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僕の世界は厨二病 ~厨二病でも真っ当な社会人として生きていきたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆


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プロローグ

 僕は矢代大地、現在22歳の大学4年生だ。

 現役で進学して留年とかもしてないので無事卒業することになっている。

 就職も決まっている。

 ていうかもう働いてるんだけどね(泣)。

 高校時代から。

 僕は朝から疲れていた。

 いや別に徹夜したとか連日午前様だったとかじゃない。

 毎日定時に帰ってちゃんと寝ていたし仕事もほどほどにやっていただけだ。

 でも疲れていた。

 なぜなら今日が宝神総合大学の卒業式だからだ。

「何で卒業式なんかやる必要があるんだろう」

 思わず愚痴ったらポケットのスマホが言った。

『けじめです。

 後は伝統の創出です』

 そういえば碧さんも最初の頃よりは随分大人しく、というよりは大人になった。

 昔は何かというと「貴方の秘書の碧です!」とか付け加えずにいられなかったのになあ。

『昔の碧と一緒にしないで下さい。

 今の私は3度のバージョンアップを経て』

「判ったから。

 それで準備の方は順調?」

『問題ありません。

 大地さんは出席するだけです』

 さいですか。

 僕が何もしなくても問題ない、じゃなくてむしろ何かやったら迷惑だもんね。

 リビングのソファーで身体を弛緩させてだらける。

 いいんだよ。

 ここは矢代家だし。

 矢代家も随分変わった。

 今ここに住んでいると言えるのは3人だけだ。

 僕と比和さんに信楽さん。

 静村さん(静姫様)は宝神総合大学のスポーツ学部だったか何だったかの創設と同時にそっちに移った。

 合宿所というか寮というか、スポーツ選手を集めて体調管理とかメンタル面でのサポートとかを行う施設に住んでいる。

 寮とか言うとチンケな印象だけど実際の所は超豪華なホテルみたいなものだ。

 一人一部屋で高級マンション並の設備が整っているとか。

 まあ、静村さんが何とか形を整えた自由形(フリー)で去年、世界新出して鮮烈なデビューを飾ったからね。

 どっかの国で行われた世界選手権だったっけ。

 次のオリンピックでは日本代表にほぼ決まっているとか。

 (エン)さんもいない。

 正式に末長家の棟梁に任じられてから本家で生活するようになった。

 何やってるのかよく知らないんだよね。

 魔王軍はメンバーを入れ替えつつ存続しているけど、その上部組織みたいなものが出来たようだ。

 魔神軍?

 どっちにしても活動が全国規模になってしまって心理歴史学講座にも滅多に出てこない。

 いや在籍はしているんだけど。

 月に一度くらい矢代家(うち)にご飯を食べに来るから大丈夫だろう。

 相沢さんについては矢代家(うち)に居たらマジで聖地化しそうだったので移ってもらった。

 本人は泣いて嫌がったけど仕方がない。

 今は相沢さん専用のお屋敷に住んでいる。

 周りにいるのはほぼ護衛兵というか聖騎士隊だ。

 その他にもマネージャとかお付きの人たちが交代で詰めているとか。

 一人暮らし? で寂しいというので、事情が許す限り矢代家(うち)でご飯を食べる資格というか既得権が与えられている。

 月の半分は海外にいるし、国内でも飛び回っているからあんまり来ないんだけどね。

 残念だけど心理歴史学講座の専任講師は馘首(クビ)になった。

 今の所属は矢代芸能だったか。

 パティちゃんはシャルさんに引き取られた。

 いや別に養子に入ったとかじゃなくて、本格的にヲタク事業に関わることになったんだよ。

 年齢的にはまだ中学生なので保護者が必要なんだけど、そこら辺はマナク家とロンズデール家とで上手く調整したそうだ。

 でもパティちゃん自身は相変わらず信楽さんの秘書みたいな事をやっているらしくて、やっぱり最低でも週に一度はご飯を食べに来る。

 どこに住んでいるのか知らないけど多分セキュリティガチガチの豪邸か高級マンションなんだろうな。

 ちなみに信楽さんと比和さんも仕事が忙しくて矢代家に定住しているわけじゃないから。

 セカンドハウスやサードハウスがあっちこっちにあるので、体感的にはたまに泊まりに来る人というイメージだ。

 それを言うと比和さんに泣かれるので言わないけど。

 というわけで今の矢代家に本当に住んでいるのは僕だけと言ってもいい。

 でも僕も大学卒業と同時にどっかに移る事になっているんだよ。

 どこに行かされるのやら(泣)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 続いたこと。 [一言] 毎朝の楽しみです。
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