我縁学園
この世界には魔法というものが存在する。そしてこの世界は魔法中心に回っている。もちろん剣や槍、弓などは存在するがそれを凌駕するほどの威力を魔法は有していた。そんな世界で俺は…
・・・・・・
俺は柳雪、我縁学園に通う至って一年生、平凡な学生である。我縁学園は魔法を主に教わる学園である。魔法を主に扱っている学園は数多く存在するが我縁学園はその中でもトップ5には入るほど強い魔法使いを輩出している。
「よお、雪!」
「ん、裕太か。」
俺に声をかけてきたのは山田裕太。俺と同じく平凡な学生である。
「そういえば今日魔法威力テストだろ?自信あるか?」
「ないね。」
「そうだよなぁ。どうせ上位は変われねぇだろうし」
魔法使いには主に四つのことが重要視されている。
1つ目は威力、使う場面にもよるが高ければ高いほど卒業後にいろんな職業に就くことができる。
2つ目は魔力量、魔力量が多いということは必然的に少ない奴より高威力で高位の魔法も使えるということになる。
3つ目は魔力効率、魔法に使う魔力をどれだけ抑えられるか。魔力効率が良ければたくさん魔法を打てることにもなる。
4つ目は所有属性、所有属性はその人が使える属性のことである。所有属性以外の属性の魔法は使えない。そのため所有属性が多いといろんな人に求められるのだ。
「まあ適当に頑張ろうよ。」
「そうだな。」
そう言って僕たちは教室に入っていく。
・・・
「今日は魔法威力テストだ。前回の記録を超えられるように頑張るように。」
そういって担任は教室を出ていく。
「よし、着替えるか。」
「そうだな。」
我縁学園では座学以外では制服は使わない。魔法を使うとき専用の服があるためそっちを着ることになる。
「よーし、移動するか。」
「わかった。」
そして俺たちは体育館に向かう。我縁学園はかなり広く体育館に行くのですらかなりの時間がかかる。体育館に着くとほとんど全員がそろっていた。
「よし、これで全員だな。それじゃあ一人1回ずつ目の前の魔法人形に魔法を放つように。」
教師がそう言うと前から順番に名前が呼ばれていく。
「次、春野小丸。」
「はい!」
春野小丸。一年生でありながら先輩顔負けの威力の魔法を放つことで有名だ。
小丸が中に入り魔法を撃ったと同時に爆音が鳴り響く。煙が立ち昇り、晴れると魔法人形は木っ端みじんになっていた。
「やったー!」
周りがその光景に絶句していることに気づいていないのか無邪気に喜んでいる。喜んでいる理由はわかっている。魔法人形は通常の魔法では破壊が出来ないようにできている。そのためそこら辺の魔法使いでは傷をつけることすらできないのだ。小丸は前回の魔法威力テストで魔法人形を破壊できなかったのだ。それでも他の生徒と比べると圧倒的ではあったが…
「春野、早く教室に戻れ。」
「うっ…わかりました。」
「じゃあ次…」
続々と名前が呼ばれていく。そして
「次、柳雪。」
「はい。」
俺は魔法人形の前に立つ。そして右手を前に出し氷の塊を出して放つ。そして魔法人形に当たる。しかし方人形には傷1つついていない。これが普通なのだ。
「よし、次、山田裕太。」
俺は裕太の結果を見ずにまっすぐ教室に帰る。
・・・
それからテストも終わり通常の授業も終わり帰宅する。通常生徒は寮に泊まるが俺は家を持っておりそこで暮らしている。この家は実家で両親が死んで現在一人で暮らしている。俺が制服から着替えてベットで横になっていると窓から誰かが静かに入ってくる。俺はその者の姿を見ずに
「黒虎か。」
「はい。主様。」
俺には裏の顔が存在している。それは煙という組織のボスであることだ。