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18時過ぎの雉 【WEB】

作者: 雨澤 穀稼
掲載日:2023/03/03


   18時過ぎの(きじ)


 あえて、奴と呼ぼう!


 民家が密集する町中だ!


 18時過ぎ行き交う車のヘッドライトが照らし出す道。

 日は既に落ちている。


 商店等も軒を連ねている


 片側に縁石で区切られた、歩道のあるタイプの道路。


 縁石の上に黒い物体を認識していた……奴だ!


 40キロ規制の道……ゆっくりと車間距離を多めにとって、疎らではあるが途切れる事の無く車両は走行している。


 鳥……? 雄っぽいな?


 奴は明らかに、こちらを凝視している。


 成る程、わたしの後側は今車両3,4台位は空いている……ほう……結構慣れているんだなと考えていると……。


 突然奴は前を向き縁石を蹴りやがった……それも思いっきりだ!


 目視でフロントノーズから、僅かに見える距離たぞ!


「嘘だろ?」と、自然に口について吐き捨てられる言葉。


 走り抜けてくれと、祈りながらも……急ブレーキを踏む!


 奴は……敢えて言おう! 奴は有ろう事かその場に立ち止まり、大きく嘴を開いて此方を凝視している?


 照らし出される緑のお腹、長い尻尾、赤い顔。


 (きじ)(おんた)かよ?


 何で町中にいんだよ……?


 嘘だろ! と、聞こえて来そうだ!


 奴のその表情が語っているぞ!


 何も気付いて居なかったとでも言うのかよ!


 何見てたんだよずっとさ? 


 間に合わない……縁石側へとハンドルを切る、奴は固まっていやがる……マジかよ?


 奴の横をギリ避けた時、奴は振り返ることなく首を前後に激しくふりふりしながら、壱目散(いちもくさん)に反対側へと駆け抜けて行った。


 わたしは縁石ギリギリで止まる事なくハンドルを切り直して、無事復帰させアクセルを踏み込んだ。


 ドキドキが止まらないよ……まったくさ。


 まっ、何事も無くて良かった。


 気になるのは後ろの車両がずっと、やけに車間距離を……ずっと取っている事だが……気にしても仕方が無いのかな……。

挿絵(By みてみん)

デザインワークス:アホリアSS様

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