【第三章】第二十七部分
「渋沢栄知くんに枕営業するもん。」
「・・・、栄知に枕営業!?そ、そんな恥ずかしいことを?」
「久里朱ちゃんは、あの犬コロをそのままで許してしまうもん?」
『チンチン、チンチン、チンチン。』
栄知は雅美の精神魔法で洗脳されているのか、犬コロ状態をひたすらキープしている。
「わかったわ。枕営業すれば、栄知の心を取り戻すことができるのね。」
久里朱はすっくと立ち上がり、『枕営業モード』と叫んだ。
「栄知、あたしを見て。」
久里朱の強い口調に栄知は即座に反応した。
「ほら、これが栄知の見たかった枕営業よ!あたしの枕を買いなさい!」
スク水の久里朱は両手を腰に当てて、上半身を捻りぎみに折り曲げたセクシーポーズで、ウインクした。チラリズムだけだった先ほどよりは、かなりアピールレベルが上がっている。
『ワオ~ン!お兄ちゃんズがワオ~ン!』
栄知は狼のように遠吠えした。からだからはオーラのようなものが噴出し、久里朱を包み込んだ。
「これがお兄ちゃんズの力なの?あたしの魔力もパワーアップするってことなのね。」
久里朱のからだが太陽のように発光して、見るからに力がみなぎるようである。
「なんの騒ぎどす。負けた女子は屁にかたよるどす。」
「意味がわからないから、いちおうツッコミしておくわ。それを言うならハイパー症候群は併カタル、だわよ。」
まったく意味不明なツッコミである。
雅美もさすがに気がついて、久里朱と掛け合いネタを実行した。しかし、次の展開は久里朱のパワーアップとは違う現象を待っていた。
久里朱のスク水の上部がポロポロと焼け落ちたのである。
「きゃあああ!」
久里朱は、面積上片手で十分な部位を、両手で過剰防衛している。
「ふふん、こうなってしまったもん。」
「オバチャマ、何か知ってるの?これっていったいどうしちゃったのよ。お兄ちゃんズの役割って、魔力パワー補充じゃないの?」
「それもあるけど、解説の前にやることがあるもん。終末までの沽森byオバチャマの仇を打つもん。」
「だって、こんな恥ずかしい格好じゃ?」
「いや、それこそが真の力を発揮できるコスだもん。」
「全然わからないけど、やってみるわ。」
久里朱は腕のミサンガに手をやって枕を取り出し、それは剣に変わった。




