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Athletics

作者: 川里隼生

 陸上競技は不毛だと思う。


 いきなり何を言っているんだ、と思うだろうが、まあ聞いてほしい。


 例えば男子100メートル走。1999年にモーリス・グリーンが記録した9.79秒を目標に、世界中の人間が走った。更新されたのは2005年。アサファ・パウエルによるものだった。それで何が変わったか。目標がパウエルの9.77秒になっただけだ。東京オリンピック目前の2021年現在は、2009年にウサイン・ボルトが記録した9.58秒が目標となっている。


 Mr.Childrenの『GIFT』という曲がある。2008年に開催された北京オリンピックでは、NHKのテーマソングとして起用された。2番の歌詞が、陸上競技を象徴しているように思う。


 過去の記録を更新したとしても、そこには新たな記録という壁が出来上がるだけだ。だから、私は陸上競技は不毛だと思った。では、なぜ陸上競技は廃れないのだろうか。きっと、『もっと先を見てみたい、この先にはまだ何かがあるはずだ』と願う人がいるからだと思う。


 それは私たちが日々生きることと同じだと思う。今日が終わっても、明日が来るだけ。学校や仕事で何か大きな区切りがついても、またすぐに次が始まる。目標の達成というのは、常に新たな目標へのスタートと同時だ。そういうことを考えながら、私は今日のスタートを切る。


 そろそろ布団から出るとしよう。

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