【第二章】第十四部分
「もう、サクラチルチルはどうしてこんなにどんくさいのよ?」
「栗きんとんがくっついてきたからだよ!」
「サクラチルチルがドン亀だからよ。せっかく手伝いにやってきたっていうのに。」
「久里朱、気持ちはありがたいぞ。だから、3人の動きを揃えるんだ。イチニ、イチニ。」
「「イチニ、イチニ。」」
桜子と久里朱も追随するが、練習すらしていないのに、うまくいくはずもなく、久里朱はバランスを崩した。
「うわあ。ぶつかるわ、栄知、よけてよ!」
「こんな態勢じゃ、無理だ!」
久里朱は栄知の背中にもたれかかり、ふたりは完全密着した。つまり、久里朱の貧乳が栄知の背中をそれなりに刺激した。
『ぷにゅ。』
表現に誤りがあった。軽度な心地よいマッサージである。
「うっ、久里朱のオッパイがお兄ちゃんズを覚醒させたぞ!」
『グググググググググ!』
未だかつてないような、躍動感に溢れるお兄ちゃんズは前方に光沢を放って、桜子にグサッとささったかのように見えた。
「お兄ちゃんズの興奮の血潮がサクラに伝わったよ!ぬおおお~、力がみなぎる!」
桜子は目を爛々と輝かせて、爆走した。瞬時に、瓜莉たちを抜いてゴールテープを切った。
「「あわわわ。」」
瓜莉たちは、あまりの衝撃に女の子座りでへしゃげていた。
「ま、まさか、負けてしまったよ~。」
「予想外ですわ、たいへんですわ、お仕置きがよだれを流して待ってますわ!」
瓜莉たちは、すっかり青ざめて、校舎に戻っていった。




