閑話 管理人さん、遊戯の部屋を作る
改編中2018.5.24
設定等変更中
「ここ最近、常に思うんだ。
ここには大抵の部屋があるのに遊ぶための部屋が無いのは何故なのか…?
とまぁ、知的っぽく言ってみたりするんだけど、ぶっちゃけ遊ぶ部屋欲しいんだぁ!
ゲームしたい!
マンガ読みたいぃ!!」
今日は四人で集まって新しい部屋を作らないかと相談していた。
「はぁ、別によろしいのでは?
この城は掃除しなくてもそもそも汚れませんから私への負担はまったくないですし。」
ヒュビリスさんは全く興味ないようだ。
てか、目線すらこっちを向かないって相変わらずかっ!
「遊び?
大食い競争??」
「遊び?
料理対決??」
双子は安定の食欲思考。
おれたちってそもそも食べなくていいんだけどな…
双子の消費量が半端なくてほぼ毎日孤島へ魚を捕りに行ったり大森林で狩りしてんだけど…。本人たちが。
「なんで、対決?
確かに遊びは勝負事でもあるけどさ。
そうじゃなくて、もっとあるじゃん!!
トランプとか人生ゲームとか!
和気藹々と楽しめるものが!」
おれがカーストで最底辺なのはきっと、お互いに分かり合えてないからおれの見えざる魅力に気づいてないだけなんだ!
これで楽しく遊べばおれの扱いも上昇する気がする。
そうすれば、邪魔だったという理由で床に正座させれたりお風呂に先に入ってたという理由で水風呂に沈められることはなくなるだろう! ……なくなるよね?
あ、なんか思い出したら目の前が滲んできた…
そんなわけで、お部屋を作ります。
まずはお城の中枢に行きます。
中枢と自分をリンクさせます。
作りたい部屋のイメージを中枢に送ります。
はい! 完成!!
というわけで完成した遊戯室です。
「ビリヤードやボウリングから卓球やバスケまでありとあらゆる球技を行える球技室とトランプやチェスのようなテーブルゲームが出来る部屋にあとは多目的用の三部屋構造にしてある」
おれは胸を張り、三人に誇るように説明をしていく。
「「「へぇ~」」」
明らかにどうでもよいという反応を返してくる三人。
「なんでそんなどうでもよさげっ!?」
「元々、興味ありませんから」
「大食い競争違うかな。」
「料理対決にしようぜ?」
明らかに自分が期待した施設が無くて落胆した双子。
いや、どっちも食堂でできるじゃん!
「いやでも、ほら…
バスケとか楽しいよ!
ちょうど、偶数だから綺麗に分けられるし勝ったら望みの部屋つくるから!」
「さぁ、私の身体能力をお見せしましょう!!」
「ご飯がボクを呼んでいるかなっ!」
「ボクの包丁が疼いてんだ!」
「ちょ、なんで包丁持ち出してんだ!?
ベル! お茶碗を振りかぶるな!
そしてなんで三対一!?!?
ここは公平に別れろよ!!」
「勝ったらなのでしょう?
ならば、マスターと同じチームでは勝つこと出来ないではないですか。
というわけで、行きますよ!!
レフェルは包丁でマスターを妨害を!
ベルはお茶碗でマスターの目を潰してください!
その間に私がゴールを決めますので。」
三人は何十年も一緒にいたような絶妙なコンビネーションを繰り出し、おれの妨害に全力を注いでゲームは無慈悲なほどあっけなく終わった。
おれはそれでもと必死にボールを追いかけたが、ケツの割れ目に包丁が挟まって後頭部にはお茶碗の追撃を浴び地面に沈められた。
無意識に手を伸ばしたおれの目に映ったのはニタリと笑いながらゴールへとボールを叩き込んだヒュビリスさんの素敵な嘲笑だった。
「さて、私たちが勝ちましたので部屋はお願いしますね。」
悪の根源はおれを見下ろしてそう言った。
「こんなのバスケじゃねえぇぇぇぇーーー!!!!」
一人残ったおれの心の叫びは反響し寂しく消えた。
こうして遊戯室は封印され、おれは三人にそれぞれご所望の部屋を作る羽目になった。もう二度とこいつらとゲームはしないと誓いながら…
読んでくれてありがとうございます<(_ _)>