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その16

馬車に乗り込むと、これは本当に馬車の中かと驚く程広かった。つか、広すぎだろ…明らかに外観より中の方が広い。


馬車の中は、床一面に白いフワフワの絨毯が引かれ、暖炉までついており、パチパチと薪が真っ赤になっている。

暖炉の周りには坐り心地の良さそうな、ソファーとロッキングチェアー!

どうなってるのこれ!しかも、馬車の中なのに全く揺れない。


呆気に取られていると

「貴方達、王宮の馬車は初めてだったわね。パーティーに招待されると王宮から迎えの馬車が来るの。

招待客がゆっくりできるように魔法で内装を変えているのよ」


おばーさまが説明してくれた。

ほぇぇぇ!さすが王様。やることがでかい!


驚き呆然としている間に馬車は王宮についていた。


凄い早いなぁと思い降りる時になんとなく馬を見るとそこにいたのは立派なペガサス……


父様、本当に何でもありなエルフの国です。驚き過ぎて寿命が縮みまくりです。



馬車を降りると、目の前に大きな滝がドドドーっと盛大な音を立てながら凄い勢いで流れ落ちている。

ど、どこから入るのこれは!


「大丈夫よ。ついてらっしゃい」おじーさまが颯爽と滝の中に入っていき、おばーさまがカルを抱き、母様はラインの手を引いて後に続いた。


ねぇ、何が、何処らへんが大丈夫なの!全く、意味がわかりませんが…


「ラルー、フィーダ…。

3つ数えたら大きく息を吸い込んで入るからね!!」


クラスが意を決し、私とフィーダの手を強く握った。

ゆっくりとクラスが3カウントを取り、大きく息を吸い込むと私達は、一気に滝の中に入った。


う〜!!!うっ?えっ?えっ?

急降下してくる大量の水に押し潰されるのを覚悟して飛び込んだのに、水に濡れる事なんて全くなく、逆にホワッと暖かい。

滝を抜けると、いきなり明るくなり、壁も床も全て水晶で出来ている長い廊下に出ていた。


ゆっくり周りを見渡すと笑いを堪えている、おじーさま、おばーさま、母様の顔が見えた。


「びっくりした?(笑)私も最初に来た時、凄く驚いたのよね。


あの滝はね、招待されたお客は通れるけど、そうでない人は滝に流されて、滝壺の中に真っ逆さまっに落ちる仕組みになっているんだって!」


滝壺に真っ逆さま…

どんな鉄壁の防御なんだよ。まぁ、招待してない不埒な輩が簡単に入らないようにしてるのはわかるけどさ。それにしたって招待客すらビビるわ!


釈然としない気持ちで廊下を進んでいくと大きな広間に出た。


広間は、金色の水晶で出来ている床に、色んな色の火が燈っているシャンデリアが空間を明るく照らしている。


広間の正面は、数段上がっていておそらく王様と王妃様が座ると思われる水晶で出来た背もたれが長くデザインされた椅子が二脚おいてあった。


そのすぐ横には、妖精による不思議な音楽か奏でられており、更にそれより手前には長いテーブルにズラッと美しい料理が所狭しと並べられており、香しい匂いで誘う。


ファンタスティック!!

その一言につきるわ。



「おや、これはサルン伯爵ではないか!久しぶりですな!


奥方も変わらずにお美しい!

ん!?君は……エ、エルザかい?驚いた!何十年ぶりだろうか…」


「これは、ミスティーク公爵様お久しぶりです。お元気そうで何よりですわ。家出娘がこの度帰って参りましたのよ。」

母様が営業スマイルで対応する。

「君が人間の男と結婚したことは噂で知ったよ。と、するとこの子達は…」


「はい。私と愛する夫との間に生まれた天使達です。私の大事な宝物ですの」


「これは、これは………。君に似て美しい子達ばかりだね!」


「オホホホ!自慢の子供達ですわ!」


一見穏やかに見える会話だが、このミスティーク公爵は明らかに私達を見る目が冷たい。


「ミスティーク公爵。いい機会だから、私の孫達を紹介しよう。左から、クラス、フィーダ、ライン、ラルーそしてカルだ。お前達、挨拶をしなさい」


「!!!!!」

おじーさまが私達の事を孫って!?しかも名前まで覚えててくれたの?

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