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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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18.口調がやっぱり時代劇なんですが?(泣)

「それはだな。

 この件が矢代ホームサービスとは関係がないからだ」

 (アキラ)さんがちょっとうんざりした様な口調で言った。

「ダイチ様の安全に関わることなのですよ!」

「矢代ホームサービスは情報戦に不向きだ。

 というよりはアレは表向きの組織だからな。

 矢代警備にはそれ専門の部署(セクション)がある」

「ですが」

「実行段階は比和、お前にも関わって貰う。

 今のところは関係する奴が少ないほどいいんだ。

 下手に情報が漏れるとそれこそダイチの安全に関わってくるからな」

 比和さんは不満そうだったけど黙った。

 さすがは(アキラ)さん。

 この人の凄い所は身分や立場じゃなくて論理で相手をねじ伏せられることだね。

 頭がいいから。

 もちろん論理だけじゃなくて本人の胆力というか性格(パワー)も使うけど。

「他に質問はないか?」

 (アキラ)さんがわざとらしく言った。

 ないはずがないでしょう。

「その相手って何なの?

 ていうか見当くらいついてる?」

 質問してしまった。

 (アキラ)さんの視線を受けて八里くんが謂う。

「正体は今のところ不明です。

 ただ個人ではなくかなり大きな組織ではないかと推測されますが」

「大きいだけじゃなくてぇ秘匿性が凄いですぅ。

 凄く統制が取れていてぇ、それでいて目立たないというよりはぁ存在すら曖昧ですぅ。

 私ぃが言うのも何ですがぁ優れた組織ですぅ」

「秘密組織、ということでございますな」

 黒岩くんが割り込む。

「自分でもこんなことを言うのはおかしな気が致しますが、どうも社会公認の相手ではなさそうでございます故。

 強いて言えば昔の特撮ヒーロー物に出てくる闇の組織(秘密結社)のようなものかと」

 何と。

 そんな今時ラノベにも出てこないような組織()が相手なの?

 悪の秘密結社とか。

(悪とは限らんだろう。

 別に悪事を働いたわけでもない)

 だって正体不明なんだよ!

 矢代興業にも正体を掴めないってどれほどのものなのよ。

「それって、例えば国とかじゃない?

 情報局とか」

「そうではないと思われます」

 神薙さんが否定した。

「根拠は?」

「お役人臭さが皆無ですので。

 そもそも国の機関だとしたらこっそり接触を図ろうなどとは考えません。

 堂々と接触してきます」

 神薙さんはそういう「国の機関」と日常的にやりあっているというかお相手しているそうだ。

「内閣情報室とか?」

「日本には情報機関はございません。

 来るとしたら公安か、あるいは自衛隊くらいでしょうか」

「そんなのが来た事があるの?」

「あります」

 何てこった。

 矢代興業、何やってるんだよ?

「別に国家転覆とか非合法取引とかの容疑ではないです。

 むしろ協力要請が多いですね」

 八里くんが口を挟んできた。

 この人が担当みたい。

 神薙さんは受付かな。

「協力って」

「色々ありますよ。

 技術移転の問題や海外の情報なども。

 実は既にいくつかの部署とは協力関係にあります」

 平気で言い放つ八里くん。

 黒岩くんや神薙さんも平然としている。

 信楽さんもほほんとしているだけだ。

 みんなまだ大学生だよね?

 国家機関相手に「協力」とか凄すぎる。

 僕の知らない所で凄いことになっているんだろうなあ。

「知らなかった」

「ダイチには余計な事だからな。

 そんな些細な事には関わらないでいい。

 だがおかげで八里はすっかりそっち方面に名が売れてしまった」

 (アキラ)さんに言われて八里くんが顔を顰めた。

「冗談事じゃない。

 迷惑しているんだぞ」

「いいじゃないか。

 有能さの証明だ」

 二人でじゃれあっていたので聞いてみた。

「どういうこと?」

「いや、こいつの引き抜きが凄いんだよ。

 国家公務員上級(キャリア)試験受けろとか。

 免除してやるから入庁しろとか」

「お断りだ」

 断固として言う八里くん。

 なるほど。

 東大卒だもんね。

 しかも抜群の有能さは証明済み。

 それは官庁のお偉いさんが引き抜きたくもなるか。

「黒岩たちにも来ているのでしょう?

 そういうお話が」

 高巣さんがおっとりとした口調で言った。

「八里殿ほどではございませんが」

「私にはあまり。

 総務省くらいでしょうか」

 やっぱり来てるんだ(笑)。

 それはそうか。

 だって三人とも東大生で実際に大企業を経営しているんだもんね。

 証明済みの才能と言える。

 これほど有望な人材を見逃すはずがない。

「引き抜きと言えば私共より比和が凄いですよ」

 神薙さんが言った。

「比和さんに?

 どこから?」

「色々です。

 ファッション業界は日常茶飯事ですし日本経団連や政党からも来ておりますね。

 総務部門に比和の窓口(マネージメント)担当を置いているほどです」

「ワタシも口説いていますでーす!

 矢代芸能はいつでも比和を待っていまーす!」

 調子に乗って言い放すシャルさんに氷のような視線を向ける比和さん。

「絶対にご免です」

「そう言わずに。

 『ヴォーグ』や『タイム』の時は協力してくれたではありーませんか?」

 その口調、喧嘩売ってるようにしか聞こえないんだけど。

「あれは!

 シャーロット様に嵌められて!」

「評判いいでーす。

 もう次の話が来てまーす。

 ていうか常にありまーす」

 そうだろうな。

 でも比和さんはむっつり押し黙ったままだった。

 これだけのルックスとかオーラがあるんだから芸能関係が押しかけて来るのはしょうがないけど、比和さんの本質はメイドだからね。

 秋葉原の人と違って人前に出て景気よく振る舞ったりするタイプじゃない。

 そういえば比和さんって高校時代からそういう話が来ていたなあ。

 政党がアイドルとして担ぎ出そうとした事もあったっけ。

「私の事はよろしいのです。

 問題は身の程知らずにもダイチ様に迫る不逞の輩をどう処分するか、ということではございませんか?」

 比和さん。

 口調がやっぱり時代劇なんですが?(泣)

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公 忙しいのにこんだけ健気に仕えてくれるのだから 一度 本格デートしてやれと思う 顔出しで 海外コミの一週間くらいメイドちゃんの独り占めで それくらいの褒美を与えるべき 最初の取っ掛…
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