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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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48.いや意味判んないから(泣)

 比和さんは一見冷静に沈黙しているようだったけど雰囲気が何か怖い。

 歌じゃないけど「もうこれ以上」だよ!

 怯えていると比和さんは淡く微笑んで言った。

「ご心配なく。

 私もそこまで大人げないことはしません。

 今日の所は引きます」

 良かった(汗)。

 神魔妖大戦は勘弁して欲しい。

 おまけに次元放浪者(信楽さん)や精神生命体(パティちゃん)まで参戦してきそうだもんね。

 魔王(ぬらりひょん)は逃げるけど。

 ひとまず安堵していると比和さんが続けた。

「それにしてもさすがはダイチ様です。

 これだけの方々に一人で対抗するどころかむしろ圧倒しておられる。

 誰にも出来ないことでございます」

「いや、僕は圧倒されてたけど」

 慌てて反論しようとする僕に構わず比和さんはうっとりした目を向けてきた。

「ですが、本当に凄いです!

 あの聖歌(タイムストッパー)に対抗出来る技を編み出されたのですね!

 感服いたしました」

 いやいや!

 比和さんこそばっちり抵抗(レジスト)していたよね?

 それってつまり比和さんも異能(チート)村の住民だったってことだ。

 信楽さんが霊的防御云々と言うだけのことはある。

 さすがは妖精(フェアリー)

 美貌と巨乳を持つ最高のメイドであり世界的に認められた経営能力とカリスマだけじゃなくて超常現象にも対抗出来るとは。

 設定詰め込みすぎじゃない?(泣)

 まあいいや。

 舞台で歌う信楽さんを見ながら聞いてみた。

「比和さんにも相沢さんの歌は効かないみたいだね」

 ちょっと驚いた様に眉を上げてから恥ずかしそうに頷く比和さん。

妖精(フェアリー)だった頃にああいった『効果』を知っていたものですので。

 魔素(マナ)で似たような状況を作れます」

 そうなの!

「つまりあれは魔法の類いだと」

「それはどうでしょうか。

 地球(今世)には魔素(マナ)がございませんので何か別のものかと。

 ただ手段はどうあれ結果が同じならば対抗(レジスト)も同様に可能かと存じます。

 やってみたら出来ました」

 やっぱ前世の比和さんってただの王宮メイドじゃなかったんだ。

 むしろラノベに出てくる戦闘メイドに近かったのでは。

 それも歩兵じゃなくて指揮官級の。

「どういう方法なの?」

「説明は難しいです。

 パトリシアさんもおっしゃっていたようですが、それぞれの個性によるものでしょう。

 私の場合は出来る、としか」

 なるほど。

 確かに僕の方法も人に説明出来ないというか上手く伝わらない気がする。

 他の人には効果がなかったりして。

 難しいもんだなあ。

 信楽さんの歌が終わってみんなで拍手する。

 舞台を降りてくる信楽さんを迎えながら言った。

「良かったよ。

 信楽さんってああいうのも合うね」

「嬉しいですぅ。

 これからはぁ純情派路線で行こうかとぉ思ってますぅ」

 照れながらも弾んだ声で応える信楽さん。

 さっきのアレは?

 まあいいけど。

「お見事でした」

 比和さんがわざわざ立ち上がって手を差し伸べた。

「ありがとうございますぅ。

 何とかなりましたぁ」

 比和さんと信楽さんががっちり握手する。

 戦友?

「そのお覚悟は見習いたいものです」

「比和先輩ならぁ大丈夫ですぅ。

 みんな仲間ですぅ」

 何だか僕には判らない会話だけど女子会話(ガールズトーク)に割って入れるほど修行を積んでないからね。

 知らないふりをしてポッキーを咥えているとイントロが流れた。

 僕の番だけど無理。

 (エン)さんとのデュエットが残っている以上、残り少ない(パワー)は温存しておかないと。

「では私が」

 神出鬼没の(エン)さんが舞台に上がった。

 いつの間にかいたり消えたりするんだよなあ。

 そこら辺は魔王(ぬらりひょん)とまではいかなくても妖怪臭い。

 (エン)さんが歌い出した。

「♪JUST WILD ○ COMMUNICATION 雨に打た○ながら……」

 上手い!

 イケメンがあの曲を歌うとこんなに凄いのか。

 ガンダ○の中でも異端な話だけど曲はいいんだよね。

 女性歌手だけど歌詞はワイルドだし(エン)さんに凄く合っている。

「なかなかですぅ」

 信楽さんがペットボトルを飲みながら言った。

「これでぇデュエットもいいのではぁ?」

「無理。

 まだ喉がヤバそう」

「確かに激しい歌ですね。

 私には歌えそうにも」

 確かに(笑)。

 比和さんや信楽さんのイメージじゃない。

 (エン)さんもちょっと違う気がするけど上手く合わせてるみたい。

 それからは黙って(エン)さんの歌を聴いた。

 (エン)さんって器用なんだよね。

 大抵の状況には合わせてくる。

 魔王(ぬらりひょん)とか言ってるけど矢代家の他のみんなみたいに異能(チート)(違)があるわけじゃない。

 それでも引けを取ってないって凄いことなのでは。

 まあ、そこが魔王(ぬらりひょん)魔王(ぬらりひょん)たる所以かもしれないけど。

「♪……○れ出した熱い素顔 も○れた胸解き放ってTONIGHT!……」

 歌が終わって一礼する(エン)さんに盛大な拍手が贈られた。

「大地殿の代役、見事だった」

「羨ましいです」

「こっち方面も行けるんですか」

 賞賛の言葉を浴びながら頭を掻いて舞台を降りる(エン)さん。

 比和さんが立ち上がった。

「では行って参ります。

 ダイチ様」

「無理しないでね」

 微笑んで舞台に上る比和さんの後ろ姿は池田屋に向かう新撰組隊士のようだった。

 何か怖いんだけど(泣)。

「凄い覚悟ですぅ」

 信楽さんが言った。

「やっばりそう思う?」

「はいですぅ。

 比和先輩はぁ敢えて困難に立ち向かうつもりですぅ」

 信楽さんにもそう見えるのか。

 一体何するつもりなんだろう。

 マイクを取って舞台に立つ比和さんはいつもと違って見えた。

 何か儚げな?

 思わず目をこすってしまった。

 あんな比和さん、見たことないよ!

 イントロが始まり比和さんがマイクを構える。

 この曲は!

「♪小さい頃は○様がいて 不思議に○をかなえてくれた……」

 えええーっ!

 あの比和さんが?

 演歌じゃないの?

 松任○由実、いやこれってまだ○井由実の頃の曲じゃない?

 いやアニソンだったっけ。

 宅急便のアニメの。

 じゃなくて比和さん、悪いけど全然イメージ合ってない。

 美貌や巨乳や全体の雰囲気が。

「恐ろしい覚悟ですぅ」

 信楽さんが呟いた。

「矢代先輩のためにぃ敢えて自分を殺すぅ。

 凄い人ですぅ」

 いや意味判んないから(泣)。

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