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星を追う者たち  作者: 矢口
第七章 愛に生まれ、殺戮に育つのは『世界』
133/222

132:南方急行機

 アームドスカウト大隊長相沢忠洋(ただひろ)少佐が随分と雑音の多い無線を捕らえた五月十日午後二時丁度と云う時刻には、フェリシアの各戦線で様々な事が同時に起こっていた。



 まず、北部森林地帯ではスゥエンの将軍ラデク・チュルノフに率いられた六万五千のシナンガル軍が完全な上陸を終え、先発の一万二千は南部の街道に繋がる小さな村「ランスール」の包囲を完了していた。 

 ランスールに駐留するフェリシア駐留軍は名目上三百名。

 後退戦を続けてきた『鳥使い』を含めても四百に足りない数である。

 しかしこの村は、北部大峡谷と呼ばれる東西に二百キロを越える地割れの最も狭い場所に渡り廊下のように立ち上げられた村であり、万が一にも北部に魔獣が現れた場合を見越して城塞都市の小型版の様な造りとなっている為、流石のシナンガルの大部隊も攻めあぐねていた。

 その様な訳で先に包囲が完了したと言ったが、実質は半包囲という程度である。 

 ネロ・レオ-二魔法隊長率いる二十名、相田(りょう)少尉率いる六十名の計八十名の囮部隊は五名の重軽傷者を出したものの、辛うじて全員が揃って此処(ここ)まで辿り着き、一息吐いていた。

 重傷者も胸部骨折者一名のみであり、後方の跳ね橋を使って馬車で五十キロ以上南下した後に緊急搬送のヘリにより後方へと送られる。

 そのヘリが飛び立ったのが同日午後二時前であった。



 また、南部のゴースではレーダー観測員がある重要な事象に付いての計算を終え、針炎弾を持つ魔獣の出現に備え始める。

 唯、作戦実行を焦り森林に飛び込みかねないアルスを止め置くのにジョナサン・エリアスを始め多くの部下が腐心する程度の問題は起きており、磯谷伍長までかり出されて説得に当たらされる事になった。


 多少の問題は在れども一時的に安定している二方面に対して、反面、最大の要所シエネに於いては八岐大蛇(ヒュドラ)の熱線がデフォート城塞に貫通路を生み出し、フェリシア軍及び国防軍の防衛側のみならず、シナンガル側までをも驚愕の縁に叩き込んだ直後であった。



      ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇



 アームドスカウト大隊は総数二十五両、二個中隊及び独立一個小隊による変則編制であり、挙げ句、現在は大隊を南北のふたつに分けて各中隊で活動している。

 独立小隊の三両は現在海上にあり、予備機体の二両に至っては南部中央本部でパイロットすら不在と来ている。 

 二名のパイロットは現在規定に従って『重力リハビリ』のために地球に戻っているのだ。



 ()の広い警戒区域ではAS本来の使い方は一切出来ず“奇妙な分散行動を強いられている”、と相沢は毎日のようにぼやいている。

 ここ数ヶ月で良かった話と言えば、上級大尉から少佐に格上げされた際にASの搭乗権を剥奪(はくだつ)されなかった事ぐらいだ。


 五十嵐少佐のように事実上の後方勤務に回されるくらいなら昇進を断る処であった。

 此処に来て実戦に入ったかと思えば、倒した敵など敵兵が乗り込んだ小さな竜が一頭だけである。

 南部の方では、菅生(すがお)中隊長が一六、四〇〇メートルと云う距離をものともせずに翼長四十メートルクラスある“本物の”竜を撃破する、という『最長距離狙撃記録』を打ち立てていると聞けば、苛立ちも尚更(なおさら)高まろうというものだ。


 大隊全体を考える立場にある自分が此の様な『個人的な成果』を考えてはいけない、と云う事は理屈では知っているのだが、やはり悔しいという気分はぬぐい去れない相沢である。


 華々しい南部と違い、こちらは単なるパトロールと化している上に全体を見渡すためには自分が常に最前線に打って出る訳にも行かない。

 この様に中隊本部からパトロール区域まで出て来るだけでも、緊急時の為の手配を済ませてからになるため、其方(そちら)に面倒が多いほどなのだ。


 現在、山裾(やますそ)の切り通し近くに吉田曹長の一両が降りて警戒に入っている。

 先だっての切り通し襲撃の再現に備える形だ。

 本来はその拠点防衛活動も自分で行いたいぐらいだが、それすら許されない。


 午後一時を半ばも過ぎようとするライン山脈南部。 場所はシエネから北二百キロ地点である。

「あ~、うらやまし!」

 定時巡回中のコクピットで相沢は相変わらずのぼやきである。


『隊長、あのですね。いい加減にして下さいよ』

 そして支援車両の部下から、こうして小言が飛んでくるのも毎度の事だが、それにも、もう慣れた。

「平山君。君ね、事あるごとに俺を(いじ)めんでも良いだろ!」

『もう少し、こう“どっしり”、と構えて下さい。そう言っているんですよ』

「はん! これ以上どう、どっしり構えろってんだ?

 何だったら、俺が南部に行っても良いんだぞ。菅生(すがお)ばっかり良い思いしやがって!」

『あんた、何考えてるんですか!』

「隊長に向かってあんたぁは何だ、あんたとは」

『あんたなんか、あんたで充分です!』

「大体なぁ、ASは山岳地や市街地に()いて戦車と同じ運用を行う事に最も適した機体だって事は各種の環境実験からはっきりしてんだよ!

 それを本土より長い山脈に、ぽつん、ぽつんと、まるで砂漠の中の立木のような使い方させやがって、馬鹿じゃね-のか!」

『それ、大佐に直接言えばいいじゃないですか』

 この平山の問いに対して、相沢は今までの“がなり”が(ひそ)むような返事を返してきた。

 近距離無線がシエネまで聞こえている、とでも言わんばかりの怯えた声だ。


「……お前、怖い事言うね」

『何が、です?』

「ああ、そうか。お前、旅団の人間だったな」

『はい。少佐は確か今は二兵研でしたね。で、それが?』

「あのな、……大佐は魔女だ」

『凄い二つ名ですよね。お若いのは認めますけどね。

 訓辞の時ぐらいしか拝見できませんが、随分可愛らしくて、中学生みたいですしねぇ』

「あほう!」

『はい?』

「ありゃ、本物。モノホンの魔女なの!」

『遂に()かれましたか』

「字が違うだろ。人を勝手に殺すな! いやそうでなくとも無礼だぞ、貴様!」

『何故、あなた分かりますか?』

「お前は怪しい大陸人か!」


 相沢の怒鳴り声に被さる様に、無線担当の井上が会話に割り込んできた。

『少佐、平山に遊ばれてる場合じゃありません』

「井上、お前も結構きついよねぇ」

『あ、いえ、すいません。そうじゃなくてですね。一寸(ちょっと)、車両まで来て頂けますか。

 無線からじゃあ、お話しし辛いんですよ』

「なんだ?」


 隊長機の支援車両はG・E・Hグランド・エフェクト・ホバー搭載トレーラーの他に、39式偵察警戒車両を改良したJTPS-F20式野戦配備レーダーの中継車両も随伴しており、北部のトガを除いてはライン山脈のほぼ半分をカバーできる体勢を取っている。

 流石に『完璧に』とは行かないものの、其処は魔法石による結界がカバーする事によって辛うじて不審な飛翔体を捕らえる事が出来る訳だ。

 またASの守備範囲外ならば、この三九式の無線を使いシエネに航空支援を出す。

 

 だが、今日の昼前から無線の調子が悪いというのが井上軍曹からの報告だ。

 北部に向けては全ての車両(AS)と連絡が取れている。

 トガの陸軍航空隊との定時連絡にも異常はない。 緊急時にはAH-2Sの航空支援も受けられる。

 だが南部、即ちシエネ方面に向けて無線が全く届かないと言う。

 

「朝もそんな事言ってたよな。無線の調子を見るとか、電離層がどうのとか、そんな事言ってなかったか?」

 相沢の問いに、井上はやや申し訳なさそうな顔で弁解する。


「いや、最初はそう思ってたんですが、どうにも異常が見られなくて……」

一二〇〇(ひとふたまるまる)の定時連絡はどうなってる?」

「出来て、おりません……」

「何故、それを俺に報告しない?」

「いや、無線を調整してからと思いまして、作業を繰り返している内に……」

 其処でいきなりの雷が落ちた。

「馬鹿野郎!!」


 相沢は平山にからかわれていた時とは人が変わったかのような怒り様であり、井上の顔を斜めに見ながら、ゆっくりと区切る様に喋る。

「今、何処かで味方が苦境に会って助けを求めているかも知れない時に、機械いじりか?

 ()のド阿呆(アホウ)が!」

「すいません。 無線を先に直して仕舞えば、事後報告で、と……」

「その(かん)に、誰か死んでいたらどうする?」

 その一言に込められた真剣さに、先程の脳天気な相沢の姿は無い。 

 身体だけでなく顔付きまで細身だが、そこには人を威圧するに充分な眼力があり声には殺気さえ(こも)っている。


「平山ァァ、現在時刻ッ!」

 一キロは先まで聞こえるのではないかと云う程の相沢の怒声が樹々に木霊(こだま)した。

「ヒ、ヒトサン、サンロク……」

 先程まで相沢をからかっていた平山が緊張した声で一三時三六分を告げる。


「貴様等は本部設営地点まで後退。残務兵員と共に通信回復に全力を挙げろ!

 サンキュウ(三九式)の四十ミリ(機関砲)は何時(いつ)でも撃てるように準備。

 俺は、このまま尾根を越えて南部の無線中継局へ向かう。復唱!」


 支援要員五名が声を揃えて命令を復唱すると、急ぎレーザーガンからGEHへの換装を終えた相沢のAS31-Sは車両から距離を取る。

 GEHは低速とは云え、(れっき)としたラムジェットエンジンである。

 発進の際の加圧に人が巻き込まれたなら命はない。

 安全距離を取り、岩場を選ぶと燃焼推進剤を送り込んで一気に吹かし込んだ。

 圧力に耐えきれず足下の岩場にわずかに亀裂が入るが、それでも最高高度の八十メートルを取る事に軽々と成功する。

 AS20より二トンも軽いAS31は馬力に欠ける代わりに、GEHの対地効果に三割方の優位性がある。

 それにしても今の離陸は相沢が一流のジェット・ドライバーで在り、同時にAS乗りで在る事を証明するかの様な見事さだ。

 そのまま一気にスロットルを空けた彼の機体は、その頭部を南方の無線局に向けると、(しゅん)をも待たずに消え去った。


 相沢の機体が完全に姿を消すと同時に平山が腰を抜かして泣き出してしまう。

「あ、あんばび、こばび、だいじょ、ばびべて見たぁ……」

 久々に全員が見る平山(まな)伍長の女性としての顔であった。

 無線員の井上は支援車長に絞られた上で、後退するトレーラーの荷台上で立番である。



      ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇



 山岳地に()いて低空を保ちつつ時速二百キロ以上の速度で飛ぶ事は、戦闘ヘリでも容易(ようい)には行えない。

 少しでも障害物や霧があれば、あっさりと視界が塞がれて樹木や岩肌に激突する事は珍しくないからだ。

 二〇二〇年代末まで対地攻撃で無敵の武装を誇った攻撃ヘリ・アパッチことAH64を旧隊が大量に採用しなかったのは、結局は母国の複雑な山岳地では軽快なAH-1に大きく後れを取った為である。

 現在採用されているAH―2Sの開発理由も、その様な経緯からなのだ。


 今、相沢の飛行は尋常のものではない。

 彼は山岳地に於けるASの匍匐(ほふく)飛行能力が戦闘ヘリと同等、いやそれ以上の戦闘力を持つ事を証明して見せている。


 彼は模擬戦闘で一度も負けた事はない。何故か。

 勿論、理由はその腕前にもあるが、何よりはその“慎重さ”、にある。

 現在の飛行も(はた)から見れば狂気の沙汰(さた)以外の何者でもない。

 だが、彼にとっては充分に慎重な飛行の範囲に入るのだ。


 彼の慎重さを(あらわ)すエピソードのひとつに、柊巧との模擬戦を常に避けた、と云う事実がある。

 相沢曰く、

「ありゃ死体なの! どうやって死体の気配を掴めってぇのよ?」

 当時の巧を簡潔に言い表す、鋭い一言であった。


 現在直接に率いている小隊に於いては、一見いい加減に見える部分も在るが、全ては戦線を安定して維持するための彼なりの気配りだ。

 規律は重要だが緊張の対象となる上司と常に行動を共にしていては、兵士がいざという時には使い物に成らない恐れがある。

 そして何よりの理由は、現在率いていた彼の部下達五人中三人までもが殆どの部隊から配属を拒否された脱落寸前者達だと云う事なのだ。

 まだまだ教育や心配(こころくば)りが必要な人間を自ら預かる世話焼きな男、それが相沢という男の一面でもある。

 前線から後方の本部設営地まで全員を下げたのも()の様な事情からであり、彼等は未だ単体で実戦に出る能力は無い。

 本部に残る古参歩兵二六名に後を(ゆだ)ねた。


「あと少しで奴らも使い物になるんだがなぁ。中途半端に動かれて体は勿論だが心も死んで貰っちゃ困る」

 独り言と共に飛行を続けながら、相沢は何故か『柊』を思い出す。

“近頃は奴に気配があるという噂も耳にするが本当だろうか”、などと考えつつ稜線を越えた。

 途端、眼前に現れた大木を左展開のロールで避ける。

 カタログスペックの最大G四,二処では無い。五Gは掛かったのではないかという程の側方展開である。

“設計者の考えとは違う動き”をしなくては、決してパイロットは生き残れない事を彼の操縦は物語る程に“あと少しの遅れであの世行き間違い無し”、のタイミングであった。


 機体がほぼ真横に(かたむ)いた()の時、雑音だらけの無線機に“感”が在る。

 相沢は機体を立て直しながら無線の確認をするという器用な真似をする。

 仮に観客が居れば見物料金(かね)が取れる行為だ。


 だが、反応しているのが無線ではない、と気付いた相沢は驚きを表情に現した。

 予想外の大木の出現など気にもしなかった男の反応とは思えないが、其れも仕方ない。

 信じ難い事だが、コンバットコールは『緊急用に、』と持たされていた水晶球から発せられているのだ。


 コックピットのサイドホルダーを開き、固定された水晶球に話しかける。

“まさか、本当に通じる物だとは思わなかった”と云うのが相沢の正直な心境だが、鉱石(ゲルマニウム)ラジオの様な物だと割り切って対応した。

 北部駐屯地レーダーレンジの影になる山裾(やますそ)警戒には、魔法石と水晶球を使った魔術師と連携している以上、全く信用していなかった訳ではない。

 だが、何事も初めてには驚きがあるものだ。

 

 

「こちらはAS-N中隊、01(マルヒト)相沢機、送れ!」

“N”は「北地区」即ちライン山脈側を示し、“送れ”は受信可能の事である。

 相沢の送信に気付いたのか直ぐさま返信が来た。

『こちらシエネ中央作戦司令部、リック・リーラ通信魔術師。

 池間少佐より救援要請。

 シエネにAS対応が必要な敵出現、敵機数は最低で百以上。

 二百キロワットガンはシエネより随時(ずいじ)搬送中! 機体のみで急がれたし。

 対応機数は中隊長にて選別求む。送れ!』

「要請内容、了解!」


 シエネ城塞に大軍が襲来している事は分かった。

『対応が必要な敵』って事は噂に聞いた『鉄巨人』であろう。

 だが、何故AH-2S(コブラ)が対応できない? 

 相沢の疑問は(つの)るばかりだが、それどころではない。

 兎も角“急がねば”とは思うが、叫ばずにもいられないのだ。

「“了解”は良いけどよぉ、ここからだと後二機しか探せねーぞ!」

 

 その通りである。


 相沢の警戒区域から南には残り二両しかASは配置されていないのだ。

 だが彼は運が良かったようだ。

「っと、一機見っけ、だわ!」

 左前方に直ぐさま僚機を発見する事に成功した。(僚機=友軍)


 蓮川(はすかわ)准尉のN-03号機がこちらに向かってくる

 雑音の凄まじい無線で連絡を取ると、04号機は既に先行しているという。

 蓮川も相沢隊長機を探して北に向かっていたのだ。

「04は新田曹長か?」

「はい!」

「じゃあ、こっちも急ぐぞ!」

「残りは?」

輸送隊(スリック)に飛んでもらう。というかほれ、右!」

 相沢から見ては左側には既に汎用ヘリ(UH)が北へ向かっている。

 他のASに直接呼びかけるのだろうが、航続距離の問題もある。

 後は一両が限界であろう。実質四両で百を相手にするのかと思うとゾッとしないでもないが、レーザーガンを頼りにするしかない。


 転進した蓮川機を引き連れて相沢は速度を上げた。



      ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇



 ゴース空軍基地から飛び立ったF-3Dは僅か二十キロつまり離陸後、約三分半で既に無線が使えなくなっている事を知った。


「こんな遠くまで、影響があるのか」

 パイロット達は呆れるばかりであるが、やむなく機体を近づけてハンドサインで互いの意思疎通を行う。

 総勢十八機、ペア九組の大部隊である。

 だが今回、彼等は自分たちで戦う事はない。

 ミサイルの(たぐい)は電波妨害で使えない事は最初から知っていたからだ。


 当然無線も使えない事から、城塞三十キロ手前で旋回行動を行い、其処で無人戦闘航空機(UCAV)を切り離す事になっている。


 無人戦闘機『AF2型』

 完全自立型無人戦闘機である。

 無人戦闘機は二〇〇〇年代初頭から『技術研究本部』において開発が行われ、米空軍などは二〇二〇年代には完全実用化寸前までいっていた。


 しかし、現在その研究や開発は大きく()まっている。

 理由は技術の問題ではなく政治的なものだ。 

 米空軍パイロットから政治家に転向した人々は歴史在る空軍を無人機(ドローン)に乗っ取られる事を極端に嫌ったのである。

 

 尤も、優秀な機体を全く使わない訳にも行かず、無人機は有人機に随伴(ずいはん)する事で有人機を守る守護機(ガーディアン)の役割を持たされている。

 AF2型もその様なガーディアンの一種と云う訳だ。


 優秀な機体ではある。

 だがキネティックの出現という報告を受けていた筈の航空メカニック達が大きく失念していた事実が有った。


 その忘れていた事実から引き起こされた失敗が戦線に大きな変化を引き起こすことになるのだ。




サブタイトルはSFではなく、時々読む古い作家さんの「南方郵便機」を捩らせて貰いました。

航空機が未だ複葉機の時代のお話ですね。

航空航路支配人の職務、離陸シーンや管制官との遣り取り、先輩パイロットとの会話、その先輩の殉職など様々な話が盛り込まれた「夜間飛行」という本に収められた一片です。

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