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8/21

管理人さん、地上へお出かけ《強制》

改編中2018.5.24

設定等変更中

 双子が加わったことで騒がしくも楽しい日常のある日。


 おれは新しい機械玩具人形の構想を練っていた。

「うーん…。

 今度は勝手に改造されないような外見にしたいなぁ。

 でも、性別変えたとしてもある程度不自然にならないように外見も変化しちゃうからな~…。

 工房のセキュリティ上げても扉を物理的に無くされたら意味ないし…。


 うわあぁぁ~…。

 さっぱり思いつかねぇ!


 こんな時は散歩でもして切り替えるかなぁ~」

 そんなこんなで大森林へと気分転換しに向かった。



 大森林の適当な木の上で動物を眺めていると不思議な光景を見つけた。ヤギに似た動物のグループがいたのだが一匹だけ仲間外れにされていたのである。

「確か、ああいう虐められた動物は一度群れから離してから戻しても同じ立場になるんだったよな。

 嫌なもん見たなぁ…。


 あれ?

 これって今のおれと状況同じじゃね!?


 …お、思い出せ!

 確かこういうケースの場合解決法があったはずだ!!

 

唸れ!

 おれの灰色の脳細胞!!

 あ、…脳みそねぇや。」

 などと一人でボケていると解決法を思い出した。


「あぁ!

 去勢だ!!

 確か、去勢されたオスと一緒に戻すと円滑にコミニケーションが取れて上手く行くと聞いた気がする!!


 去勢するしかない!!


 …だめだったっ!!

 そもそも息子付いてねぇ!!!」

 閃くことなくおれは一日無駄に考えて終わった。


 


二日ほど、大森林でディスカバリー的な動物観察を行い綺麗さっぱりと最初の『新しい人形(ドール)構成に悩む』という悩みを忘れたおれは別の事に興味が移っていた。


《竜もしくは龍》 

 人類の憧れであり、力や権力を司るシンボルにもされている存在だ。


「憧れるよな…

あぁぁー!

どっかに竜落ちてねぇかなぁぁ~!


……あっ

そうじゃん!

いないなら作ればいいじゃん!」

おれはこうして竜の構成に入った。


最初は完全な竜を作ろうとして場所が無いことに気付き、次に竜人型の人形(ドール)を作ろうとしていたがたまたまこっちに来たヒュビリスに「なんかありきたりですね…ぷっ。」と言われカチンと来て構成を見直した。


結果、生まれたのは竜人なりきりセット

名を《ドラグリーガー》

竜の強靭な尻尾と頭部の角代わりのアンテナが目立つ青い甲冑だ。

中世の甲冑と違い、当世具足のようにいくつものパーツに分かれるため着たり脱いだりに時間がかかるのがなんてんではあるけど中世の甲冑より当世具足のような方がかっこいいし!

無論、爪もちゃんと付いている。使わない時には腕と脛の部分に引っ込み使う時はカシュン!と飛び出すようにギミックを考えるのには苦労した。



構想が固まり最初は尻尾から造ることにした。

半日で尻尾の大まかな骨格と肉付けが終了したのでこのまま稼働実験に移ることにした!


──ブォン!──

おぉ!?

中々力強い音だ!

良い感じ!


──ブォン!ブォン!──

はっはっはっは!

これは俄然やる気出てきたし!

このまま徹夜で大まかな全体は作れそうだぜっ!



──ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!──

あ…あれ?

なんかさっきより激しくなってきてる…?


──ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!──


「うおぉぉぉぉぉぉっ!?

なんだっ!?

壊れたのか!?!?


と、止まんないぃーーーー!」


動かしすぎてどっかイカれたのか暴走したらしい。

尻尾は収拾のつかない消防車の高圧ホースのように縦横無尽に動き出した。


「や、ヤバい!

ここで暴れられるとあとでヒュビリスさんに怒られるっ!

止めないとっ!」

おれは戦慄した。

実は、ここはヒュビリスにどやされない様に野外である庭に作った急造の小屋なのだ。どうせ、あとで綺麗に撤収して証拠隠滅をしようと思っていたのだがそんな物を作ってあまつさえそれを粉々にぶっ壊したら…

完全に鬼が降臨するっ!

ヤバいっっ!!!!!!



 ここで一つの悲劇が生まれた。



──ドンッ──

「……あっ」



 話は変わるが、おれの体重は子供のそれと大して変わらない。

 それに引き換え、尻尾は特製の高密度人工筋肉と固い金属骨格で出来ている。

その二つがぶつかった時、何が起きるかそれは太陽をみるよりも明らかな事だった。




 結論として、おれは野球ボールよろしく青空へ舞った。




 そして、打ち上げられたということは当然重力に従い地面へ落ちていくわけである。


「あああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーー!

 落ち、落ちぃぃぃー!!

 落ちるぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?」


 運の悪いというのは続くもので急造の小屋の壁はもろくほとんど抵抗無いまま、打ち上げられたおれは重力の赴くまま、雲の平原を突き破って地上へと落下した。


「あああぁぁぁぁ~…」


 間抜けな叫びがドップラー効果を引きながらおれはパラシュート無しスカイダイビングへ突入していった。

読んでくれてありがとうございます<(_ _)>

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