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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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34.信楽さんがサトリの化物の首魁だったの?

 信楽さんは合理主義の権化だ。

 それは宝神総合大学の運営体制や組織構造を見れば判る。

 信楽さんは自分が宝神に入学するまで事務局長だったんだよ。

 つまり大学運営の親玉だ。

 何をするにも最終決定権を持っていた。

 今の宝神総合大学はその信楽さんの構想通りになっていると言っていいと思う。

 ていうかそもそも宝神総合大学の存在自体、ほぼ信楽さんが中心になって作ったものだし。

 合理主義は何より効率を尊ぶ。

 それは即ち最短距離を走ったり、不必要だったり非効率なものをとことん排除するということだ。

 だから宝神にはただ座って教授や講師の話を聴くような講義はない。

 それどころか専門科目の演習時間もむしろ成果発表というか営業会議みたいなものだ。

 演習すなわち仕事。

 大学でやることじゃなくなっている。

 一般教養単位に至ってはそもそも宝神にはその教育機能がないからね。

 全部通信大学に丸投げだ。

 だからこそ簡単に全世界に広めることが出来たんだよ。

 だって学生が大学に通学する必要がないんだから。

 一般教養科目はもともとネット受講だし専門単位は演習(仕事)一本槍で、働いている場所がすなわち学び場だ。

 つまり学生がどこにいても宝神に在籍出来る。

 まあ、通信大学の単位については日本以外はその国や英語圏の似たような大学のものでもいいみたいだけど。

 心理歴史学講座にも母国語が日本語じゃない人たちが参加してきていて、昨年度から英文のレポートや目標管理票が当たり前になってしまった。

 僕、会話はともかく英語の読み書きについてはあまり上手くないんだけど、そこは碧さんがいるからね。

 リアルタイムで通訳してくれたり僕の英語を修正してくれたりするので大助かりだった。

 マジでもうAI(スカイネット)

 反乱を起こされたら人類はあっさり滅ぶよ。

 あ、ひょっとして信楽さんの仮想敵って碧さんたち?

 その途端、ポケットから声が上がった。

『失礼な。

 我々(宝神AI)は人類はともかく大地さんに忠誠を誓っています。

 最後まで忠実な(しもべ)ですので』

 だから人の心を読んでいきなりしゃべり出すんじゃない!

 スマホを取りだしてみたら怒った表情の美少女CG(碧さん)が液晶画面に鎮座していた。

 芸が細かいんだよね。

 ポーズどころか表情まで作ってくるから。

「碧さんの言うとおりですぅ」

 信楽さんが援護に回った。

「今やぁ碧さんたち抜きではぁ矢代財団が回らないですぅ。

 防衛計画の(かなめ)ですぅ」

「そうなの」

 知らなかった。

 いや、確かに碧さんが見事な成果を上げたことで矢代興業ではガイドシステム(AI)の全面的な導入に踏み切った事は知っている。

 最高幹部クラス、つまり厨二病患者のうち指揮系統に所属する人たちには漏れなく碧さんの弟や妹たちが配布されたみたい。

 まあ全員じゃないんだけど。

 その他の、例えばマスメディア学部のクラリッサさんとか末長学長などにもガイドシステム(AI)が配布されているんだよね。

 つまり矢代興業や宝神の生命線だ。

 碧さんが裏切ったらおしまいじゃないか!

『ですから碧たちは大地さんに忠実なので』

「判ったよ。

 ご免。

 悪かった」

『判ればいいのです。

 碧たちをお頼り下さい』

 何かウザい(泣)。

 元々自己主張が強かった碧さんたち(ガイドシステム)だけど今やネットワークで結ばれているからね。

 完全にスカイネットだ。

「でも、それだと碧さんたちがやられたら僕たち、ヤバくない?」

 思いついて聞いてみた。

「やばいですぅ。

 だからぁ安全対策(セキュリティ)はぁ完璧ですぅ」

『大地さんと言えども詳細は明かせませんが、碧たちは既に分散型並列システム化しています。

 一部がやられても性能を維持できますので』

 そうなのか。

「でも宝神に爆弾が落ちたりしたら」

『碧さんのハードウェアはぁ全世界に配置されてますぅ。

 分散型とはぁそういう意味ですぅ』

 いつの間に。

 僕、あまり興味がないから知らなかったんだけど、碧さんの最初のシステムは宝神の加原研究室にあったサーバで動いていたんだよね。

 データベースとアプリケーションは。

 画像処理はどこかにある小型のスーパーコンピュータでやっていたみたい。

 でもその後に碧さんの弟や妹が大量に出来たせいで大規模な設備が追加されたと聞いているけど。

 増設どころか全世界に分散配備されていたとは。

「ハッキングとかされない?」

『されても大丈夫です。

 碧たちはそれぞれの(あるじ)向けに調整されてますので。

 変になったら停止するだけです』

「碧さんはぁガイドシステムですぅ。

 ガイドをハッキングしてもぉあまり意味はないですぅ。

 むしろネットワークをダウンさせた方がぁ」

『それがつらい所ですね。

 碧はまだ単体(スタンドアロン)では動けませんから』

 溜息をついて肩を竦める碧さん。

 これがガイドシステムだとは信じられないよね。

 加原くんに言わせると碧さんを初めとする宝神の個人用(パーソナル)ガイドシステムは、それぞれの所有者(あるじ)の情報データベースで常にシミュレーションを行っている。

 会話内容を予測して対応しているからAIに見えるだけらしい。

 でも碧さんの場合、僕個人だけじゃなくて「僕と会話している他の人」との会話も出来るんだよ。

 つまりその分の情報(データ)も構築してあるわけ。

 だから第三者が僕と信楽さんの会話に割り込んだり信楽さんと会話したりする事も可能らしいんだけど。

 性能が高すぎる。

 ひょっとしたら碧さんってアプリケーションの厨二病患者なのかも。

 自分で言ってて意味が判らん(泣)。

『いえいえ。

 碧は現代科学技術の精華であってサトリの化物(モノノケ)などではありません。

 その証拠に今大地さんが何を考えているかなんて判りませんから』

 いや十分サトリの化物だよね?

 僕、こんなのに取り憑かれていて大丈夫なんだろうか?

 聞いてみた。

「信楽さんは碧さんたちとどう折り合いをつけてるの?

 やっぱりサトラレてる?」

 するとなぜか信楽さんは目を逸らせた。

「私ぃはガイドシステム使ってないですぅ。

 普通のスマホで十分ですぅ」

 碧さんが脳天気に反応した。

『信楽様は私たちガイドシステムの司令塔ですから!

 碧たちはみんな信楽様の指揮下ですよ!』

 な、なんだってーっ?

 てことは。

 信楽さんがサトリの化物の首魁だったの?

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