表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

弟の女装で起こったラブコメを帰省してすぐ知る。



「姉ちゃん助けて」


実家の玄関の扉を開けて5分。

靴すら脱いでいない私に弟は叫んできた。



「俺‥‥‥多分友達に惚れられちゃった」



――意味がわからない。

というかまずは落ち着け。



「真白、一旦落ち着きなよ」


「落ち着いてられない状況なんだって」



目の前の弟‥‥‥いや、真白はきれいな顔を歪ませながら、べそを掻いて喚いてる。

てか惚れられたって何?


友達って女友達ならいいじゃん。

いいねぇモテ男の悩みって。羨ましいぜ。



「俺だって告白されるなら可愛い女の子のがいいよ

それよりもやばいんだって」


「モテ自慢?もーやめてよ。姉ちゃん靴すら脱いでないんだぜ?

非モテにはいきなり惚気話とかきついんだけど」


真白を適当にあしらいながら靴を脱ぎ、リビングへ向かう。

ん?いま女の子がいいよって言った?



「てかさ、その話の切り出し方だとまるで告白してきたのが女の子じゃないみたいじゃん。なんの冗談?」


「そうなんだよ俺、男に告白されちゃったんだよ」



何その腐女子の私大歓喜イベントは?

そんな、男に惚れられるなんてどういう展開なんだよ。



「いや惚れられたのは俺じゃなくて、いやでも俺には違いなんだけど‥」


「なに煮え切らないこと言ってんの。意味わかんないんだけど‥うわっ!」



ガチャリと

リビングの扉を開けるとあらびっくり。

ソファには見間違いじゃなければフリッフリのロリータ服がおいてある。


なんで?誰の?と思い持ち上げてみた。

あれ?これってよく見ると真白サイズなのでは?



「姉ちゃん、もしかして見ちゃった?」



後ろを振り返ると弟が青い顔して嘆いた。

え?なんかそんな青い顔するほどやばいものだったの?


たしかに家に見覚えのない、妹がいるわけでもない家庭のソファに

誰のかがわからないロリータ服がおいてあるのは相当な恐怖なのだが。


しかもサイズは真白にピッタリ。

あれ?これってもしかしてだけど



「なぁ、お前もしかして」


「うるさい」


「よく見たらカラコンしてる?化粧もしてるよね」


「なんでわかるの。キモい」


「一応こういうのの専門の大学通ってるし、そこはね」



改めて真白の顔を見てみると

メンズメイクとして男性が選ぶにしては

色味が鮮やかで主張の強い大きめのカラコン。

目元に惹かれた丁寧なアイラインに、ふんわりとのったアイシャドウ

地肌にしてはきれいすぎる肌。リキッドファンデ使ってるのかな?


ロリータ服も見てみるとデザインは可愛いことに間違いはないのだが、

真白の顔面や体型だと似合わないというか服に着られる事になりそう。



「こっちみんな」


「見てるだけじゃん。何もしないよ」



これはそのままオブラートに包まずに”女装している?”

なんて聞けばあまりにも可哀想。今も若干涙目だし。


そのまま流し目でソファの上に置かれているロリータ服を見る。

これ、私が弟にしたときに連絡してすぐ脱ぎ捨てたんだろうな‥‥‥



「なぁ、真白」


「なに」


「一つ言ってもいい?」


「やだ」


「関係ない。言う」



じゃあなんで聞いたのとでも言いたそうな目を向けてくる。

流れって大切じゃん。しゃーなし。


手を使ってソファへ手招き一緒に座る。



「そのメイク、まっじで似合ってない」


「は?」


「人にはね似合う、似合わない化粧品ってのがあるの。

あんたまじで似合ってない」


「そこ今から姉ちゃんの頭の中で構築された俺の女装エピソードとともに

俺が女装するまでの経緯を説明する流れじゃないの

もっと気になる所あるじゃん!

このロリータ服とか!俺の化粧とか」


「うんうん、気になるけど後で。

今はスタイリスト専門生の血が許せないものでいっぱいあるんだ。まずね」



隣りに座っている真白の顔の目の前に指を差し出し、丁寧に引かれたアイラインをなぞるふりをしながら続ける。



「まず目、あんたもともと美形で目もでかいんだからそんなに主張の強いカラコンはいらない。」


「‥‥なんかここまで来たらもういいや。で?」



情緒が富士急ハ◯ランドのジェットコースターにも負けない勢いだな。

諦めたような表情を向ける真白に、喋り続ける。



「アイシャドウもこれ適当に選んだでしょ。

変な色選びすぎ。オレンジ系とか何考えて買ったの?」


「いや、まぁそれは‥‥‥」


「お前の肌にオレンジは顔の印象が悪くなるだけ。

完全失敗カラーだよ。せっかくきれいな目が濁ったように見えるよ。」


「なんも言えねぇ」


「服も‥‥‥」


「もうやめて俺のライフはもう0だから」



真白が顔の前に腕で大きなバッテンをつくる。

これがうちの姉弟のギブアップの示し方。流石に集中攻撃しすぎちゃったかな。

少しだけ真白が可哀想に思えて、でも意地悪な笑みを浮かべて続ける。



「でもまぁ、塗り方とか悪くないよ。」


「ホントに」


「おう、いや真面目に。ちゃんと自分の顔に合わせて

リップのぼかし方が綺麗で上手よ」


「まじでか」



真白の顔がだんだん明るくなる。でもその輝きは一瞬で消えた。



「でもなぁ‥‥」


「まだなんかあるの?」



真白は正直顔はとてもいい。世の中でイケメンと言われるような部類に入るような顔をしている。(腐女子目線)


顔立ちもどちらかというと女顔に近い顔をしているので女装が似合わないわけがないのだが、服が顔に負けてるような気がする。お姉ちゃん的には似合わない女装を人知れずに楽しんでるいる男の子ってのはだいぶ癖に刺さるのだが。



「服がちょいと浮いてるんだよね。特にそのフリフリ。

真白って華奢な体格してるけど完全に服に切られている感じがすごいよ。」


「着たい服着るだけじゃだめなんだな。」



‥‥‥‥いつも現地とか通販で買う女装物の同人誌で何万回も聞いたセリフだ。

なんかこう、頬を染めながらも楽しそうに返事をする真白を見るとくるものがあるな。ぐ腐腐



「でも改めてだけど結構似合ってるし、化粧も練習したんでしょ?

頑張ったのが垣間見えるし、始まった動機は兎も角自分の新しい趣味見つけて楽しんでるのがわかるからお姉ちゃん嬉しいよ。」


「‥‥‥おう」



照れくさそうに舌を向く弟。

なんだこのツンデレ高校生は?腐女子的に薄い本にしたいんですけど



「―――ねぇ、」


「まだなんかあるの?姉ちゃん」


「うん。私さ今話しに終りが見えなそうだったから綺麗にまとめただけでさ普通に女装するまでに至った経緯とか、帰ってきたときに聞いた”惚れられた”ってのがマジで気になるから教えて」



うわ、まじかよコイツみたいな目で見てくる真白。そうだよ、私が今まで綺麗に話をまとめたことあるか?


真白から事の詳細を聞き出そうとしたとき



―――ピンポーン。

玄関のチャイムが鳴るのと同時にドアが開く音がした。これはまさか


ただいまー!

只今の声が二重になって聞こえる。中年の男女の声だ。

まずい!母さん達が帰ってきた



「母さん達帰ってきた」


「まって真白!今すぐ洗面台の下にある赤い洗顔フォームもって風呂入れ服はなんとか私が隠す後で私の部屋で話そう」


「わかった」



【母さん達が部屋に入ってくるまで残り5分】


*MISSION 手元のロリータ服をうまいこと隠せ

*重要度:弟との信頼関係に大変関与するため最優先

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ