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閑話 残された者たち


『あああぁぁぁぁ~…』

聞こえるハズの無い叫び声が聞こえた気がして気になった私は周辺を確認しました。

そして、城の庭を確認したときに見慣れぬ小屋が立っていることに気付きました。

犯人が誰であるかもわかり、とりあえず余計な手間を御作り下さったアホの子であり敬愛する私の造物主様の元へ行こうとレーダーを起動しました。


「嘘っ!?

どうなっているのですか!?!?」



──pi! 対象をロスト──。


マスターの居場所がロストと出ているのです。

そんなはずはありません!

あり得ません!

この城の中に居る限りたとえ、孤島の海の底でも感知できるようになっているのですから!


はやる気持ちを抑えこみ、もう一度マスターの居場所を確認します。


──pi! 対象をロスト──

レーダーは無情に同じ結果を弾きだしてきました。



「一体何が?

マスターが確認出来ないなんて…!」


嫌な予感がした私は先ほどの小屋を確認に向かいました。

私が確認した方向からは何も変哲もないただの小屋だった物は反対側へ回ると壁は大破し天井も壊れていました。

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それを見た時、理解しました。


マスターは実験中に地上(した)へ落下したのだと。



私に搭載されている各種レーダーは、あくまでも外敵用でありマスターの状況は居場所はわかる程度のものでしかなく浮島や城に敵がいなかった現状で使われるのは定期的な調整の時だけ。


「なんてざまですか…

私はマスターの第一の機械玩具人形(ドール)なのに護衛であり助手でもあったのにこんなミスを…っ!!!」

自分への怒り、マスターがいない寂寥感(せきりょうかん)、現状を理解し修正しなければという焦り、いろんな感情が一度に押し寄せて来ておかしくなりそうだった。


「大丈夫かな?」

「マスターならきっと無事だぜ?」

近くへ来た双子も現状を理解し心配そうな顔をしながらも私を励ましてくれた。



「すいません。二人とも。

もう、大丈夫ですから。」


そうです。

こんなことで諦めることは無いのですよね。

マスターならなんやかんや言いながらここへ戻るための策を巡らそうとするはず。




「二人とも協力お願いしますね。

今から、出来る限りの方法を試しますから。」


「任せてほしいかな~。」

「任せろよ。」

二人はサムズアップして笑顔で答えてくれた。


「まずは転移陣を確認します。

使えるなら近くへ降りてそこから捜索を行いますから二人ともアクセサリーは着けましたか?


首輪、耳飾り、腕輪、指輪、足輪等種類がありますから好きなのを着けてください。


では、まず私から試します…。」

一歩、転移陣に踏み出したヒュビリスを淡い明かりが照らし出す。

転移陣は長い時間の眠りから覚めてその責務をまた果たそうと動き出した。


「なるほど…。

これは驚きましたね。

転移陣とは完全に私達の知識が通用しないブラックボックスだったのですか…。

どうりでマスターが触らないはずです。」

転移陣に入ったヒュビリスの頭にイメージが浮かび上がる。それはこの世界の大陸の地図であり、青く点滅する移動できる転移陣の点が各所に存在した。


──フォォォー…ン──


いざ、ヒュビリスが転移陣を使い移動しようとした時、エネルギーが抜けていくような音と共に陣の淡い明かりも消えて動かなくなった。

この城は住む物のエネルギーを使って維持を行っているが転移陣はその中でも一度の出力が大きく本来なら転移陣一つに付き十人分のエネルギーが必要だった。

無論、それはこの城にいる暮らしている四人が知る由もないことだったが…。


「やはり、ダメですか…。

仕方ありません。

別の方法を考えます。」

三人は一度工房へ赴き、使えそうな方法を模索することになった。

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