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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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45/383

45.やっぱやらされるの?

 比和さんに後ろから抱きつかれたまま何とか最後まで歌い終える。

 いや背中が重……熱かったけど我慢だ。

 曲が終わると同時に比和さんが離れてくれたので舞台から降りてきた相沢さんに近寄って謝った。

「変な事してご免」

「いえ。

 実験なのでしょう?

 大丈夫だったみたいですね」

 判ってくれたらしい。

 それじゃあ、と言おうとしたら背中を(つつ)かれた。

 何?

 振り向くと信楽さんがいた。

「ええと」

「次はぁ私ですぅ」

 そうでした。

 イントロが始まりそうだ。

 ご免と言って避けようとしたら腕を捕まれた。

「私ぃともデュエットして欲しいですぅ」

 そう来ましたか(泣)。

 信楽さんが物凄く真剣な目を向けてくる。

 断れないよね。

「いいよ」

「嬉しいですぅ。

 ではぁ」

 僕はマイクを持ったまま舞台に連れ戻された。

 相沢さんからマイクを受け取った信楽さんが腕を組んでくる。

 積極的過ぎない?

 ところで僕は何の曲を歌わされるのか。

 ていうか昭和のアイドル曲なんかほとんど知らないんですが(汗)。

 液晶画面に映し出された歌手とタイトルを見てがっくりきた。

 この曲、知ってる(泣)。

 歌手も。

 超大物歌手だしアニソンも歌っているから一応ラインラップは聴いたことがあるんだよね。

 ヒット曲のひとつだけど信楽さんのイメージとは……合うのか?

 純情可憐で癒やし系の美少女に見えるのに裏では色々と考えている所とか。

「イメチェンしてみようと思ったですぅ」

 さすがの信楽さんも紅くなっていた。

「うん。

 確かに信楽さんの新しいカラーという気がしてきた」

「さすがは矢代先輩ですぅ。

 では行きますぅ」

 イントロが終わった。

 裏声を絞り出す。

「「♪水晶の熱い○ 爪先立って ○なたへと灼けた腕巻き○けるのよ……」」

 きつい。

 声の高さもだけど歌詞が。

 男が歌う歌じゃない!

(……まあ、そうだな)

 無聊椰東湖(オッサン)もさすがに引いていた。

 そもそもこれ、デュエット曲じゃないし。

 信楽さんはごく自然に高音で歌うのでついて行くのがやっとだ。

 でも言えない。

 信楽さんが物凄く嬉しそうなんだよ。

 まあ、こうなることは判っていたんだけどね。

 相沢さんとデュエットしちゃった以上、他のみんなともやらざるを得ないって事は。

 でもいきなりこれは。

 さっきので息が上がっているし。

 だが頑張らねば。

 悲壮な覚悟で歌いきった。

「「♪……心の○が弾けたら華やかな○月」」

 コーラスが終わると信楽さんが僕から離れて頭を下げてくれた。

「ありがとうございますぅ。

 嬉しいですぅ」

「信楽さんの頼みなら何でもきくから」

 一応、用心はしている。

 苦行だったとか言えないし。

 二人で舞台を降りる。

 次の曲のイントロが始まった。

 あ、これ僕だ。

「ご免。

 今回はパスする」

 マジで疲れた。

 喉が。

 ソファーにへたり込むとコントローラーを弄くっていた比和さんが慌てていた。

「ダイチ様」

「ちょっと休むから」

 この状態でスーパーロボットの歌なんか歌えるはずがないでしょう!

 絶叫系だし。

 するといつの間に戻って来たのかマイクを握った(エン)さんが舞台に上がった。

「では私が代役を!」

 好きにして。

「♪……ガン○ンガンガン 若い命が○紅に燃えて」

 (エン)さん、上手いじゃない!

 男の歌なのに。

 よろしくお願いします。

 (エン)さんのおかげで僕は4分ほど休む事が出来た。

 でもその安息の時間も終わる。

 次は比和さんか。

 頑張るしかない。

 いや、相沢さんや信楽さんとデュエットして比和さんをスルーなんか出来るわけないでしょう?(泣)

 (エン)さんが歌い終わって舞台を降りた。

 次はどんな曲か。

 僕に歌える曲だといいんだけど。

「ダイチ様」

「うん、判ってる。

 デュエットしよう」

 務めて何でもないように立ち上がる。

 すると比和さんは頭を下げた。

「お疲れのご様子。

 よろしければ」

「大丈夫だよ。

 比和さんのためだから」

 いや本心ですよ?

 決して比和さんの背中の暗黒穴(オーラロード)が怖いとかそういう理由じゃなくて。

「御意」

 益々女武者的な印象(イメージ)が強まる黒髪の巨乳美女が僕の腕を取った。

 二人で舞台まで歩く。

 マイクを握った時にイントロが始まった。

 これは?

 驚いて比和さんを見たら恥ずかしそうに微笑んだ。

「曲を変更しました。

 ダイチ様」

「いや、これってアニソンだけど」

「愛の歌でございます」

 さいですか。

 ならばもう何も言うまい。

 イントロが終わって僕たちは歌った。

「「♪世界の○まりの日 生○の樹の下で……」」

 女性歌手だけどそれほど高音(ソプラノ)じゃないので割と楽についていける。

 それにしても比和さん、ア○エリオンなんか知ってたんだ。

 うーん。

 これは確かに愛の歌ではあるんだけど、一万二千年も続く愛ってちょっと怖いよね。

 そうか。

 比和さんの前世って妖精(フェアリー)だから寿命がないという話だったっけ。

 事故や殺されたりすれば死ぬらしいけど。

 下手すると一億と二千年くらい愛し続けなきゃならないかも。

(馬鹿な事を考えてないで真剣に歌え。

 メイドさんに失礼だろう)

 でした(汗)。

 僕は心を入れ替えて頑張った。

「「♪……君を知ったその○から 僕の○獄に音楽は絶えない」」

 でもやっぱり地獄に音楽が絶えないような愛は嫌だ(泣)。

 歌い終わると比和さんが深々と頭を下げた。

「ダイチ様。

 ありがとうございます。

 もうこれで思い残す事は」

「いや比和さん。

 そこまでの事じゃないから」

 何とか宥めて一緒に舞台を降りると元気な(エン)さんが言った。

「次は私です。

 総長とデュエットしたいのは山々ですが、さすがに喉潰すと思うので」

 ありがとう!

 何て気配り上手な魔王(ぬらりひょん)様なんだ!

「だから次でいいです」

 やっぱデュエットさせられるの?

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