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夏休み
夏。
あんまり好きじゃない季節。
暑いとかそんなんじゃなくて、とにかく好きじゃない季節だった。
理由なんて知らない。いらないでしょ。
そんな夏でも好きなとこくらいはある。
夏休み!
小説を書く時間がたくさんある!
趣味だってたくさんできる!
こんないい機会はないもの。
でも、
「なに書こう」
思いつかない!
だめだぁ、どうしよ…。
外ではセミの声。
窓際では、つるした風鈴の音。
風もあまりない日。
「はぁ…」
ため息がでてくる。
「…気晴らしに、散歩にでも行ってこよ」
こんな時は決まって散歩に出かける。
ノート、シャーペンに消しゴム、カメラ、音楽プレーヤー。
いろんなものを鞄に詰め、麦わら帽子と日焼け止めを持ってサンダルをはいて、私はいつもの場所に行く。
海も山もある田舎。
たまに嫌になるくらい何もないところ。
つまらないけど、最近はコンビニも増えたし、何年か前と比べればマシになった。
「ま、そんなもんか。所詮田舎!」