込む車両について話をしていただけである。
六号倉庫の地上部分から、車両にして大型の四トントラックを四台は一気にセントレアの魔導研究所敷地内に転移させることが出来る。
質量は関係ない。 魔方陣の効果範囲に物体が存在すればよい。
六号倉庫は四十メートル四方の大きさである。
魔方陣を広げれば更に大量の物資も送れるであろう。
但し、今回はそれほどの量は要らない。
何より、車両を運転できるのが二名しか居ないのだ。
巧とハインミュラー老人の二人である。
ヴェレーネは四トンを運転するには身長が足りないし、よしんば可能だとしても国家の重要人物である。
この作戦への参加は不可能だ。
此処で問題が起きた。
敵地潜入の人員について、ヴェレーネがハインミュラー老人の参加を断固として反対したのである。
『補給を考えると、もう一台は中継点となる車両が欲しい』、巧はそう訴えたがヴェレーネは聞く耳を持たず、いつの間にかどちらが主導なのか分からなくなっていた。
現地で若い人間を訓練して運転を覚えさせることも考えたが、そのような時間はない上に、技能に不安が残る。
訓練は行うにしても今回、新米ドライバーは投入できない。
「あんた、自国民を救いたくないのか?
ハインミュラー氏は義勇兵だぞ。死に場所を与えてやれ!」
業を煮やして巧が叫んだ時、ヴェレーネの平手が飛んだ。
「あなた、やっぱり『リパー』ね」
怒りの込もった台詞。
今回のその言葉は巧には平手どころではなく効いた。
巧の表情からヴェレーネは言ってはならない言葉を発した事に気付いて、謝ろうとしたが声が出ない。
そして、巧はと言うと
「少しお互い、頭を冷やそう」
そう言っただけで部屋を出て行った。
巧が去った書斎で、ヴェレーネは自分がおかしくなっているのに気付いていた。
六十年前に目覚めた時、既に記憶の半分は失っていた。
家族というものの存在を知らないまま、『国家』に尽くしてきたつもりだった。
しかし、ハインミュラー老人と初めて出会った日、彼が発した言葉。
『国って奴はな、政治や制度じゃないんだ。そこに住む人のことさなぁ』
自分だって分かっているつもりだった。
しかし、本当は実体がなかった。
女王と近衛隊長の姿をしたマリアンが抱き合って涙を流した時、胸の中の何処かが痛くなった気がした。
あれが家族だ。あれが『国家』なのだ。
だから、一人も死なせたくない。
初めての自分の家族である、お爺様も死なせたくない。
だが、自分は女王の代行なのだ。
この国で、女王を代行できる唯一の人間なのだ、私情など捨てなくてはならない。
いや、捨てるも何も、最初から何も持っていないではないか。
あの人は私の国家ではない、私の家族では……
柊の意見に従おう。そう決めると、涙が頬を伝う。
ティーマの時もそうだったが、あいつはいつも、いつも私を苛める。
「柊巧の馬鹿野郎……」
少し強めに呟いた。
巧が締め切らなかったドアの外から、その声を聞く者が居ると知らずに、
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌日、二人は余り口を利かない儘に『実験機材の準備』と称して第六倉庫に車両と機材を運び込む。
作業員達にとっては辛い職場になった。
仕事は楽なのだが、責任者二名の険悪な空気に気圧され、自然と無口になる。
静かに事は進んだ。
結局、予備を含めて出来るだけ多くの車両や部品・備品を運び込むことになった。
因みに第二兵器研究所の予算はあと少しで兆に届く程、潤沢である。
作戦の主役となる三十式偵察警戒車両。
ディーゼルエンジンと燃料電池のハイブリッドであり、燃費に優れ、長時間電気低速走行が可能な優れものである。
また、搭乗員三名の他、兵員六名を運ぶことが可能だ。
最も現在その場所の半分が、上部に取り付けられた『簡易式熱レーザーガン』の高圧電池に塞がれている。
本来は、燃料としてナフサやメタンも使用可能なガスタービンエンジンを持った三九式を使いたかったが、燃費と整備性を考えて諦めた。
何より、ディーゼルなら、バイオディーゼル燃料の精製があちらでも可能だと、確認されたからだ。
余裕があるなら戻って補給するだけであるが。
より小型である軽装甲機動車も一台持ち込む。
現地の地質から、重量のある三十式の運用が難しい様なら切り替えようと考えたのだ。
しかし、三十式には、簡易では有るが三連射が可能な熱レーザーガンが付いているのに対して、こちらは非武装だ。敵地で使えるかどうか難しい。
尤も、それを言うならばトラックなど更に危険なのだが。
その安全性に問題のある四トントラックが二両。
これは、補給は勿論のこと最終的には拉致被害者の搬送に使用できると思ってのものだ。
燃料の軽油も荷台にドラム缶積みで満載してある。
車両はともかくとして、安全性に疑問が残る作戦行動である。
馬鹿げたことだと巧は怒り狂ったが、小銃も機関銃も携行は認められなかった。
ヴェレーネは話すら聞かない。
拳銃もリボルバー式のものだけである。
魔法の使える『護衛』を付けるとヴェレーネは言っているが、それで納得できるものではない。
巧はある方法で、せめて小銃の使用だけでも出来る様に細工はしておいたがのだが、ヴェレーネに確認は取っていない。
現地で再度話して説得するつもりではある。
早い話が、弾も含めて十数丁は機材に持ち込んである訳だ。
ヴェレーネはカグラに『金属薬莢』、特に『雷管』が入ってくることを恐れた。
先だってAS31―Sが使用したガトリングガンの弾にすら、一発一発に自分の精神粒子を付着させ、排莢と共に自分の指定した地点に跳躍させている。
その上で巧にガンの使用を制限しておいた訳である。
排出された薬莢は、当然この世界に戻る時に全て持ち帰った。
凄まじい念の入れようである。
彼女は現在、小銃用やガトリングガン用の『燃焼薬莢』(使うと燃えてしまう。戦車などでは実用化)の研究を終了した。
過去に製造していた海外の会社があったのだが、ジャミング(弾詰まり)の原因になりやすかったため現場での悪評がたたり、正式採用された後、放棄されるという失態を辿っていた。
彼女はそれを改良して特許も取得し、既に試験生産に入っているが、本社からはあと少し納期が遅れると連絡があった。
『セム』からの三十四日後、いやもう三十二日後となる警告の問題もあり、ガトリングガン用の物だけでも何とかしなくてはならない。
焦っている。
実はカグラにも大砲や銃は存在する。
フェリシアの建国の頃から、大型魔獣に攻撃を仕掛けた際に『とどめを刺す』為の武器としての大型で単発のハンドキャノンが特に身近なものだ。
当然火薬の存在も知られており、兵器として活用されることもあるのだが、それらは全て先込め式であり利便性が悪い為、先月のトレビッシュや長弓の方が断然に主流なのだ。
射程も大して変わらず、火薬の危険度を考えると当然そうなる。
小銃を作った者も居るが、有効射程が二百メートル程度では魔法の方がマシであり、意味がないと言うことですぐに投げ捨てられた。
製造技術も忘れ去られている。
しかし、雷管を持った薬莢がシナンガル内部でもし見つかったならどうだろうか。
過去の文献を調べて銃に使用可能なものだと知られたら、フェリシアの魔法力も全く歯が立たない、巧達の世界の兵器と同じ発展を遂げるかも知れない。
そうなれば、対抗上フェリシアは更に強力な武器を持たざるを得ない。
第一回目の跳躍の後の会議において東部守備隊長のアルボスが危惧した通り、カグラが破滅する程の事態になりかねないのだ。
武器の発展は緩やかに進んで欲しい。
それがフェリシアの出した答えだ。
これらの武装を大量に整えればシナンガルの奴隷一億を味方に付け、シナンガル人民共和国を壊滅に追い込むことも出来るであろう。
実際、フェリシアつまり第二兵器研究所から巧の母国へは、研究所の母体である商社を通じて国民年間消費量の一〇パーセントに及ぶ小麦や大豆を含む雑穀をかなりの安値で卸している。
武器は揃えることが可能だ。
国家間にとって食料というものは、実は『武器』である。
食料自給率の低い国に対して、国家間交渉の材料に出来ることは誰でも分かる。
その武器を惜しげもなく、フェリシアが安価で流し込んだお陰で巧の国の小麦・大豆などの備蓄は畜産用も含めて全国民の二年分に相当する程に貯まっている。
過去、最大で国民のみ二百日分という時代が嘘の様である。
食糧自給率の低い巧の母国にとって第二兵器研究所は、その問題の救世主でも有るのだ。
その第二兵器研究所が、『実験用』に何万丁武器を欲しがったところで、親会社を通じてきちんと製造業者に対価を払ってくれるのなら問題はないと許可が下りるであろう。
また、国の査察に応じて実験に使用した武器の保管・或いは破損した武器の破棄に係わる点検を書類上だけでも認められれば、これまた何の問題もなく武器は流れる。
国防にとって余程、驚異になる武器を除けば、の話だが。
金銭的には国が口を出せない民間会社同士の取引でもあり、使用は軍の活動の一部なのだ。
第三セクター方式の美味いところ取りである。
また最終的には兵器工場ごと、フェリシアに持ち込む手すら有る。
しかし、フェリシアはそれをしない。
言い方がくどくなるが、大陸征服の野望など無い上に武器の拡散後のことを考えれば、破滅が待つばかりであることを知っているからだ。
精神の発達と武器の発達がアンバランスなこと程、恐ろしい事はない。
因みにこの『食料輸入』の受け元は、あの『広田修身』である。
彼は多数の国からの輸入穀物に水増しして書類を弄り増加分の輸入を確保させている。
また、省庁のある人物を通じて、内閣にまでこの食料輸入についての工作を認めさせているのである。
発覚してスキャンダル扱いになれば、彼一人が責任を負うシステムになっているのだ。
過去に巧に話したことのある、暴れたら、馘首になると云う話以前に既に危険な橋を渡りまくっている男。
流石は柊穣の盟友と言うべきであろうか。
巧は知らないが、彼は当然ながらフェリシアには巧より先に数度訪れている。
しかし、その広田も又、女王と近衛隊長の正体を知らない。
知っていれば、現在の杏の状態を放っておく筈がない。
ヴェレーネはその意味で、巧どころか女王とマリアンまでをも騙していることになる。
『国家の為に今二人に動揺して貰っては困る』との思いからなのだが、これが吉と出るか凶と出るかは賭である。
杏が万が一の際には彼女は命を持っても償う覚悟ではあるのだが、それで済む話でもあるまい……
「おい、そのパワーローダー、置いてってくれ」
ハインミュラー老人と杏のことを比べて意識を現実の外に置いていたヴェレーネは、巧の声でその場に引き戻された。
「どうするの?」
巧がパワーローダーを倉庫内に残そうとすることを不思議に思い問い正した。
パワーローダーは人間の外側をぐるりと外骨格の骨組みだけが取り囲んで出来た、作業補助機械である。
高さ二メートル程で、両腕のアームで様々な事が行える上に、フォークリフトの役割も担える。
ASの原型とも言える代物である。
「ああ、ドラム缶の積み卸し、あれがあれば楽ですから。
それに、今、国境の防衛線に城塞を建築中ですよね。 そいつの手助けになればと思いましてね」
そう言って、巧はヴェレーネにペンを挟んだクリップボードを渡す。
三十式偵察警戒車両に詰まれたレーザー加速リングと拳銃を除いた全装備品の廃棄証明書である。
これで車両や物資は全て、この世界から合法的に消えることになる。
ヴェレーネはサインをして返した。
装備品目録に銃が入っていることには気付かなかった様で、巧はほっとする。
「じゃ、これで準備OKだな。おい、そこの君。これ事務に届けておいてくれないか」
巧はそう言って、作業員の一人に書類を渡した。
作業員が全員退出すると、倉庫の巨大なエンジンドアが閉じていく。
「まだ、結論は出ないんですか主任?」
巧の声に、ヴェレーネの反応は薄い
「昨日ちゃんと詫びましたでしょ。了承もしたはずですわ」
「そうでしたね。自分こそ、言い過ぎました。すいません」
巧もあの後、反省したのだ。
彼女があれほどに慕っている人間を指して、
『死なせろ』
などと言ってしまったことに。
ハインミュラー老人がヴェレーネにとって自分に対する杏やマリアンのような存在だったとしたら、到底許せないと思っても仕方ない。
『俺は馬鹿だ』、巧はそう思っているが、さっきの様な質問しかできない。
きちんと謝りたくて言葉を振ったのだが、どうにも会話が堅苦しくなる。
それが当たり前なのだが、何故か、思った以上に辛い。
彼女を傷つけたことが辛い。
エンジンドアが完全に閉まり、ロックを掛けるコンプレッサー音がする。
「行きましょう」
ヴェレーネに続いて、巧も作業指揮の高台から床に降りる。
車両の集まる倉庫の中央に来ると、床に巨大な魔方陣が現れた。
これは第六倉庫の電源を使い、その存在を維持しているだけで次元跳躍に関しては全てヴェレーネが行う。
オレンジの光が倉庫の床を円形に輝かせる。
そして、一瞬の強い輝き。
瞬きする間に風景は変わった。
フェリシア王国首都セントレア。魔導研究所の敷地内に置かれた転移用広場。
巧達は装備一式と共にその場に現れた。
日差しが強く、緑が眩しい。
先程まで、倉庫の中の人工的な光に照らされていた為、緑に囲まれた此処は目に痛い程の眩しさである。
「美しい場所だな」
巧がそう呟くと、ヴェレーネが微笑み、
「当然でしょっ!」
と笑った。
巧も笑う。
笑い声が収まった時、何故だか互いに妙に気まずくなった。
ヴェレーネが、とにかく移動して施設内に入ろう。
と、巧に声を掛けようとした時、
「あた、あいたぁ~~。何でこんな処に石があるのよ。
それに芝生って何! ここ倉庫の筈でしょ!」
トラックの下から女のわめき声が聞こえたのだ。
二人ともギョッとする。
無関係な作業員を巻き込んで転移してしまった様なのだ。
場合によっては記憶操作するしかない。
ヴェレーネはそう考えるが、記憶操作は一つ間違えれば相手を廃人にしかねない危険な行為だ。
トラックの下から、スカートに芝生の染みを付け薄い栗色のカールした髪を持つ女性兵士が薄茶色の標準制服姿で現れる。
巧は何処かで聴いた気のする声だと思い当たっては居たが、流石にこの予想は外れて欲しかった。
メタルフレームの眼鏡を左手の中指でクイッと押し上げ二人に向かって背筋を伸ばして敬礼すると、その女性兵はこう言ったのだ。
「桜田美月、伍長。来週月曜日の十四日を持ちまして第二兵器研究所配属となりますが、その前に主任にご挨拶に参りました!」
「参りました、のは俺の方だよ!」
巧が叫んだ!
サブタイトル元ネタは、1985年頃の、火浦功「お前が悪い!」です。
ふざけたタイトルですが、中身は実に密度の濃い短編集です。
表題作や掲載作「ロボットたちの浜辺」などは実に身近且つ、スケールが大きな話だと感心させられました。
後半はすちゃらかな部分もありますし、なんと「ゆうきまさみ」や「出渕裕」、「伊藤和典」などとの雑談をそのまま作品にしたなど、アホらしくも面白かった記憶があります。
あの本、何処行っちゃったのかなぁ・・・・・・




