雪国に住む私が、ホワイトアウトについて書いてみた
みなさまごきげんよう。もしくは初めまして。くろつです。
私は北海道在住で、しかも日本海側に住んでおります。
これって要するに、雪がとっても多い地域なんですね。
そんな私が今回は雪についてちょっと話してみようと思ってます。
日本は縦に長いしね、雪なんてあまり目にすることのない地方のかたにとっては珍しい話もあるかなぁ……なーんてね。うふふ。
このエッセイを書こうと思ったのは、こういう理由です。
先日ね、関西在住の知人に聞かれたんですよ。どうもニュースになってたみたいで。
「北海道、ホワイトアウトなんだって? 大丈夫?」
わたくしこう答えました。
「隣の家が見えるからまだホワイトアウトじゃない、大丈夫」
答えてから思いました。この返し方自体が尋常じゃないってことに。
確かに毎年のことではありますが。
本州に台風の来ない年が存在しないのと同じように、ホワイトアウトのない北海道の冬など存在しませんし。
……でもね、ふと思ったんです。私が台風を経験したことがないのと同じように、ホワイトアウトについてご存じない方もいるのでは? って。
そこでちょっとこれまで見聞きした「ホワイトアウトネタ+α」について語ってみようかと思います。
今回、全ネタ実話でいきますので、何卒よろしくお願いいたします。
ホワイトアウトあるある。その一。
【ちょっと先の信号が雪で見えない】
信号機が見える距離でブレーキを踏んでも間に合わないため、「あの辺に信号あったよな~」と思いながら減速し、止まる。
なお、信号機が見える距離まで近づいたとしても、横殴りの雪が信号機の表面をきれいに覆っていて、今青なの? 赤なの? どっち? ってなる時もあるため、注意。
ホワイトアウトあるある。その二。
【勇気が鍛えられる】
なんそれ? って思ったかもしれませんが、多分雪国在住の人間って多かれ少なかれ皆こうです。
だって、出勤しないといけないんだもん。
今日も明日も明後日も。
避けられないこととはいえ、やっぱり出勤時の混み合う時間帯にホワイトアウトになると慣れていても嫌なものです。
本心を言えば、正直、出勤、したくない。
そんな時会社は休みにならないのかって? 残念ながらなりませぬ。
なんででしょうね? みんな慣れてるからですかね?
かつての職場で女子の皆様(辺鄙な場所にあったため通勤手段は車のみ。ゆえに全員が車通勤)にこの件についてヒアリングしてみたところ、
「頑張って行く」
「勇気を持つ」
「なんとかして行く」
とフルに男らしいお返事。
雪国の女は強いって一部で言われてるけど、そりゃ強くもなるわけよね……ってちょっと涙が出そうになりました。
そうだよね、自分で自分を励まさないと、誰も励ましてくれないもんね……。
ホワイトアウトあるある。その三。
【割とガチで命が危ない時がある】
「そういえば昨日さあ、帰ってる途中で視界ゼロになってさあ」
ある朝、職場の同僚女子がなんでもないことのように話し始めました。
もちろん冬のことです。昨日の帰り道がえげつない吹雪だったことは今日出勤している全員が知っています。
「止まってても、後ろからくる車に追突されると思って頑張って走ってたんだけど、走ってるうちに急に視界がクリアになってね。やった! ってほっとしたんだけど、あたり見たらなんか変なの。自分が思ってたより先に進んでるのよ。でもね、そこまでの間にね、信号三つは途中にあったはずなんだよね……」
きゃーーー!!!
って全員叫びましたね。
それガチで危ないやつやん! 無事だったのは運が良かっただけなやつじゃん!
よかったね、今日無事に会えてよかったね。昨日は頑張ったね。
ってみんなで慰めたものです。
あとは、ホワイトアウトではないですけど、雪ネタをいくつか投下して終わりにしようと思います。
・厳寒期、道路はセンターラインも一時停止線も見えない。雪だから。
・たまに正面から、明らかにセンターライン超えて走ってくる車がいるため、注意。
・朝の職場で「今日バス刺さってたね」という話題が出る。
ホワイトアウトだと自分がまっすぐ走っているかわからないため、雪の壁に車やバスが突っ込んでいることがあるのです。その様子はまさに「刺さる」。
・雪で車が埋まる。わりと頭まで埋まることもある。
かつての職場でのことです。
昼から大雪の予報だった日、予報通りの大雪となり、夕方仕事が終わってみんなで駐車場に出てみたら、積もった雪で車が屋根まで埋まっており、「一面の白い海」状態だったことがあります。
一部、車高の高いRV車の頭だけが見えてました。
あとは全部、雪の中。
もちろん上司は「早く帰りなさい! 帰れるうちに!」と言っていましたが、当時クソ忙しい年末時期(しかも締日間際)だったため、女子一同誰もいうことを聞かなかったのです。
嗚呼、雪国女子……。
その駐車場の惨状はというと、当然自力で出られる状態ではなく、JAFを呼んでもそもそも現在地までの除雪作業が終わっていなかったため、いつ到着するかもわからない状態でした。
その日は会社所有の大型除雪機を使い、マンパワーも総動員で、副会長から部長まで、その日職場にいた全男性社員がスノーダンプをフル稼働させ、どうにか雪の海から救出してくれたものです。
「早く帰りなさーい! 出られる子からひとりでも先に出なさーい! そこっ譲り合ってないで! 明日も気をつけてくるんだよ!」
目だし帽ルックで両手ぶんまわして叫んでいた部長の姿を今も思い出します(ありがとうございます部長)。
いかがだったでしょうか、全編実話のホワイトアウト&雪ネタ。
雪国在住の方は他にもおられると思うので、「そんなんまだぬるい、おれっちはこんな目に遭いましたぜ」などなど、雪国あるあるの情報をわたくしくろつ、楽しみにお待ちしております。
そしてこの冬もなんとか無事に! なにとぞ安全に! できれば健康に! お過ごし召されませいっ!
そしてこれ書いている現在も、当地方では大雪注意報発令中。さあてこの雪は何日続くかな……。