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星を追う者たち  作者: 矢口
第八章 俳優交代
150/222

149:捕虜達の黄昏

 侵攻してきたシナンガル軍を発射基地方向に誘導するために『囮の防衛部隊』としてアトラトシカ山脈の東側南端に配備されていた兵数は二千五百名。


 その内訳はポルトやプライカなど、比較的大都市の衛士と呼ばれる官憲や、首都警備隊などから徴発された急造部隊であり、主導は東部方面防衛軍八百名、そして地球軍百八十名の僅か九百八十名であった。


 此等(これら)の情報は、先の”AH-2S墜落偽装”に際してエミリア・コンデが手に入れた書類内容に記されていたものだ。

 しかし、その内容は事実からは相当に改竄(かいざん)されており、“この防衛軍が北部に移動する事は不可能である”と云う結論が読み取れる様に組み上げられていた。


 北部に軍が移動できない理由は先の通り、地球で云うなら兵員の半数以上が警察官の集まりのような軍隊であると言うことが第一であり、次いでは、強力な重火器を配した首都防衛のための決戦部隊で有るため、この位置を主戦場に設定している、と読み取れる。


 勿論、エミリアとて書類の裏取りは行う。(裏取り=事実確認)


 しかし、少なくとも半数の千名は正規軍である。

 また臨時徴兵者と言えど、基本的に志願者優先である以上、何処の世界に『俺たちは弱兵だ』などと答える兵士が居るだろうか?


 問われれば威勢の良い言葉を返すに決まっている。 


 何より中核となる国防軍の重火器に関わる情報に決して嘘偽りはなく、それだけを指すなら、確かに弱兵などとは誰にも言えなかったのだ。


 志願、或いは招集された兵士達は、『鳥使い』こと国防陸軍輸送部隊(スリック)に所属するガンシップ化された汎用ヘリ(UH)やオスプレイなどによる地上攻撃デモンストレーションを見た(おり)から、全く負ける気がしなくなっていた。


 四機配備されたオスプレイはそれぞれ三十ミリ・チェーンガンを胴体下部に一基装備し、最大七二名、三個小隊の完全武装の兵士達を敵の背面にまで展開できる。

 UH搭乗兵まで含めれば空中機動歩兵中隊が軽く一丁出来上がり、だ。


 デモンストレーションに於いては、その付随(ふずい)する二機の汎用ヘリ(UH)が、ガンポッドミサイルを模擬攻撃対象となる巨大な岩石の根本へ叩き込んで見せた。

 爆圧は見事に上へと吹き上がり、建造物で言えば家一軒分ほどにあたる岩が一瞬で消える。


 その瞬間に「負けるかも知れない」などと云うフェリシア兵士の感情までも消え去るのは、”当然の成り行き”であった。


 エミリアは騙されたのではない。

 “勝てる”と思い込んだ者達から、彼等が”真実と信じる情報”を受け取っただけなのだ。


 また、エミリアが見事に誤認させられた事と同じように、”信じた者達”を通じた“無敗の雰囲気”は首都セントレアにまで伝播し、王宮やヴェレーネが頭を悩ます国民の好戦性を高めていったのが、後に大きな問題となった。


 確かに攻撃ヘリの火力は凄まじい。


 だが、山中に点在する歩兵の大軍には如何(いか)に火力が優れていても勝つ事は出来ない。

 これはベトナム戦争時の北爆で証明済みだ。

 辛うじてネルトゥスが間に合った以上、小西小隊は拠点を確保し、北海岸線の物資集積点を叩くことは可能となった。


 しかし、敵は巨大に成長した翼飛竜を物資輸送手段として的確に運用し始めている。

 予想されていた事とは云え、これにより一撃での補給線の壊滅は難しくなったのだ。


 一度上陸されてしまえば、中世の兵は現代の兵士の感覚など想像も付かない窮乏(きゅぼう)容易(たやす)く耐える。

 夏場ならば山中の獣を狩って僅かな期間の飢えを(しの)いでも良い。


 そうしている内には数本に別れた補給線は強固になって来るであろうし、アトシラシカ山脈北部は、その寒冷な気候を利用した収穫小麦の集積地が幾らも点在しているのだ。

 仮にシナンガル軍が山脈東部を進んだならば、彼等も驚くほどの糧秣が容易く現地調達出来たであろう。


 その様な訳で、あの時点では敵に東進を許さぬ為に、『我が軍、精強!』は必要な情報の流布(るふ)であったのだ。

 一概に王宮や軍を率いるヴェレーネを責める訳には行かない。


 また作戦は、当然ながら軍部主導である。


 軍事は軍に任せる。

 反面、国民が生活に於いて“無用の(いくさ)”を好まぬ良民となる教育の責任は文治(ぶんち)にある。


 このふたつは繋がりつつも、分けて考えなくてはならない。

 問題が予想されるなら議会は軍に対応策を提出させるべきであったし、“対応策がない”と言うならば、せめて自分たちで国内世論を好戦的な方向へ持ち込まぬよう、シナンガル軍の上陸が確認された後は、“戦争を煽ってはならない”と云う様な広報活動に勤める義務があった筈なのだ。 


 だが、先に王宮が危惧した通り“戦争経済の蜜”に群がる蛾や蠅を議会から押し出すことは遂に出来なかった。


 確かに王宮の権威は庶民にまで影響を与えてはいる。

 しかし、『金』というものに対して”それはそれで別問題”となるのは、生計を立て”生きている”人間として当然の事だ。


 結局は王宮会議が事の尻ぬぐいに走り廻ることになった。

 ヒロタに率いられたセリオなどの若手商人達や、ポルカで彼等と知己を得たオベルンが内需拡大の為の委員会を設置し、新たな流通の方法、或いは人口増大に関わる政策の立案までをも行っている。


 この事態に重く責任を感じた内務筆頭ヴィンス・バートンは議会に対して内閣の総辞職を打診したが、()れに対する議会の反応は驚くべきものであった。


 簡単に纏めるなら、

『軍を予算的に統制した上で敵兵を押さえ込むことに成功した名宰相であり、何を問題にしているのか、全く理解できない』という声が大勢を占める嘆かわしい内容だ。


 バートンはこの一件以来、現政権を維持する必要性に駆られる事となる。

 自分の不甲斐なさを認めつつも、それに輪を掛けた“他の馬鹿ども”に内閣に任せる訳には行かない、と思う様になったのだ。 



       ◇   ◇   ◇   ◇   ◇ 


 五月二十日、夕刻。


 完全な敗残兵の群と化したシナンガル軍が巨人に撤退ルートを指定され、北部山脈とアトラトシカ山脈の境、所謂“北岸山峡(ほくがんさんきょう)”へと辿り着いた時、其処には(にわか)には信じがたい光景が展開されていた。


 ざっと二百名程の『鳥使い』とおぼしき姿をした黒目・黒髪の自由人(バロネット)達と、それに倍する数のフェリシア兵が丘の上から彼等を見おろしていたのだ。


 いや、多少の兵は居て当然で有ろう。だが、集結と展開が早すぎる。

 まるで自分たちが完全に敗北してこの地に逃げ戻ってくるのを知っていたかの様なのだ。

 この事実に、疲労の中にも思考力を維持出来ている将官ならば驚かざるを得ない。


 何と言ってもフェリシアの“首都防衛隊主力”はアトシラシカ山脈の南端、即ち、此処から二千キロは南に布陣していた筈なのだ。


 整然と並ぶフェリシア兵と『鳥使い』達の姿を見た時、チェルノフはようやく、全て敵の手の内で踊らされているのに気付いた。


 いや、そんな事はあの平原で、とてつもない威力の火箭(かせん)(さら)され、挙げ句、突如現れた伝説の生物“魔獣”に蹂躙(じゅうりん)された時から、疾うに気付いていた。

 だが、自分を含むシナンガル軍がこれ程の“無能”とは決して認めたくなかったのだ。


 此の闘いの帰趨(きすう)は、鳥使い達が“ロケット”と呼ぶ『船』にシナンガル軍が見事に食いついた時点で決まっていた。


 “我々は返しの付いた釣り針を腹まで呑み込んだ小魚だった”

 チェルノフとしては、そう思わざるを得ないのだ。


 二万五千弱。


 これがシナンガル陸戦兵の現段階での生き残りである。

 軍事に()いて部隊の三割が失われれば、基本的に()の軍はまともな戦闘活動を取る事が出来なくなる。

 軍は二十四時間体制で動くからだ。

 再編成されるまで、この軍は存在しない軍として扱われることになる。


 (これ)即ち“全滅”である。


 現在のシナンガル遠征軍は全部隊の六割近くを失った。

 此処まで来れば最早、“壊滅”である。

 “壊滅”ともなれば、規模にも()るが再生不可能な軍の一歩手前と言える。


 その壊滅状態の彼等は、今、丘の上の兵以外の数百の兵士に囲まれている“らしい”


 “らしい”と言うのは、軍使として交渉に当たった伝令兵が、『この地にキャンプを張り、敵軍責任者の到着を待つように、』と巨人に命じられた際に、“例の火箭(かせん)が彼等を狙い続けている”とも告げられたそうなのだ。


 (もっと)も、明確な威圧のためであろう。

 丘の上の兵士達と共に堂々と姿を見せている兵器もある。


 まずは昨年の十月、所謂(いわゆる)『スゥエン会談』に際して現れたものとはやや(おもむき)は違うが、明確な『鳥』が三百メートル程離れた敵陣の高台に二羽降り立つのを見せつけられる。

 続いてキャンプの兵士一人ひとりにまで目の届く範囲には、先の巨人と、もう一体の別の黒い巨人が時間をおいて交互に立った。


 二体の内の一体である黒い巨人は、先の緑の(まだら)模様の巨人に比べて細身ながら、あれに輪を掛けて禍々(まがまが)しい風体(ふうたい)であり、威圧感は並みのものでは無い。


 これで逆らおうという気が起きる人間が居るなら、是非会ってみたいものだ、とチェルノフは思う。


 味方の竜は姿を消した。

 北部山脈に潜んでいるものも多いだろう。だが、目の前に居る二体の巨人の前に現れることはあるまい。

 “もしや”ではあるが、目の前の『鳥』たちに翼飛竜は全て墜とされたのかも知れぬ。

 いや、そうであっても全く不思議では無い。


 ともかく船は無事であろうか。


 本来の帰路よりも、かなり東に(かたよ)った道筋を歩かされ、船の集結点である入り江までは西に六十キロ近くの距離があるはずだ。

 あれだけの大艦隊であり、躁船員(クルー)もある程度だが残っている。

 全ての船舶は無理でも夏の穏やかな気候だ。八割は故国に逃げ帰れるであろう。

 あの『鳥』の火箭(かせん)如何(いか)に凄まじくとも分散した船の全てを沈められるとは思えない。


 だが、本当にそうだろうか、船など最早一隻も残っていないのでは無いか。


 チェルノフの思考はどの様に条件を重ねても楽観論に行き着くことはなかった。


       ◇   ◇   ◇   ◇   ◇ 


「俺たち、どうなるのかな?」

 一人の兵士の声がチェルノフの耳に入る。

 問われた兵士はそれには答えず、相手を(にら)んで黙り込むだけだったが、別の兵士がチェルノフにまで聞こえ良がしの大声で応えを返す。


「さあ、な? 俺たちの安全が保証されているのは取り敢えず此処(ここ)までだ。

 案外、議員様方が(そろ)ってフェリシア女王への恭順(きょうじゅん)を約束する“誓紙(せいし)”でも出せば勘弁してもらえるかもしれんぜ!」


 からかうような酷い台詞だが、別の兵士も同調する。

「全くだ。 ロンシャンの南は鉱毒の心配も無い良い土地だった。

 何が悲しくてこんな所まで出張って来なきゃあならんかったのだ!」


 兵士の半分以上が死ぬという酷い負け戦で兵の誰もが(いら)立っている。

 しかも、その内の一万近くは『虫に食われた』などと、名誉も何もない死に方なのだ。

 糧秣(りょうまつ)の他、医薬品もフェリシアから補給され、怪我人の治療も進んでいるものの、手足を失った兵士も多い。


 このキャンプで死ぬ者も少なくは無いであろう。

 あの平原で見捨てられた者達に比べればずっとマシな死に方と言えるが、兵達にとっては何の慰めにもならない。

 目の前で戦友が虚しく死んでいく中で、上層部に対する怒りは蓄積されて行くに違い有るまい。


 このまま同じ施設に収容されたなら、どさくさ紛れに議員達は皆殺しにされるかも知れぬ。

 チェルノフはその可能性に思い至り、ゾッとする。


 殺気を纏う不穏な空気は一部だけでは無いらしく、遠目にも指揮官達は皆、自然と集まって身を守るような姿勢を取っていた。

 部下の側で平気で身を休めているのは、あの巨大な魔獣からの脱出行に()いて、殿軍(しんがり)を勤めた将官や下士官達ぐらいである。

殿(しんがり)=撤退の最後尾を守る軍。敗戦時の生還率は良くても四割に満たない、という説もある)


 チェルノフも一応はその中に入っている以上、今の処は安全であるが、処遇が決まり収容所で兵士が落ち着き始めれば、彼こそが最も責を問われる立場なのだ。


 士官以上は収容所を別にして貰うよう交渉するしか在るまい、と必死で頭を巡らせるチェルノフ。


 その姿を見つめるふたつの目がある。


 人間の目ではない。

 加納電子工業製、『型番33B1-4CC』

 AS20頭部搭載、最大四十倍率を誇る大口径メインカメラであった。


「ラデク・チェルノフ、か。奴がこの軍の総司令官とはね。

 予定とは大幅に違うが、悪い方向へ外れたとも言えないだろう」


 蒼白(そうはく)なチェルノフの顔を見ながら、巧は首に絡みつこうとして来るクリールを肘で押しのける。

 ()ねた彼女に頭を叩かれるが、それにももう慣れてしまい、好きにさせるだけであった。



       ◇   ◇   ◇   ◇   ◇ 



 時間をかなり、そう、一月以上は巻戻す。


 三月二五日、即ち坂崎昇がゼータⅠの発射プログラムと共にカグラに訪れる前日。

 シエネの中央作戦本部に割り当てられた議員会館では、今回の『積極策防衛戦』について、最後の“詰め”が行われていた。


 坂崎以下六名の技術者を“囮”として認めるかどうかについても話し合われ、最後は『当人達に選択権を残す』ことが決定。


 だが志願者が二人以下の場合は(まず)い。

 発射技師の顔はスパイによって割れる事が予想される以上、其の人物が発射基地に向かうことを拒んだとなれば、『罠』の存在は容易(たやす)く見破られることになるからだ。

 最後は坂崎に対しては軍属特約の命令権を行使し、残る一人はレーダー要員から引き抜く事を決める。


 続いての議題は“殲滅(せんめつ)行為”そのものについてである。

 その中で大きな問題になったのは『敵をどれだけ生き残らせるべきか、』と云う事であった。


 殲滅作戦に於いて“敵兵の生存率”を考慮に入れるなど、おかしなことのように思われるが、そうではない。

 この作戦の最終目的は、後に巧が現場の指揮官達に思い出させる事になるように、

『最低でも一年間は、北部からの再侵攻を諦めさせる事』にある


 それにより、その後一年の間に北部には完全な連絡網、或いは監視網が整う。

 北からの侵攻は不可能とは言わなくとも、極端に難しくなるだろう。


 最終的にはフェリシア軍だけで、民間人の避難誘導や北部防衛の可能な体勢作りに繋げていくことにしなくてはならない。

 いつかは国防軍は撤退する以上、そうしなくてはならないのだ。


 その為に、今回の作戦で求められる『戦果』として必要なことが幾つかある。

 まず、物理的な損害と、それに伴う“恐怖”である。


 迂闊(うかつ)な事をすれば“痛い目に会う”事を敵に思い知らさせなくてはならない。


 これこそが北部平原に於けるゼータⅠを餌とした殲滅(せんめつ)行為そのものだ。


 だが、此処(ここ)で“仮の話”として考えるが、本当に全ての敵兵士が死んだ場合どうなるだろうか。

 戦闘員だけではない。

 輜重(しちょう)に関わる兵士、通信員、医療関係人員などの全て、1人残らず北部平原で消息を絶った場合、どうなるかを考えてみる。


 これでは結果としては“戦闘そのもの”を、つまりは最も重要なフェリシアの『恐怖』を知る者が存在しなくなる事になるのだ。


 それこそ最悪である。


 敵地に()ける状況が分からず、兵士も帰ってこないとなれば、敵は更なる大部隊で再侵攻して来るであろう。

 シナンガルにはその力が有る。


 よって、仮に全てを(めっ)する事が可能でも、それを行ってはならない。


 帰国し、フェリシアという『敵』の恐ろしさを伝え、触れ回る宣伝者達が必要なのだ。

 それも上層部が秘匿できないほどの数が必要である。


 空の兵、つまり竜騎兵の生き残りが幾ら居ようと意味が無い。

 地上戦闘の恐ろしさは地上にいた者しか分からないからだ。


 下瀬としては一万前後の生き残りが必要であろうと予測した。

 傷病で帰還中に死亡する者も考えれば一万二千から多く見積もって一万六千と云った処だろうか。


 つまり、結果から見るならば巧はやや敵を生き残らせ過ぎた事になる。

 その点は下瀬から責められてもやむを得まい。

 しかし、四万の兵士が僅か三十数分間で死んだ事実は、彼等の中に充分な恐怖を植え付けており、作戦そのものは成功と言えた。


 勿論、この時点では誰もその事を知る(よし)もない。

 (いま)だ未来の話だからだ。



 ロケットに関わる技術陣の選抜問題が決定した処で、この頃ビストラント海峡を航行中であったネルトゥスと再度無線が繋がれた。

 この会議には当然ながら柊巧“新任少尉”も無線参加していたのだ。


 此の様な決戦作戦に関わる会議に無線で参加するなど、地球でならば有り得ない行為だが、此処カグラの遠距離通信と言えば水晶球通信(スパエラ・エコー)のみである。

 秘密が漏れる心配は無い。


 巧は技術員の選出が中央本部で決まるまで、コペルからの情報収集に当たっていた。


 再度通信が繋がれ、巧の姿が立体(ソリ)モニタに現れる。

 議題となった、敵の生存予定数には巧も異論は無かったが、彼は此処で『捕虜となった将兵の帰国』について、在る提案をしてくる。


 これは作戦の最終目的である『最低一年間の再侵攻を防ぐ事』に関わる内容であったが、巧の口から発せられる三つの案のうちの最初の案を聞いた時、会議室の誰もが動きを止めた。


 



サブタイトルですが、イギリス人小説家ジョー・ウォルトンによる「ファージング三部作」:『英雄達の朝』を捩らせて頂きました。

この本も今注目している本です。

歴史改変SFですね。 ルドルフ・ヘスによる第二次世界大戦の英独講和が成立し、独軍はソ連のみと正面対決が可能になった時点から物語が始まるそうです。

アメリカのモンロー主義は続いており、戦争に関しては蚊帳の外、日本はイギリスの植民地を認め、東亜共栄圏の設立に成功している。

その中かで起きた一件の殺人事件に焦点が当てられる、という実に興味を惹く作りになっています。

第二部、第三部のタイトルもいずれ使わせて頂こうかな、と考えております。


22日、変更ヶ所有りです。

シナンガル軍が、北岸山峡にたどり着いた日時がおかしいので、18日→20日夕刻とさせて頂きました。

敗残兵に70kmを3日半で歩かせるのには無理があるかと考えました。

(通常の行軍速度で考えてしまったのです。 スイマセン)

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