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弟の女装で起こったラブコメを自覚する。



「それでね、そのあと水族館のチケットを取ってくれたらしくてね。

それでね!もーそれがかっこよくてさぁ


姉ちゃん聞いてる?」


「うん、聞いてる。

めちゃくちゃ聞いてる。

リア充の惚気話、非リアにはきついわぁ」



「惚気話って恥ずかしいよ

でも.....悪くないかも」



くっそ。今すぐこいつ殴りたい

なんだよそんなに好きなら早くくっつけよ

惚気話聞かされるこっちの身にもなれよ。

公式からの供給が多すぎて私の心臓がもたない。



目の前にいる真白は、 私の部屋に置いてあるクッションに抱きついたまま、ニヤついてる。


んー。自覚させるためにも少しだけ、踏み込んでみようかな。



「え?じゃあなに?春馬くんのこと好きじゃないの?

へー、春馬くんが別の女の子とデートしててもいいんだ。」



「それは嫌だ」



ノータイムで返事が返ってくる。

なんだ、もう答え出てんじゃん。


さっきまで幸せそうに惚気てた顔と打って変わって一瞬で曇る。



「はい確定。

あのねぇ、自分に嘘はつかないほうがいいよ。

せっかく芽生えた気持ちを抑え込むのはあんまり看過できないな。」


真白の肩が若干震えてるように見える。



「でも、その気持ちに素直になるのが怖い。

春馬はあーいってくれたけど

春馬の"普通"を俺が壊しちゃうかもしれない。

気持ちを伝えて友達じゃなくなっちゃうのが怖い。」


涙声で精一杯なのが言葉の節々から伝わる。


私は椅子から思いっきり立って俯いてしまった弟の前に立ち頬を思いっきり上に上げる。 



「やる前に後悔するんだったらやって後悔しようよ。

確かに、私は外から見てる部外者で、あんたの葛藤なんか知らない。知りようがない。

けど、あんたが頑張ってるのはここ週間近くは見てた。春馬くんはあんたに真摯に向き合ってくれてる。じゃあその"恐怖"を乗り越えて、誠意を見せるべき。」



なんかこっちまで恥ずかしくなってきちゃった。



「推しが本気で向き合ってくれてるのに投げちゃだめ。それ、一番ダサい。


春馬くんはあんたに本気なんでしょ?

だったらあんたも本気で返せ。」



私は人のことをちゃんと好きになったことはない。何が正解の幸せかもわからない。

けれども真白には幸せになって欲しい。


それだけがお姉ちゃんの願いなんだ。



「......それって、姉ちゃんの推しのセリフだよね?いつもより説教がちゃんとしてる。」


うっ、バレてる。


目の前の真白は少し笑っている。

うん、やっぱり笑顔のが似合うよ。

馬鹿なんだから変なこと考えんな。



「確かに俺、逃げてた。

でももう、逃げたくない。」



真白は懐から春馬とのプリクラが貼られたスマホを取り出す。


そしてインズダを開き、春馬とのチャット欄を開いて


早く、でも正確に

『明日、会える?』

とメッセージを送信した。


今度こそ、逃げない。


スマホの画面を見つめる目が逸れない。

送信ボタンを押す指が震えてない。


行け、当たって砕けろ。

お姉ちゃんは応援したげる。

もし砕けたら、いくらでもクッション貸してやるよ。

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