18時過ぎの雉 【WEB】
18時過ぎの雉
あえて、奴と呼ぼう!
民家が密集する町中だ!
18時過ぎ行き交う車のヘッドライトが照らし出す道。
日は既に落ちている。
商店等も軒を連ねている
片側に縁石で区切られた、歩道のあるタイプの道路。
縁石の上に黒い物体を認識していた……奴だ!
40キロ規制の道……ゆっくりと車間距離を多めにとって、疎らではあるが途切れる事の無く車両は走行している。
鳥……? 雄っぽいな?
奴は明らかに、こちらを凝視している。
成る程、わたしの後側は今車両3,4台位は空いている……ほう……結構慣れているんだなと考えていると……。
突然奴は前を向き縁石を蹴りやがった……それも思いっきりだ!
目視でフロントノーズから、僅かに見える距離たぞ!
「嘘だろ?」と、自然に口について吐き捨てられる言葉。
走り抜けてくれと、祈りながらも……急ブレーキを踏む!
奴は……敢えて言おう! 奴は有ろう事かその場に立ち止まり、大きく嘴を開いて此方を凝視している?
照らし出される緑のお腹、長い尻尾、赤い顔。
雉の雄かよ?
何で町中にいんだよ……?
嘘だろ! と、聞こえて来そうだ!
奴のその表情が語っているぞ!
何も気付いて居なかったとでも言うのかよ!
何見てたんだよずっとさ?
間に合わない……縁石側へとハンドルを切る、奴は固まっていやがる……マジかよ?
奴の横をギリ避けた時、奴は振り返ることなく首を前後に激しくふりふりしながら、壱目散に反対側へと駆け抜けて行った。
わたしは縁石ギリギリで止まる事なくハンドルを切り直して、無事復帰させアクセルを踏み込んだ。
ドキドキが止まらないよ……まったくさ。
まっ、何事も無くて良かった。
気になるのは後ろの車両がずっと、やけに車間距離を……ずっと取っている事だが……気にしても仕方が無いのかな……。




