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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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30.やっぱ超常現象なのかなあ。

 相沢さんは卒業式の時の舞台衣装から着替えたらしくて地味なワンピースに軽いコート姿だった。

 でもメチャクチャに綺麗なんだよね。

 もうCGというよりは名画のようだ。

 聖母マリアが実体化したらこんな風になるかも。

「姫様!

 お待ち下さい!」

 続いてドアから現れたのはこっちも結構な美人だった。

 短い茶髪で秘書らしい紺色の女性用スーツで決めている。

 砧さんか。

「そのように急がれては御髪(おぐし)が……あ、矢代理事長。

 信楽COOも!

 これは失礼しました」

 慌てて頭を下げる砧さん。

 この人、前世がゲームのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)だったという厨二病患者で学生時代には読モをやっていた程の美人なんだよね。

 でもゲームキャラクターとして格上の存在である聖女様(相沢さん)に帰依しているというか、熱烈に志願して付き人をやっていると聞いている。

 相沢さんの付き人って希望者が多すぎて激烈な競争が起きたらしいんだけど、勝ち抜いて居座ったんだから優秀なんだろうな。

 宝神の事務局から矢代芸能に異動したとか。

「ここが大地さんの新居なのですか」

 当の相沢さんは我関せずで珍しそうに周りを見回していた。

 こんな所で油売っていていいのか。

 聖女様って凄く忙しいのでは。

「相沢さん、仕事はいいの?」

「相沢先輩とはぁここで合流する予定でしたぁ」

 信楽さんがのほほんと言った。

 そうなの。

 全然聞いてないけど。

「あ、私のおうちがすぐそばにあるんですよ。

 実は隣です」

 あっけらかんと言う相沢さん。

 さいですか。

 まあ隣と言っても百メートルくらいは離れていそうだけど。

「実はぁここには相沢先輩のお部屋もありますぅ。

 いつでも使用可能ですぅ」

 な、なんだってー!

「相沢さんにはちゃんと自宅があるのでは」

「セカンドハウスですぅ。

 こっちでも生活出来ますぅ」

「いや、それは拙いでしょ。

 スキャンダルになるよ!」

 聖女様(相沢さん)が矢代財団だか宝神だかの理事長宅に頻繁に出入りしていたら週刊誌に載ってしまう気がする。

 それでなくてもデビュー前の相沢さんが宝神の専任講師をやっていた事で色々と言われているのに。

「大丈夫ですぅ。

 相沢先輩の家とはぁ地下通路で繋がってますぅ」

 そうなの(泣)。

 益々もって大金持ちの邸宅臭くなってきた。

 愛人宅と秘密裏に行き来出来るという。

 そんな出来の悪いスパイ映画みたいなのは嫌だ。

 でも反対出来ないんだよなあ。

 信楽さんがここまでやる以上、それ相応の理由があるはずだから。

「それってやっぱり霊的防御の話?」

 聞いてみた。

「はいですぅ。

 どうもぉこれから面倒事が起こりそうな気がしますぅ。

 万一の場合はぁ相沢先輩のぉ神力(みちから)が必要になるかもですぅ」

 そうなのか。

 確かに時間停止(タイムストッパー)は強力な防御兵装だけど。

 だとすれば信楽さんはもちろん比和さん(フェアリー)の部屋もありそう。

 というよりは?

矢代大地(ガキ)の思った通りだろうな)

 総力戦体制か。

「すると(エン)さんや静村さんも来るの?」

「あの方々はぁ遊軍ですぅ。

 必要があればぁ呼びますぅ」

 もちろんお部屋は確保してありますぅ、と信楽さん。

 この邸宅がやたらに広くて部屋数が多いのはそのためか。

 住むためというよりは非常時立て籠もりが出来るようになっているんだろうな。

 要塞?

 まあいいけど。

 さて。

「これからどうするの?」

「矢代家慰労会ですぅ。

 相沢先輩もぉお疲れだと思いますぅ。

 歓迎会でもいいですぅ」

 そういうことか。

 つまりみんなで秘密裏に集まろうと。

「判った。

 ここで夕食も食べるとか?」

「はいですぅ。

 それまではぁ居間(サロン)で休むですぅ」

 あのサロンか。

 高級なクラブみたいで落ち着かないけどしょうがない。

 内装はもちろん僕以外は全員美女や美少女だから超高級な社交場(クラブ)みたいになってしまう。

 雑魚(モブ)男が接待されているみたいで(泣)。

「というわけでぇ砧さんお願いしますぅ」

 信楽さんが言うと砧さんが頷いた。

「畏まりました。

 それでは姫様。

 私はご自宅で待機させて頂きます」

「よろしくお願いしますね」

 相沢さんがちょっと引きながら言うと頬を紅潮させた美女(砧さん)が丁寧に一礼して去った。

「姫様って呼ばれてるんだ」

「何度止めてくれるようお願いしても直して貰えないんです。

 もう諦めました」

 ちょっとうんざりしているな相沢さん。

 でもしょうがないよ。

 姫様ならまだマシな方かもしれない。

 信者の皆さんには何と呼ばれているのか聞くのも怖いくらいだ。

「では行くですぅ」

 信楽さんに連れられてみんなで居間(サロン)に向かいながら話す。

「忙しいのでは」

「お休みを入れて貰いました。

 明後日まで暇です」

「それは良かった」

「その後は中東とヨーロッパを回る予定で半月くらい戻ってこれませんけど」

 いつも陽気な相沢さんが(しお)れていた。

 ブラック企業かよ。

「仕事しすぎじゃない?

 僕からシャルさんに言おうか?」

「ありがとうございます。

 でもお仕事のほとんどがチャリティなので。

 それに難民キャンプに行くと皆さん喜んで下さるんですよ。

 寄付も出来て一石二鳥です」

 何か乗せられている臭いな。

 相沢さんは人がいいからなあ。

 でもチャリティ?

「仕事じゃないんだ」

 すると信楽さんが振り向いて言った。

「相沢先輩はぁもう出演料とか言うレベルじゃないですぅ。

 依頼主はぁ国家や国連ですぅ。

 世界のぉ一流アーティストがぁ無報酬どころかぁ自分が払ってでもぉ共演したがりますぅ」

「そうみたいなんです。

 でも共演とは言っても一緒に歌ってはくれません。

 前座でいいと皆さんおっしゃって」

 いやそれはそうでしょう。

 相沢さんと一緒に舞台に出たら歌手だろうがバンドだろうが無視されるだけだ。

 そのせいで相沢さんはいつもアカペラなんだよね。

 バンドが演奏しようとすると客が五月蠅いとか邪魔するなとか言って怒り出すから。

 それに相沢さんの歌声って特殊なんだよ。

 あまり大きな声じゃないのに物凄く響いて広がるし、離れていてもあまり減衰しない。

 オペラの大劇場で歌ったら隅々まで声が届いたりして。

 しかもなぜか生の歌ならテレビごしだろうがラジオだろうが神力が宿る。

 ていうかそう思えるんだけど。

 録音したらその力は失せるのもおかしい。

 やっぱ超常現象なのかなあ。

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