管理人さん、劣勢につき新しい友達を作ろうと決意する
改編中2018.5.20
「(おはようございます。みなさん…。
おれは現在、城の一室にて潜伏しております。
ちなみに、潜伏二日目にございます。)」
なぜかそんなことしてるかと言うと…
これにはとてつもなく長い訳があるんです!
《回想》
あれはそう、ほんの数日前の朝のことだった気がするけどぶっちゃけ時間の概念が薄いから何時の事かと言われると正確にはわからない……。
彼女が目覚めて一週間ほどたった頃、ふと彼女が言いました。
「マスター?
目覚めたときにお約束いただいた私の名前はどうなったのですか?」と…。
彼女が目覚めた後、おれは「名前を考えるからとりあえずは現状維持で」と彼女に伝えそのまま完全に記憶の片隅にすら残らないレベルで忘れていた。
そして問われた時、不覚にも『やべぇ! 忘れてた!!』という感じの顔をしてしまい
それを見た彼女は口元だけニタァ~と笑みの形になりつつ俯き気味のままユラユラと近づいてきた。
無論、おれは本能に従い回れ右をして全力でランニングに出かけましたとも!
いやね?
全然怖いとかじゃないんだわこれが。
ただね、ものすごくランニングしたいなぁ~って思っただけなんです。
回想おわり。
と、まぁこんな感じで潜伏しています。
ちなみにすでに10回見つかり、4回ナイフと炎の被害を受けております。
ぶっちゃけると全身黒こげでナイフの傷が満載でございます!
不味った…
おれと同じくらい性能を上げたせいで逆におれが傷つくとは…!
これは避けられない現象だな。うん。
決して、おれの身体能力がお子様なわけではない!
──ギイィ~。──
はっ!?
奴が来た!?!?
「マスター。
み~つけたぁ~。」
「ひ、ひいぃぃぃー!」
「では、問います。
私の名前なんですか??」
ナイフを首元に当てつつ抑揚のない顔と声で問われる。
「あ、いえ、そのぉ~。
あのですね…
あ!!
そうだ!
『ヒュビリス』!
お前の名前はヒュビリス!!」
とっさに浮かんだ名前を叫んでみたがなんとか助命嘆願にならんかしら。
「…ヒュビリス。
良い名前をありがとうございます
マスター。」
ヒュビリスは満足な名前だったのか深々とお辞儀をして出て行った。
「うわぁ~…。
まじ怖ぇ~。
怖すぎて胃袋とかこう《ぶりゅん!》って出るかと思ったよ…。
あ、よく考えたらまだ胃袋付けてなかった!」
「マスター。
夕飯は豪勢に行きますので。」
ひょっこりと顔だけ覗かせたヒュビリスはそう伝えるとまた戻っていった。
このとき、おれは思った。
次に作る機械玩具人形ドールは男の体でおとなしい感じのにしようと…!
フェレットと同じなんだよな多分。
アイツらメスはものすごく好奇心旺盛でいつのまにかゲージ抜けて廊下に居たりするから焦るんだよ。
踏みそうになったこともあるし!
夕飯になり、どうやら大森林で狩りをしたらしいヒュビリスはほんとに満漢全席並みの料理を出してきた。
これ、全部入るかな…。
味覚はあるけど、今は胃袋じゃなくて小型圧縮炉しか体内にないんだよね。
下手に生体部品を組み込むと後で内臓腐ったりしそうな気がしたから外部摂取に繋がる胃袋や腸はまだ付けずに燃料を燃やしてエネルギーとする方式にしてたりする。
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食べましたよ!
ちょっと、食べることがトラウマになりそうな気がしないでもないけど…。
さて、このままだとヒュビリスにいいようにされる未来しか見えないので新しい機械玩具人形ドールを作ることにしました!!
今回のコンセプトは食べること!
今後、万が一にも今回を超える量を食わされたらおれの繊細な心はきっと折れる!!
だから無限に食えるドールの制作が急務である!!!
あと、ヒュビリスはちょいちょい熱を冷ますフリしながらフーフーと毒霧噴射してきたから無機物有機物全て食せる機能を追加する必要がある。
素体は双子だ。
お互いに内部の一部を繋げて相手の食べたものを理解できるようにして二人分の口があるわけだから食べる量も単純に二倍だし。
胃袋の代わりに亜空間へ繋がるようにすればいくらでも食べれるだろ。
ノリと勢いで両掌に普段は使わない口をつけておこう!
今度はどんな動物の魂を追加するべきか…。
おれのだけじゃとても賄いきれないし、かと言ってまったく使わないと体との結びつきがうまくいかずに自我の無い本当の人形になちゃうしなぁ~。
ここは穏やかな生物の魂を使うべきだな…
ヒュビリスはライオンみたいないかにもな肉食動物みたいなの使ったのが悪かったはずだ!
本来は意識や特性のない純粋で真っ白な魂のはずなんだけど…
ここは豚さんぽい動物を探すかな。
豚さん、生命力が強いし綺麗好きだし知能的には犬を超えてるしなにより暴力的なイメージが無くて穏やかだし
…穏やかだし!《※すごく重要な項目なための二回!》
よし、あらかた決まったから難しい内部を作るか!
今回は拡張し続ける亜空間を作ってそこに常時繋がる扉を作る…っと。
後はベースの身体は今までの技術を流用してそれなりに強ければ問題なさそうだな。
あとは、膂力なんかを数倍にしときつつネタ機能の掌の口を付ければ内部は完了!
読んでくれてありがとうございます