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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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62.やっぱシェフがいるんだ(泣)

 しばらく仕事しているとお腹が空いてきたので時計を見たらお昼を過ぎていた。

 ご飯を忘れてしまうくらい熱中したりして。

 いつの間にか僕もブラック企業に毒されていたみたい(泣)。

 碧さんに言って信楽さんに繋いで貰う。

 ディスプレイの一部にウィンドウが開いて信楽さんが映った。

 当たり前にテレビ電話なんだよね。

『はいですぅ』

「僕だけど。

 お昼はもう食べた?」

『まだですぅ。

 一緒に食べたいですぅ』

 信楽さんも仕事に集中していたみたい。

「なら一緒に食べよう。

 仕事は抜けられる?」

『大丈夫ですぅ。

 ではぁ食堂でぇ』

「了解」

 僕はPCの電源を落として立ち上がった。

 格好はこのままでもいいか。

 ラフだけど矢代邸(ここ)は僕の家みたいだし。

 スマホをポケットに入れて部屋を出る。

 それにしても居間(リビング)が広い。

 前に住んでいた矢代家の共有リビングダイニングの倍近くあるのでは。

 日本人の庶民にはきつい環境だなあ。

(だったら部屋を換えて貰うか?)

 いんにゃ。

 これはこれで何か楽しそうだし今更引っ越すのも面倒だ。

 廊下に出てドアに向かって「電灯消して」と言ったら灯りが消えた。

 スマートホームでいいんだよね?

 背後でドアの鍵が自動的にかかるのを聞きながら廊下を歩く。

 スマホを取りだすと碧さんじゃなくて見取り図が表示されていた。

 矢印が点滅している。

 便利と言えば便利だなあ。

 話しかけてみた。

「みんなはどうしてるか判る?」

 信楽さんが矢代邸(ここ)にいることは知っているけど、その他のみんなは外出? したはずだ。

『矢代邸にいるのは大地さんと信楽様だけです。

 もちろん護衛やメイドを除いて』

 碧さんが姿を見せずに答えた。

 しかもスマホからじゃなくて廊下のスピーカーを使っている!

 やはり矢代邸(ここ)も碧さんに乗っ取られていたか。

 それにしてもどこからともなく声だけ聞こえてくるなんてまるで悪霊の館だ。

 夜中にこれやられたらビビるぞ。

『そんなことはしません。

 碧は大地さんの忠実な』

「はいはい。

 それはいいから」

 碧さんが教えてくれた所によれば、まず相沢さんは宝神内の芸能部門にいるそうだ。

 次のツアーについて打ち合わせしているとか。

 そういえば明日からツアーだとか言っていたっけ。

 早々に戦線離脱は辛いけど聖女様のご加護は時間はともかく空間を超越しそうだしね。

 ていうか聖女様(相沢さん)って威力がありすぎて防衛兵器としてはあまり役に立たない気がする。

 核爆弾を積んだ戦略爆撃機もしくは弾道ミサイルのようなものだもんね。

 近くの目標を狙えないし作動させたら何もかも吹き飛んでしまう。

 むしろ抑止力としてただそこにいるだけで十分、というよりはそれ以外に使い道がないかも。

(酷い話だな。

 あの聖女様を戦略兵器扱いかよ)

 だってこれは「戦争」だよ?

 戦力として考えればそうならない?

矢代大地(ガキ)が無力な一般市民だという事には同意する)

 ほっといてよ!

 (エン)さんやパティちゃんもそれぞれ自分の仕事? で宝神にいるらしい。

 静村さんは泳いでいるとか。

 さすがは依代(龍神)

 マイペースでよろしい。

 そして比和さんは都内の本社に行っている。

 唯一、現役の矢代興業役員だもんね。

 いや僕や信楽さんも役員ではあるんだけど事業部門を担当してないから現場には出ないんだよ。

 従って本社に行く用事もない。

 すぐに休暇も取れるというもので。

(それで高給貰ってるんだからな。

 いい気なもんだ)

 ほっといてよ!

 いつものように脳内闘争を繰り広げながら食堂に行くと誰もいなかった。

 信楽さんはまだみたい。

 女の子だから準備に時間がかかるんだろうな。

 メイドさんたちが纏わり付いているだろうし。

 窓際の適当な席に座ったらウェイトレスさんがメニューを持ってきた。

「ここも胡堂くんの担当なの?」

「違う。

 俺は矢代(おまえ)の担当だ」

 清楚な制服にエプロン姿の美少女ウェイトレスさんがぶっきらぼうに答える。

 そういえばそうだっけ。

 僕、メイドさんたちに忌避されているんだった(泣)。

「安心しろ。

 信楽様……さんが来たら本物のメイドが世話してくれる」

「そうなの?」

「メイドたちが怖がっているのは他の女がいない状況で矢代と二人きりになることだからな。

 誰かメイド以外の女性がいればいいんだよ。

 それだけで比和様……さんの怒りを回避出来る」

 なるほど。

 比和さんは矢代家のみんなを身内扱いしていると思われているわけね。

 もちろん比和さんが自分で言ったわけじゃないんだろうけど、外から見たらそうなるか。

 怖い世界だ(泣)。

「そんなことはいい。

 注文はどうする?」

 胡堂くんが苛立った口調で聞いてきた。

 うーん。

「信楽さんが来てから決めるよ」

「ならいい。

 じゃあな」

 メニューを置いて去る美少女ウェイトレスさん。

 後ろ姿はマジでアニメのヒロインなんだけどなあ。

 だが男だ(笑)。

 メニューは分厚いというかファミレス並に品数が多かった。

 写真が載ってないからよく判らないけどステーキからパスタ、和食まで何でもあるみたい。

 いっそファミレスみたいに日替わりランチとかあればいいのに。

「お待たせですぅ」

 やっと信楽さんが来てくれた。

 普段着の女子高生みたいな格好で日常アニメのヒロイン的だ。

 周りに何人もメイドさんがいなければだけど(泣)。

「僕も来たばかりだから。

 やっぱり仕事しちゃった?」

「はいですぅ。

 仕事中毒(ワーカホリック)なのはぁ自分でも判っているのですがぁ」

「僕も同じ。

 何かしてないと落ち着かない身体になっちゃってる」

「因果なものですぅ」

 信楽さんが僕の向かいに座る間にもメイドさんたちがメニューを広げたり水を持ってきたりと大活躍だった。

 そういえば胡堂くん、メニューはくれたけど水は無かったような。

 まあいいけど(泣)。

「信楽さんは何にする?

 ていうかお勧めはある?」

「私ぃは本日のぉお勧めランチにしますぅ。

 内容はぁシェフにお任せですぅ」

 やっぱりあるのかよ!

「なら僕もそれで」

「お願いしますぅ」

 信楽さんがメイドさんに振ると代表らしいメイドさんがお辞儀した。

「かしこまりました。

 シェフのお任せランチ二人分、確かに承りました」

 一斉に消えるメイドさんたち。

 やっぱシェフがいるんだ(泣)。

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