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弟の女装で起こったラブコメの経緯を知る。

昔から”女の子”に憧れてた。

かわいい洋服もアクセサリーも髪型も化粧品も

全部、羨ましかった。


実家を出ていった姉の部屋で

偶然見つけた一冊の漫画。

男が女装をして日常を楽しむ漫画。

その漫画の世界は女装をしても周りに受け入れられて楽しそうだった。


気まぐれで今までやったことなかったインズタを入れてみた。

もちろんフォロワーもフォローも0人。

さっそく眺めてみると自分が憧れていた”かわいい”がたくさん溢れていた。


やってみたい。 そう思ったらすでに行動に移していた。


一人で初めて洋服屋に入った。

少し恥ずかしかったけどかわいい服を買った。

化粧品もその場の勢いで買ってやった。


戦利品を手に入れほくほくした気持ちのまま帰路に着き、早速試してみた。


―――たのしい


慣れないながらも動画を参考にしながら練習していく。

繰り返していくうちに、自分のなりたい顔がつくれるようになってきた。


可愛い服も着て自分の部屋の姿見でいろいろポーズを取ってみる。


悪くない。むしろすっごく良い。

鏡に映る自分はあの時夢見ていた姿にそっくりだった。


その時は調子に乗ってたんだと思う。

この格好のまま「外に出たらどうなるんだろう」なんて

ないない。外なんか出るわけない。バレたら恥ずかしすぎて恥ずか死する


‥‥‥‥案外バレないな。

自分のよく行くカフェでコーヒーをすすりながら思う。

友達にもバレないのかな。 それとも受け入れてくれるだろうか。


そんな事を考えながら窓へと目線を移す。

いた。え?なんで?なんでここに春馬がいるの?

てかこっちめちゃくちゃ見てくる。


ひぇ、こっちみんなよ‥

ん?こっちに向かってきてる?

うそぉ、店に入ってきたんだけど

まっすぐ俺の席に来るんだけど。


「あの!お姉さんいきなりすみません

気持ち悪がられることも非常識なのも承知です

その‥‥‥一目惚れしちゃいました」


‥‥‥‥は?今なんて?




「で、それで自分が男だってことも言えずにその春馬くん?の一目惚れ宣言からの告白を黙って聞いた挙げ句、返事を保留にしちゃったんだ。

しかもインズタ交換したと。


どんな漫画?そしてお前勝手に私の部屋漁るんじゃねぇ。

お前じゃまだ見れない漫画がたくさんあるんだぞ。」


「うるさいな

そこでじゃーん!俺男でしたなんならお前の小学校からの友だちの真白でーす!って言えたらこうなってないんだよ



あと弟の俺に見せれない漫画を実家においてくな」



風呂から上がった真白は私のベットの上で淡々とした表情で語りだしたかと思ったら急に騒ぎ始めた。何?まだ情緒不安定なの?


うるさいな、持って帰るってなったらトランク2つぐらい買わないといけないんだよ。お姉ちゃん金欠だからトランク2つも買えないんだ。



「で、どうすんの?」


「え?どうするのって?」


「告白についてだよ。返事したげないの?」



真白の顔がどんどん赤くなってくのがわかる。

ピュアだなぁ。恋愛初心者か?



「春馬くんってあれでしょ確か小学生の時に引っ越してきた子で

そこからずっと一緒の子。

素直で、まっすぐでいい意味で”馬鹿”って感じのいい子じゃーん。

しちゃいなよ」


「他人事だからってそんな簡単に言う?

俺の人生初の恋人が男になるんだぞ

いいの?」


「お姉ちゃんはねそういう設定だぁいすき」



なんだその目は。人には好きなシチュっていうものがあるじゃん。

真白だってベットの下にいろいろな本隠し持ってるし。

何だっけ?真夏のおっp‥‥ごめん、もう黙るから。

ほんとに。

暴力反対。



「じゃあ何?春馬くんのこと嫌いなの?」


「‥‥‥‥嫌いじゃないけどさ

ほらだって、姉ちゃんだって自分の趣味だからそんなに

告白の返事をすることを催促してるんだろ?」


「そうだけどさ。好きなら好きって言っちまえよ。

まぁ姉ちゃんはたとえじゃなくてだとしても

頭の中で補完できるけど」


「腐女子すげぇな」



ココアをすすりながら弟に向かってドヤる。

へへそうじゃろそうじゃろ。



「で、どうなの?」


「まだ聞くの‥?」


「腐女子的に気になるってのもあるけど

人に好意を寄せられたんだ。それ相応の対応はしなきゃ

好きなら好き、嫌いなら嫌いちゃんと伝えないと」


「うっ、こういうところだけまともな倫理観持ちやがって

確かにアイツのことは好きだけどさぁ

俺、女子とすら付き合ったことないもん。

好きってのがよくわからない」



へーそんな顔してなにがわからないって?

お姉ちゃん的には少なくとも未満以上の感情があるように見えるけど。

それとも自分の気持を無意識に抑え込んでんのか?

まじでラブコメのヒロインみたいだな



「じゃあさ、何回かデートしてみたら?

デートしていってみたら自分じゃ気づけないものに気づけるかもよ

もちろん女の子として」


「それって騙してるのと変わらないんじゃない?

罪悪感がすごいんだけど」


「最初のデートのときにいきなりカミングアウトするのは?

じゃあまだ真白だってことは伝えずに男ってのは伝えてみたら?

その反応で相手がどう動くか見たほうがいいんじゃない?

男だって伝えてもまともに付き合ってくれるなら

まだ言えないことはあるけど、それでもいいならって」


「それならまぁ‥‥悪くないかも」



何だその声。メス?メスなのか?

こんなんなら早く段階ふっ飛ばして付き合ってもらいたい。


目を逸らしながらココアをちまちまのむ真白をみているとそんな邪な気持ちが込み上げてくる。



「呼び出し方も、大事な話があるから少し話がしたいですって

これで嘘ついたことにはならないっしょ」


「うん‥確かに。

でもせっかく行くなら可愛い格好したい。

告白されたときは俺なりに頑張ったけど、風呂入ってるとき鏡みたら

かなり酷かった。たぶん。

だからさ、姉ちゃん。そのね」


「わかってるよ。手伝うさ。

冬期休みで彼氏のいない私は暇だしね。

今年はイベントも行かないし

でも、教えるって形で。私が大学の寮に戻ったとしてもメイクできるように‥‥‥」


ふと、真白の顔を見てみると

めちゃくちゃ顔が緩んでる。


久しぶりに真白のこんな緩んだ顔を見た。

あいつが中学上がってからずっと暗くてカビが生えているような

顔しか見たことなかったから。

そんな表情を無意識に引き出させちゃう相手だったら

‥‥‥‥‥正直、めちゃくちゃ推せる。



――真白の心の何処かに芽生えているであろう気持ち。

それはたぶん、誰かに否定されることを恐れて

自分でも抑え込んでいただけなんだと思う。


好きになることには理由はいらない。

だって好きなんだもん。しょうがなくない?


せめてこの家の中では

自分の気持ちに素直に、そしてそれを安心して相談できる。

それで、真白が自分の気持ちを抑え込む必要がない場所になってほしい。


その先にどんな修羅場があろうとも

姉ちゃんは全力で応援して、全力で慰めて、全力で煽るけど。


手を伸ばし真白の頭を撫でる。

怪訝そうな顔をされるけど、少しの間ぐらいは許してね。 


「姉ちゃん、急に黙ってどうしたの?

腐女子の妄想が限界を超えたの?」


「うん。

よっしゃ!スタイリスト専門生を舐めるなよ

真白のこと、誰もが振り向いて

春馬くんを絶対落とせるような美人にしてあげる」


「いやまだ一撃必殺狙ってないのよ

てか妄想が限界を超えちゃったんだ‥‥」


「‥‥気持ちって大事じゃん。

あと変な勘違いやめてね」

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