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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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29.さっき会ったばかりでしょ!

 本当に何を考えているのか。

 僕は黄金の三角地帯(アジアの奥地)の麻薬王か?

 むしろ007に出てくる悪の黒幕()のような気がする。

 しかし今の日本でここまでやる必要ってあるんだろうか。

(判らんがテロというよりはむしろ内戦レベルを想定しているみたいだな)

 無聊椰東湖(オッサン)も呆れていた。

 それはそうだよね。

 まるで某科学研究都市のようだ。

(アニメの話だろうそれは)

 原作はラノベだけどね。

 でも逆にあの話から見たらまだ甘いかもしれない。

 超○磁砲(レール○ン)とかに狙われたらこんな防衛体制じゃ一撃だよ。

 まあいいや。

「脱出用とかじゃない所が見たい」

『判りました。

 ではとりあえず娯楽(エンタメ)などはどうでしょう』

「それで」

 碧さんの案内(ナビ)で僕の部屋に戻ってスリッパに履き替える。

 廊下を歩いていても誰とも会わない。

 ていうか人の気配がしないんですが。

「誰もいないの?」

 聞いてみた。

『いますよ。

 隠れているだけです』

 さいですか。

 僕、嫌われてる?

(違うだろう。

 護衛が側に居たら矢代大地(ガキ)が落ち着かないからな)

 むしろ見えない方が気になるよ!

 長い廊下を抜けるとそこは何というか遊興部屋だった。

 広い部屋にビリヤード台とかキューの棚とかが揃っている。

 所々に豪華そうなソファーが配置されていて、壁際にはバーのカウンターがあった。

 新宿かどこかの玉突き店(ビリヤードバー)みたい。

(益々もって新興成金の屋敷だな)

 賛成(泣)。

 アメリカみたいにピンボールマシンやスロットマシン、ジュークボックス(古!)がないだけまだマシか。

『遊んで行きますか?』

 碧さんが余計な事を言うけどやらないよ!

「僕、ビリヤードはあんまり得意じゃないし」

『指導しますが』

 いらんわ!

「何かもっと真面目な場所ってないの?」

『そうですね。

 後は食堂や居間(リビング)などですか。

 一応図書室もあります』

「図書室があるの?」

『部屋はありますがまだ本はありません』

 何だよそれ(泣)。

(どうも器だけ用意したみたいだな)

 無聊椰東湖(オッサン)が白けた雰囲気になった。

(『用意が出来た』というのは建物の事だろう。

 内装(ソフトウェア)矢代大地(ガキ)が揃えるわけだ)

 僕が?

 こんなだだっ広い屋敷をどうしろと。

 まあいいや。

 正直言って僕の部屋だけでも生活出来そうだし、大画面の4Kテレビとか入れたら引きこもってもやっていけるかもしれない。

 それから僕は碧さんの指示であちこち歩き回った。

 食堂は高級なファミレスとかステーキハウスみたいだったし居間(リビング)は高級サロンのようだった。

 とても僕みたいな庶民(モブ)が住んでいい家とも思えない。

 精神的に疲れたのでその居間(リビング)のソファーでちょっと休んだ後、時間ぴったりに玄関(エントランス)に戻ると信楽さんが誰かと話していた。

「信楽さんご免。

 待った?」

「大丈夫ですぅ。

 矢代理事長ぅ。

 紹介しますぅ。

 こちらはぁ松崎さんと言ってぇこの矢代邸のぉ執事さんですぅ」

 信楽さんの前に立っていた人が丁寧に頭を下げてくれた。

「松崎でございます。

 矢代様ですね?

 お目にかかれて光栄でございます」

 うわあ。

 初老のこれぞ執事! というイケメン、いやむしろ美丈夫だ。

 日本人離れした彫りの深い顔立ちで背が高い。

 僕が見上げないと目が合わないよ!

「矢代大地です。

 よろしくお願いします」

 とりあえず気をつけをしてから手を差し出す。

 松崎さんは頭を上げてから頷いて握手してくれた。

 何か凄い。

 ゴツゴツしていて「執事」の手じゃないよ!

「松崎さんはぁこのお屋敷全体のぉ管理人さんですぅ。

 非常時にはぁ指揮を執りますぅ」

 信楽さんがのほほんと言うけど「非常時」とか「指揮」って何?

 ヘリポートとか脱出用地下通路とかそういう奴?

 いや知りたくないから言わないで(泣)。

「それでは失礼させて頂きます」

 松崎さんはもう一度頭を下げると回れ右をしてから颯爽と去って行った。

 凄い。

 ただ歩いているだけなのに映画のシーンみたいだ。

(体幹がブレてないからな。

 あれは軍人上がりだろうな)

 ラノベじゃないんだけど(泣)。

 まあ、僕もそう思うけどね。

「あの人は?」

 聞いてみた。

「矢代警備のぉ矢代理事長宅専任護衛隊の偉い人ですぅ。

 詳しい事は私ぃも知らないですぅ。

 でも絶対に信用出来ますぅ」

 信楽さんがそう言うんならそうなんだろうな。

「判った。

 僕としては別にいいけど」

「良かったですぅ」

 何か僕に拒否権があるみたいな反応だけど無理!

 あんな物凄そうな人をクビとか言えるはずないでしょう!

 まあいいや。

「それで、これからどうするの?」

「もうちょっと待って欲しいですぅ」

 誰かが来るらしい。

 でも相変わらず人の姿はまったくないんだよなあ。

 松崎さんだけだ。

 スマホに聞いてみた。

「誰もいないと思うんだけど」

『そんなことはないですよ。

 現在、この屋敷の居住部分には警備員だけで25名が配備されています』

 そんなにいるのか。

 気配もないって隠密部隊かよ!

『それからたった今、エントランスに1名』

 え?

 玄関のドアが開いたかと思うと何か物凄く美しいものが飛び込んで来た。

 と思ったら慌てて立ち止まって丁寧にブーツを脱ぐ。

 スリッパに履き替えると再び加速。

「大地さん!

 それから信楽さん!

 お久しぶりです!」

 いや相沢さん。

 さっき会ったばかりでしょ?

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