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管理人さん、裏切りに気づく

2018.5改編中

内容と設定の変更中

 食堂に着いたおれはその光景に唖然としてしまっていた。

 だって、ピンク髪の半裸の女の子がふたりで料理してんだもん。

 驚くしかないよね!?

 おれの作ったドール何処っ!?!?



「ヒュビリスさん、ヒュビリスさん。

 なんかおれのデザインしたはずのドールじゃなくて全然知らない子がいるんだけど?

 あれ?

 もしかして、女の子に見せかけた男の子?

 巷で噂の男の娘?

いやぁ~、すごいね。」


「いえ、正真正銘女の子です。

 私が設定を弄りましたから!

 良いですね~!

 妹最高ですねぇ~!」

 ヒュビリスさんがドヤ顔で宣言しおれを見下すように嘲笑し、妹達を見て蕩けた顔をしていらした。

お巡りさん、コイツが変態だと思います


「裏切られたぁぁぁ!?!?

 おれ、まさかの助手に裏切られたの!?

 なんで、また女の子増やすんだよー!

 おれの肩身がまた狭くなったじゃんか!」

 落ち込みながら反論するもすでに遅くおれの肩身は狭まりヒュビリス派の支配が強まった。


「「完成!」」

 おれが反論している間にも料理は続き、彼女たちも一段落したらしい。

 テーブルには所狭しと様々な料理が湯気を立てており食の桃源郷もかくやという感じだ。

洋食中華和食と色んな料理が並べられその種類もさることながらなにより驚いたのは量だ…。

カツ丼らしき丼はご飯が盛に盛られて蓋が申し訳なさそうに一番上にちょこんと乗っているし炒飯なんて鍋に盛られている。



「「いただきます。」」

 そして、おれ達をガン無視で食事に没頭し始めた。


「あ、ちょっと話を聞いぃ!?」


──ビイィィィィン!!!──

おれが話かけると同時にフォークが後ろの壁に刺さっていた。風圧で髪がふわっとなるような至近距離で頬をかすめながら……。

 

これはそっと下がって待つしかない!

 これ完全に獣の食事だよ!

昔飼ってた犬の食事をちょっと邪魔したら『グウウウウ!!!』って聞いたことない声で威嚇された時と同じ感じだ! 

こっちを見ている目は光が消えて瞳孔が開きっぱなしになってるし!!

 



「「ゴチでした…。」」

 軽く数十人分はあった料理は汁一滴残さず見る間に双子に食されて消えた。


「あの…。

 お、お話よろしいですか!?」

恐る恐るおれは接触を試みた。

まるで原住民に接触する探検家のように!



「マスター、ボクらは名前が欲しいかな。」

「マスター、変な名前にしたら怒るぞ?」

 双子は拒否は許さないとばかりに無表情な目をこちらに向けている。


「保留で!!」

 焦ったおれは問題を先送りにした。


マスター(へたれ)が…

 さっさと私のかわいい妹達に良い名を送りやがれですよ。」

 安定のヒュビリスさんは妹にゾッコンらしい。

 さっきからにやけ顔を双子に送るくせにこっちを一度も向いてくれない。




 次の日。

 徹夜で考えた名前候補を三人の評価者の前で挙げていく。

 正直、緊張で吐きそうなんだけど…。

 うっぷ…なんか内臓的な器官が出てきそう。

あ、内臓無いんだった!


「メテル、ヘス、ティアレス、エスニア、ダキア、ベル、レフェル…思いつかない。」


「さて、かわいい妹達どうしますか?

 良いのが無いなら名前製造機にもう一回考えさせますが。」


「どうするかな?」

「どうするんだ?」

 双子は真剣に話し合いを重ねていく。


「「決まった!」」

 どうやら、お気に召したものがあったらしい。

 というか、ついにあの裏切りメイドさんがおれを機械呼ばわりし始めた。ちくせう。


「ボクがベルかな~」

「ボクはレフェルだ」

 うん。まったく見分けつかんわ!

 まるっきり同じ容姿に魂も元は同じだからおれですらわからない。

というか頑張って無視してたけどなんで関西系の方言と九州の方言なの?

おれ別にどっちも住んだことないし方言なんてわかんないよ!?


「なるほど…。

 右側の負けず嫌いな感じなのがベル。

 そして、眠そうなのがレフェルですね?」

ヒュビリスは満足そうに頷き、完璧に見分けているらしい…


「う、うん。よく見ると些細な違いがあるよね!」

 な…なんだと!?

…そんなばかな!

造物主のおれですら全く分からないのにいったいどういう構造してんだ!?

 見分けがつくのか!?!?!?

 だめだ。間近で見てもわかんない!!


「ヒュビリス。

 双子に服を着せるとき、一応見分けつくように色違いにしといてね。」


「……マスター?

 もしや、見分けがつかないとか言いませんよね?」

 楽しそうに三人で談笑してたのに首だけグリンとこちらに向けて真顔で言うのは怖いから辞めてほしい!


「はっはっはっは!

 あ、もうこんな時間だ!

 新しいドールの構想を練らなければ!!」

 とりあえず、ボロが出る前に工房へとエスケープをはかる。




「まったく、どうしようもないマスターですね…ハァ。」

「マスターダメの子かな?」

「マスタ-も頑張っただろ?」


「まぁ、あれは後で握りつぶすとして、二人とも衣類にこだわりはありますか?

 自分でいうのもなんですがこれでも私のメイド服は自作ですから二人の要望があるなら最大限取り入れますよ?」


「「ブタさん!!」」


「ぶ、ぶたさん?

 ブタってあのピンク色の家畜ですか?

 まぁ、良いというならデザインとして取り入れますけど、なぜブタなんです?」



「「わからん! 

 でも、ブタさんに惹かれる!!」

 双子は興奮したように身振り手振りを交えて魅力を伝えようとしている。



 こうして、第二の機械玩具人形(ドール)たる双子ベルとレフェルが加わった。

読んでくれてありがとうございます<(_ _)>

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