明け渡る
「うるさい!邪魔だっ、この役立たず!」
至近距離で缶ビールを投げつけられ、私は声も出せずに両手で顔を庇った。缶は私の横を通り過ぎ、鈍い音を立てて背後の壁に当たって落ちた。
一人でビールを仰いでいた母に学校のプリントを渡したところ、逆鱗に触れてしまった。狭い机の上には飲み干した缶が三本倒れている。
私は恐くてその場から動けなくなり、俯いて体を丸める。
こういう時は息を殺して母の気が逸れるのを待つしかない。
缶の中身は敷きっぱなしの布団の上に零れているに違いない。六畳半の部屋の床には布団や洋服、パンパンになったゴミ袋が散乱し、足の踏み場がない。以前、掃除をしてしまって「余計なことをするなっ!」と怒鳴られてから、家の中で何かをするのが恐くなった。
「お前のせいで私は不幸なんだっ!お前さえ産まなければ」
酔っぱらった時の母の口癖だ。
私を身籠った途端に父は母を捨てたという。それ以来、母は夜の仕事をしながら女手一つで私を育てる羽目になった。
母の不幸の原因は間違いなく私だった。
「…ご、ごめんなさ」
キッと母に睨まれ、ビクッと体が震える。くぐもった声は弱弱しく消えた。
「こんなもん、知るかっ!」
「いっ」
グシャッと丸められたプリントが頬に当たって、思わず目を瞑った。中学校の授業参観のプリントは、真ん中の折れ線以外には皺一つなかったのに、見る影もない。
「私の視界に映るな!トイレットペーパーでも買ってこいよ!愚図がっ」
目を吊り上げた母が、忌々しそうに爪を噛む。
私は心臓がキュッと冷たくなって、逃げるように家を出た。
六時でも外は暗い。紺色の空に星が二つだけ見える。
のそのそ歩いていると、角にあるコンビニの前で財布を持っていないことに気づいた。
ああ、私って本当に無能だな。
行く当てもなく、近所の公園のブランコに座った。両手に握った鎖が冷たい。小さい公園には誰もいなくて、いつの間にか寝入ってしまった。
瞼を開けると、見知らぬ顔に上から覗き込まれていた。四人とも金髪に緑色の目をしている。
「エミリー!目が覚めたのね!」
右手にいた三十代半ばの女性が、高い声を上げた。
驚いて体を起こそうとするが、体が言う事を聞かない。インフルエンザに罹った時のようなだるさと熱っぽさがある。
ベッドに寝たまま、辛うじて首を左右に振ることができた。
先程の女性が私の手を握る。冷たくて気持ち良い。
「エミリー、良かった!先生が峠を越えたって…」
それきり女性は泣き出してしまった。その間もしっかりと手が繋がれている。優しい手だな、と感じた。
横にいた夫らしき男性が彼女を支えながら、私に目を向けた。
「エミリー。可愛い私たちの娘。よく頑張ったね」
「エミリー!良かった。兄さんなんて、昨夜一人で泣いていたんだから」
「うるさい!お前もだろう。エミリー、心配したよ」
彼ら二人はよく似ている。両親と二人の兄は見たこともない穏やかな瞳を私に向けた。
この体の主は随分と愛されているらしい。
薄ピンクの小花柄の壁に、白いテーブルとソファ。少女っぽいお部屋はきっとこの子の好みだろう。
いいな。愛がいっぱいで。
私の口角が上がったのを、家族は見逃さなかった。母が両手で口元を覆う。その目には涙が滲んでいる。父も親指で涙を拭った。娘の生還を心から喜んでいるようだ。
泣き笑いした母が、テーブルの上にあったカップを手に取る。長兄が私の背に手を当て、上半身をゆっくりと起こしてくれた。
「エミリー、喉が渇いたでしょう。体に良いお茶だから飲んでちょうだい」
「ゆっくりね」と兄が、布団に両腕と頭を預けて言う。
こくん、と頷いて、適温に冷まされたお茶を一口飲んだ。苦い。けれど、それ以上に体が水分を求めていた。あっと言う間になくなったお茶に、家族が驚く。
「ああ、エミリー。少し前まで一口しか飲めなかったのに」
「本当。神に感謝しなくちゃ。神様、エミリーを生かしてくれてありがとうございます」
「神よ、感謝します。エミリーが生きていてくれれば、他は何もいりません」
両親が目を閉じて神に感謝を捧げた。赤くなるほど両指をクロスさせ、引き結んだ口元が震えている。
何ていい家族なんだろう。『生きていてくれればそれだけでいい』なんて、私も誰かに言われてみたいな。
「エミリー、お医者様の話では熱が引けば外に出てもいいらしいよ」
「病気でずっと部屋に籠っているのは辛かっただろう。ようやく夢が叶うね」
兄たちが私の左手を取って、ゆっくりと振った。早く行こうと誘っているようだ。
私は歩くことも走ることもできたけど、この子はそれもできなかったんだな。ずっとお部屋から窓の外を眺めていたのかな。
窓から見える緑の生け垣には、薄紅の小花が重なり合うように咲いている。この子の為に植えたものだろうと想像がついた。
数日間は熱に魘されたものの、嘘のように私は元気になっていった。
ベッドから自力で床に降り立つと、それだけで家族は皆、涙した。
「エミリー…」
母が両腕を広げて私を抱きしめる。
この子は歩くどころか立つことも、ままならなかったのだ。
以前の体とは違い、気怠さが絶えずあり、すぐにしんどくなる。足に力が入らないから、走るのは当分先になりそうだ。
体が違うだけでこんなに大変なんだな。知らなかった。
次の日、家族そろって外に出る日が来た。母手作りのサンドイッチが入ったバスケットと、ティーセットを兄たちが持つ。母と父が私の手を両側から握りしめた。四人で歩く廊下には家族の絵が飾られている。
「いいかい、エミリー。しんどくなったらすぐに言うんだよ」
「もう何度も聞いた。大丈夫!今、私とても元気だから」
会話ができるようになった私に、父が嬉しそうに目を細める。先を行く兄たちは一足先に外に出いてる。生き生きとした顔で振り返り、私を呼んだ。
「エミリー。とても天気がいいよ!最高のピクニック日和だ」
「お花の香りがするよ。エミリーも早くこっちにおいで」
「すぐに行くね!」
両親を連れ立って、慎重に進む。分厚い絨毯の感触が玄関で途絶えた。
扉の向こうには光が降り注いでいる。
エミリーは両側に開かれた扉の向こうに、一歩、足を踏み出した。
見上げた空は、今まで見た中で一番青かった。茶色い鳥が二羽、その中を悠々と羽ばたいている。
「エミリー…。やっと、あなたの夢が叶ったわね」
母が目頭を押さえ、父が静かに頷いた。兄二人も泣き出しそうな顔でこちらを見ている。
エミリーの夢は皆の夢でもあったのだ。
五人で円になって抱き合ったその瞬間、視界が真っ白に染まった。
何も見えない。
何の音も聞こえない。
気づくと足元には、川が流れていた。滑らかに足首を触っていく。
頭上には恐ろしい程の漆黒が広がっているのに、輝く星々が足元で私たちを照らしてくれるおかげで幻想的に感じる。
天の川の上に、私たちは立っていた。
「おはよう、愛美麗」
目の前の少女は、とびきりの笑顔で私の名を呼んだ。金髪で緑の瞳をしている。あの家族と同じだ。
「おはよう、エミリー。これで良かったんだよね?」
「そう!大正解!あなたのおかげ」
「でも、皆…あなたも…」
私は悲しくなって、足元の星に助けを求めて視線を彷徨わせた。
あの時、流れ星が落ちて、一瞬で全てが消えてしまった。
家族も、エミリーも――。
「大丈夫!私たちは次の世界に旅立つだけ。見て!私、こんなに動けるの!」
エミリーは軽やかに足先でタップしながら、一回転して見せた。ちゃっ、ちゃぷっと水が跳ねる。尚も両手を広げて、楽しそうに踊りながらエミリーが言う。
「今生の私は病気が運命づけられていた。寝ているのが精いっぱいの私のせいで、家族はいつも辛そうだった。あなたがいなければ、あの日私は死んでいたの。きっと家族は死ぬ直前まで悲しみで染まっていた。だから、あなたを呼んだの。違う世界のもう一人の私を――」
エミリーが動きを止めて、私の真正面に立った。両方の手でそれぞれ、私の両手を力強く握る。
「私ね、体を動かせない代わりに、ほんの少しだけ先を読む力があったの。私たちが入れ替われたのは、流れ星の落下のおかげ。流れ星のものすごいエネルギーがあったから、あなたを呼ぶことができた。皮肉だけどね」
「そうなんだ」
「ありがとう!元気に生きてくれて。家族を幸せにしてくれて、私すっごく嬉しかった」
「私は何も」
「ううん!私、皆の笑顔をここから見てたの。やっとあんな風に笑ってくれた。あなたのおかげで最後の最後に皆、本当に幸せになれたの!」
浮かない表情の私に、エミリーが微笑む。
「大丈夫!次の人生では、私は元気に生きられるから。これだけ踊れるのがその証拠。そして、その時は私が皆を幸せにする。関係性は変わるかもしれないけど、来世でもきっと彼らは私の大切な人として側にいるはずだから」
「…そっか。そうだね!」
「ふふ。やっと笑った。笑顔の方が似合っているよ!愛美麗」
「ありがとう」
「どういたしまして。ねえ、ところでエミリーって文字、そっちの世界では『愛』『美しい』『麗しい』って意味なんでしょう?とっても素敵ね!私、気に入っちゃった」
「素敵…」
この名前を見て素敵という感覚を持てるのは異世界の人ならではだろうな。せめて読み方がエミリならって何度思ったことか。
でもこの名前のおかげで彼女と繋がれたのかもしれない。
そう思うと、少し自分の名前を好きになれた。
「私もお礼を言わなくちゃ。エミリーたちのおかげで、とっても心が温かくなれた。ありがとう」
「どういたしまして。あ、そうだ。私ね、あなたの世界でもやっぱり倒れちゃって、もし迷惑かけてたらごめんね」
「そうなんだ。ううん、大丈夫。気にしないで」
エミリーが発光し始めて、私は眩しさに両目を細めた。どんどん光が膨らんでいく。
白く輝く球体から声が聞こえた。
「そろそろ行く時間みたい。じゃあね、元気でね。愛美麗」
「うん!エミリーもね!」
目を閉じる寸前、エミリーの向こうに四体の発光体が見えた気がした。
目を開くと、私は病院の簡素なベッドに寝ていた。ちょうど点滴を外そうとしていた看護士がすぐに医師を呼ぶ。検査では異常はないのに、四日間眠り続けていたらしい。
医師の説明が終わると、警官が二名入ってきた。
「柳 愛美麗さんですね。虐待報告を受けやってきました。少しお話できますか?」
「虐待?」
「はい。あなたのお母様ですが、薬物所持と虐待の容疑で今取り調べを受けています」
「え?」
確かに母はすぐに手が出るタイプだった。母につけられた痣が、私の腕や肩口にある。
それが虐待なんて、言われるまで自覚がなかった。
しかも薬物って…。
「腕や肩に痣があると報告を受けていますが」
警官の一人がメモとペンを持って、こちらを窺っている。
もしエミリーたち家族に会わなければ、きっと私は否定しただろう。
でも今は――。
「母に物を投げられた時の傷です」
私は長袖を捲って二の腕を見せた。眉を顰めた警官たちが顔を見合わせる。
その後、警官の質問に幾つか答え、私は施設に入ることになった。
高校から始めたファーストフード店でのアルバイトも、三年目ともなれば慣れたもの。自然な笑顔で注文を受け会計をする。
自分に接客業ができるなんて、エミリーに会うまで思いもしなかった。
『笑顔の方が似合っているよ!』
エミリーの言葉をお守りのように胸に留めている。
私服に着替え、通りに出た。左右に店舗が並んだ通りは、いつもながら人が多い。足早にすり抜けていく。
これから居酒屋のアルバイトだ。
メイン通りから横道に入ると、人波が急に減る。その代わりに車の往来が激しくなった。
歩道橋を上ろうと右足を宙に浮かせたその時、怒りを含んだ声が耳に飛び込んできた。
「愛美麗!」
背後からした金切り声に、体が震えて前のめりに倒れそうになる。咄嗟に手すりを掴んで、身を起こした。
心臓がバクバクと激しい。
「この恩知らずっ!お前のせいで私がどんな目にあったと思っているんだ!」
久々に目にした母は、白髪交じりの髪を振り乱し、怒り肩で乱暴に近づいてくる。私は逃げることもできず、強張る右手で手すりを握りしめた。
何事かと数人が振り返ったが、間近に迫った母は目もくれず怒鳴り散らした。
「よくも私を裏切ったな!何が虐待だ、ふざけんなっ!愚図なお前の躾をしてやったんだろうがっ、この疫病神!お前はどれだけ私を不幸にすれば気が済むんだ。お前さえいなければ私はこんな酷い目に合わずに済んだんだ。お前のせいで。全部お前のせいだろうがっ」
「いたっ」
母に毟るように髪を引っ張られ、顔を歪めた。痛みで涙が滲んでくる。
「痛い!やめて、お母さん」
「うるさいっ!お前なんか娘でも何でもない。お前なんか産まなきゃよかったんだ!お前さえ生まれてこなければ。お前のせいだ!」
「やめろ!」
駆け寄った男性が、母の背後からその手首を掴んで止めに入る。
咄嗟に髪を離され、よろめきながら私は髪を押さえた。逃げようと必死になっていたせいで呼吸が荒い。
「放せっ!邪魔するな」
羽交い絞めにされても、母は私への攻撃を止めない。激情に駆られた母の声に、条件反射で身が竦んだ。もう平気になったと思っていたのに、体中の血の気が引いていく。
「何もかもお前のせいだっ!」
その時、ざあっと疾風が吹いた。
街路樹の葉が揺れる音に混じって、エミリーの声が脳に響いた。
『ありがとう!家族を幸せにしてくれて』
温かい感情が胸に蘇ってくる。
そうだ、幸せになって欲しいって心から願えるのが家族だ。
この人は私の家族でも何でもない!突っぱねたっていいんだ!
私は右手を握りしめ、左の掌で目の横に溜まった涙をグイッと拭った。
「違うよ、お母さん」
強気になった私に、母は一瞬たじろぎを見せた。それでもすぐに鬼の形相に変わる。
「何が違うんだ!お前のせいだろうが!」
「違う。私のせいじゃない。私を産むって決めたのはお母さんだよ。子どもができて逃げるような男を選んだのもお母さん。全部あなたの責任だよ」
私が真っすぐ見据えると、母は目を見開いて息を呑んだ。
「……ふ、ふざけるなっ!そんなわけあるかっ!私がどれだけ苦労したと思っているんだ!お前のせいだ」
「私のせいじゃない」
きっぱりと首を振ると、飛び掛からんばかりだった母から徐々に力が抜けていった。目の焦点が上下左右に忙しなく動いていて、混乱が伝わってくる。それまで他責思考で許されてきた母に、初めて自責の概念が生まれたのかもしれない。
私は一歩近づいて、正面に母を捉えた。
「これまで育ててくれたことには感謝している。ありがとう。だけど今日で私たちの関係はお終い。私たちは親子だったけど、家族にはなれなかったね。二度とあなたをお母さんと呼んだりしない。これからはお互いに自分の人生を生きよう。愛のある家族を見つけようね」
「愛のある家族だぁ?」
フッと女の顔が歪になった。
「お前なんかが家族を語るなっ!家族の何が分かる。何が愛だ!お前が愛されるわけないだろう!」
私はそっと胸に手を当てた。
それが分かるの。たった七日間だったけど、私にも愛する家族がいたから。
駆けつけた警官が女を取り押さえた。
女は尚もぶつぶつと呟いている。
「私のせいじゃない。違う。私じゃない…私じゃ」
私は女を見下ろした。彼女と対面しても、もう心に波風が立つことはない。いつの間にか体の緊張も抜けていた。
パトカーに載せられる彼女に、心で別れを告げる。
さようなら。
もう会うことはないだろう。
「大丈夫?」
ハリのあるその声に、私はハッとなって振り向いた。真っ先に取り押さえてくれた男性は、よく見れば近くの工業高校の制服を着ている。
「あ、助けてくれて、ありがとう!」
「痛かったでしょ?髪、大丈夫?」
「うん。大丈夫」
髪の痛みなんてすっかり忘れていた。ぼさぼさの髪を、焦った手で撫でつける。
彼は「あげる」と個包装の小さなチョコを一つ、私にくれた。
「ありがとう」
「カッコ良かったよ、はっきり言い切ったの」
「え、そうかな」
「うん、すげぇカッコよかった」
二ッと笑った彼に、顔が赤くなる。誰かに褒められた経験が少ないから、どうしていいか分からない。
「俺、大和良介。近くの工業高校の三年」
「あ、私は柳…愛美麗」
名前を言う時はいつも声が小さくなる。俯いた私の頭上から、少し低い男の子の声がした。
「愛美麗?いい名前じゃん。愛美麗って呼んでいい?」
「え、うん、もちろん!」
「俺のことは良介で」
いい名前? 初めてだ、エミリー以外でそんなこと言ってくれた人。それに随分と人懐こい人だな。
ふと彼の鞄についたキーホルダーに気づく。とぼけた顔の猫のキャラクターは、私のアルバイト先の景品だ。
「あ、それ!」
「ああ、これね。可愛いでしょ?」
「それ、うちのバイト先のやつ」
「知ってる。実は俺、何度か愛美麗のこと見かけてるから」
「えっ、そうなの?」
「そう。だから咄嗟に体が動いてた。あ、いけね!」
良介が急に走り出した。歩道にかかるように倒れた自転車を、押しながら戻って来る。
そんなに慌てて助けに来てくれたんだ。
胸がじんわりする。エミリーの家族に感じたのと同じ気持ちだ。
頭一つ高い良介が身を屈めて目線を合わせてくれた。私は少しドキッとして目を逸らす。その拍子に黒い自転車の側面が凹んでいるのが、目に入った。
「ごめん!自転車傷ついちゃった」
「ああ、違う、違う。これは元々ついてたやつ」
本当だろうか。
落ち着いた彼の笑みからは何も読み取れない。
「あのさ、それで、その…いきなりなんだけど俺と友達にならない?」
「え?友達?」
「そう。友達…まだ、今は」
良介の耳が真っ赤になっているのを見て、私まで顔が熱くなった。両手で頬を隠す。
でも嫌ではなかった。今の私には一緒にいるべき人が分かる。エミリーたちが教えてくれたから。
「喜んで!」
私が笑うと、良介も嬉しそうに白い歯を見せた。
エミリー、私も幸せにしたいって思える人を見つけられそうだよ!
いつの間にかオレンジの夕焼けが遠くに追いやられ、夜になりつつあった。
「あっ!バイトだ!忘れてた」
「おう!頑張れよ。またな、愛美麗」
「うん、ありがとう!またね、良介!」
手を振りながら駆け出した愛美麗の真上で、星が一つ瞬いた。
ご覧いただき、ありがとうございました。
カクヨムでも掲載しています。




