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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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28.そんなもん見たくないってば!

 寝室に戻ってとりあえず頼んでみた。

「このベッド、落ち着かないから普通のに換えてくれない?」

 すると信楽さんじゃなくてポケットから声がした。

『了解しました。

 手配します』

 僕の秘書()さんってもうマジなAIに近い。

 いつでもスカイネットになれそう。

 リビングに戻ると信楽さんが言った。

「それではぁ。

 私ぃも自分の部屋に行きますぅ」

「ここで解散?」

 放り出されたら困るんだけど。

「1時間後にぃ玄関(エントランス)に集合でお願いしますぅ。

 道案内はぁ(ガイド)さんがやってくれますぅ」

「そうだね。

 判った」

 ではぁ、と言って出ていく信楽さん。

 僕はもうひとつのドアを開けてみたけどそっちはがらんとしていた。

 仕事部屋かな?

 まあいいや。

 ソファーに座って一息つく。

 ちょっと喉が渇いたりして。

 そういえば今まで誰にも会ってないけどここの維持管理はどうなっているんだろうか。

 スマホを取りだして聞いてみた。

「碧さん。

 何か飲みたいんだけど」

 電源を入れるような手間はかけない。

 無駄だから(泣)。

『リビングに冷蔵庫があります。

 珈琲は戸棚に』

「そう。

 ありがとう」

 なるほど。

 確かに端の方に流しや食器棚、バーのカウンターみたいな場所があったりして。

 広すぎて気づかなかった。

 冷蔵庫は小型のもので色々な種類のペットボトルが詰まっていた。

 よく冷えている。

 珈琲メーカーはなかったけどホテルに置いてあるような一杯分用のドリッパーがあった。

 小型の電気式ポットも。

「これ、使って良いの?」

『仮のものです。

 お好きなものを御自分で揃えるまでの繋ぎということです』

 さいですか。

 それにしても違和感があるな。

「碧さん、そのよそ行きの口調は何?

 気持ち悪いんだけど」

『私もこの矢代邸の(あるじ)の秘書なので格式ある態度が相応しいかと愚考しまして。

 元に戻しますか?』

 やっぱ確信犯かよ!

 碧さん、バージョンアップしたとか言っている割には基本の性格は変わってないんだよなあ。

「お願い」

『判りました!

 ここの消耗品は矢代ホームサービスがとりあえず用意したものです。

 引っ越しするときに今の部屋のものを運んでくるか、新しく買えばいいかと』

 元に戻ってくれてほっとした。

「判った。

 その時はお願い」

『了解です』

 熱い珈琲が飲みたかったけど時間がなさそうなので冷蔵庫から珈琲のボトルを取り出す。

 さて。

 探検するか。

「じゃあ碧さん、道案内(ナビ)よろしく」

『喜んで』

 これでガイドシステムというのが信じられないよね。

 少なくとも僕との会話ではほぼ完全に人間(AI)だ。

 ボトル珈琲を飲みながら部屋を出ると背後でドアが自動的に閉まった。

 カチャッと音がする。

「これ、個体認証とか言っていたけど」

自動制御(オート)です。

 ドアは登録者を識別して開きますし、登録者が外に出ると閉まります』

 無駄に高性能だな。

「識別ってどうやって?」

『機密情報です』

 そうなの。

 まあ監視カメラとAI制御によるパターン認識とかそんなところなんだろうな。

 すると鍵もないわけか。

 落ち着かなそう。

『どこに行きますか?』

 AIだけに空気を読まない碧さんが聞いてくるので思いついて言った。

「プールがあるという話だけど」

『屋内温水プールと屋外プールがありますがどっちに行きます?』

 何それ!

 やっぱ億万長者の邸宅だった(泣)。

矢代大地(ガキ)もそうなんだぞ?)

 無理。

 全然実感が沸かない。

 ていうかここ、僕の家じゃないよね?

(さっきお嬢ちゃんに言われただろう。

 矢代興業の所有だ。

 つまり矢代大地(ガキ)のもんだよ)

 有り得ん!

 もういいや。

「とりあえず屋外プールで」

『こちらです』

 スマホの画面に屋敷の見取り図みたいなものが出て矢印が点滅した。

 現在位置はここか。

「そういえば僕、スリッパだけど」

『サンダルに履き替えた方がいいでしょう。

 部屋に戻りましょう』

 というわけで僕は自分の部屋に戻って寝室の引き戸から庭に出た。

 サンダルもそこに用意されていたりして。

 マジで寝起きの水泳を推奨されている?

 そういえば高校卒業の時につれていかれたアメリカで似たような話を聞いたっけ。

 何かのパーティで知り合った日本人の実業家の人だったけど。

 まだ40代でアメリカで会社立ち上げて成功したらしい。

 何でアメリカに行ったのかというと、若い頃にテレビで見たアメリカの生活に憧れたからだそうだ。

 プール付きの家に住んでいる人が朝起きるとそのままパジャマを脱ぎ捨てながら庭に出て全裸でプールに飛び込む。

 それをやりたくてアメリカに渡って頑張ってプール付きの家を買ったんだと。

 でもやってみたら最初は楽しかったけどプールはすぐに汚れるし維持費が馬鹿にならないし、そもそも夏以外は心臓麻痺起こすから駄目だったらしい。

 て、その環境が整ってるの?

 芝生を十数メートル歩くと本当にプールがあった。

 空だったけど。

 4月だもんね。

『まだ無理です。

 夏になってからです』

 そりゃそうだ(泣)。

 プールはあまり大きくなくて長い辺が10メートルくらいだった。

 ネットの動画に出ているお金持ちの個人用プールだね。

 夜中に水着の美女が嬌声を上げながらはしゃいだりして。

 夏になったら入ってみようか。

「何か不用心な気がするけど」

『ここは安全区画です。

 外からは見えませんし狙撃される心配もありません』

 そんな心配したくないよ!

 まあいいや。

『次はどこに行きますか?』

「何があるの?」

『ヘリポートや緊急脱出用シューターがあります。

 この邸宅が包囲された場合に抜け出す為の地下通路は整備済みです。

 脱出用装甲4輪駆動車は配備が遅れていて2台しかありませんが』

 そんなもん見たくないってば!

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