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その4

その後、特におじーさまから話し掛けられる事はなく、いつもの日々を送った。



「今日は、パチーノの建国記念日で街中お祭りをやっているのよ。

せっかくだから、皆で見に行きましょう」


おばーさまの提案で、私達兄弟と母様とおばーさまでお祭り見物に出かける事にした。おじーさまは、お仕事だそうで不参加です。



そーいえば、昔、人間の街で暮らしてた時に謝肉祭かなにかのお祭りに一度行った事があるが、家族とはぐれてしまったフィーダがエルフと間違えられて(エルフに会った事のない人間は、エルフとハーフエルフの区別がつかないから私達の事をエルフだと思ってる人が多い…。まぁハーフエルフも十分に珍しいけどね)人買いに誘拐されそうになった。


暴れるフィーダを誘拐犯が失神させて、袋に詰めようとしていたところを、父様に発見され、更に母様が誘拐犯達を半殺しにしたという凄い過去がある。

私達は、それ以来祭には行っていない。



久しぶりのお祭りだから、フィーダには、悪いがワクワクする!まぁフィーダもトラウマにはなっていないみたい。

さっきから「クラス!わた飴とホットワインは絶対外せないよな!」とウキウキ顔。


「お前、はしゃぎ過ぎて、またさらわれるなよ」 と冷たい目でクラスに突っ込まれていた。


しかし、フィーダはどこ吹く風。


「大丈夫だよ。俺、魔法使えるようになったから逆にぶっ倒してやる!」


「ここはエルフの国だから、みんな魔法が使える事忘れてるだろ。今回は絶対にはぐれないようにしろよ。フィーダ。」


クラスが釘をさす。


「まぁまぁ、クラス。フィーダだってよくわかっていますよ。


フィーダ。クラスはあなたの事を心配だからこう言っているのよ。きちんと気をつけるわよね?」

おばーさまが間に入ってとりなす。さすが、名バッファーだわ!


そうこうしているうちに馬車が広場に着いた。


いつもは、青と白で統一されている街が、目にも鮮やかな色とりどりの飾りつけをされている。


所せましと出店がひしめき合っており、エルフだけでなく、ホビットやドアーフ、ピクシーなど様々な種族の人達が店を構え 見たこともないような物を売っていた。


「トロール山の地下鉱脈で取れたオリハルコンと金細工はいらんかね?」


「妖精の粉を振り掛けた凧は、どんどん上がるよ。」


「イエティが作った、アイスクリームだよ!レモン味、バニラ、ミント味、ベリー味、チョコレート味の中から選んでね」


「私達人魚の涙からできた一級品の真珠のネックレスはいかが?」


「太陽の花の蜜で作ったプティングよ〜 安くするわよ」


「魔女に伝わる若返り薬はいらないかい?」


色々な種族の出店がでていて、どれも目移りしてしまうラインナップだ。

いい匂いと綺麗な品物に驚いていると、パレードの紙吹雪が舞い散ってきた。すると舞い上がった色とりどりの紙吹雪同士がくっつき、紙の小鳥になるとリロリロと不思議な鳴き声をあげながら、飛んで行った。


す、すごー!!なにこれ…

凄すぎる。しかも屋台の食べ物は、全部おいしそう〜!

そしてキレーめちゃくちゃ楽しそう!!


私は、目を輝かせて聞いてみた


「クラス、フィーダ、ラインどれから見ようか?」


「そうだねぇ。ラインは祭が初めてだよね?どれが見たいかい」


「…私、よくわからないからクラス兄様、ラルー姉様が見たい物を一緒に見たいわ。」


「それじゃ、ラルーは何が見たい?」


クラスはレディーファースト精神の固まりだから、女性や子供の意見を必ず先に聞く。

本当に優しい兄様だ


「そうね、今日は暑いからイエティのアイスクリーム食べてみたいな。」


「いいね!俺もアイス食べたいと思ってたとこ!レモン味がいいな」


フィーダも大賛成。


「それじゃ、さっき貰ったおこずかいをそれぞれに分けるね。」


そういってクラスが一人一人に硬貨を分けてくれた。


「母様達は、広場でお茶してるから、あなた達は好きな物見ていらっしゃい。大きくなったからあなた達だけでも大丈夫でしょう。でも、フィーダは絶対にはぐれないようにね。言われなくてもすると思うけど、ラルーとクラスは、ラインの面倒を見てあげてね。」


母様のお許しが出たので私達四人(カルはまだ小さいからおばーさまと母様と一緒)は、イエティの屋台へ向かった。

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