管理人さん、寂しくて友達作った
彼女が目覚めた!
ようやく、言葉を交わせる存在が出来た!
彼女の外見は10代後半で標準的な体形をしており、髪は黒く肩甲骨位の長さである。
瞳は設計では黒のはずが目覚めた彼女の瞳は何故か紅かった。
冷たい美人をコンセプトにしており、整った鼻筋と涼やかな目元は多くの異性を惹きつけることだろう。
そんなことよりあ、あいさつしないと!
「おおお、おはんよ!」
…噛んだ。
あと、緊張と興奮で気持ち悪くなってきた……。
もう帰って不貞寝しよかな…
「GA…GI……が
……あーあー。
おはようございます。
造物主様。
ところで、造物主様は幼気な女の子を裸にして台に寝かせて視姦する変態さんですか?
もし違うというならば早急に衣類を私に献上してください。」
起きて一発目がこんな蔑みとジト目だった。
「は、はい!
すいません!!
今、持ってきます!」
答えると同時におれはその辺にあった布をかき集め献上しに行った。
あれ?
造物主様とか言いながら完全に立場逆じゃね??
「早く、持ってきなさい!
変態がっ!!」
さらに見下された!?
なんでっ!?!?
「まったく、衣類一枚持ってくるのにこんなに時間がかかるとは…
私の造物主様はどうしようもなく造物主様ですね。」
自分の魂を分けたらこんなとんでもない毒吐きな娘さんが出来上がってしまった…。
補足すると、おれは魂や意識を人形体に定着させてるだけなためにわりと頻繁にぽろっと魂と体が離れることがある。
これを応用したら魂と記憶を分けた分身みたいに出来るんじゃないかと思い試してみたらあっさりと成功した。
そこで調子に乗ったおれは死んだライオンのような動物の魂も補完のためにぶち込んだ。
その魂は自我もなく真っ白な状態だったためにイケる!と高を括ったが、とんでもない反応を起こしてしまったらしい。
「造物主様?
私をほったらかしてブツブツとつぶやいて、正直とてもキモ…
おっと、失礼しました。
果てしなく気持ち悪いですよ?」
「なんで言い直したの!?
キモいでもキツイのに果てしなくとか際限ないレベルで貶されたし!
どうして、こんな性格の子になっちゃったの……。」
「何を言っているのですか?
……クソ虫。
コホン!
造物主様が毒を吐けるようにお造りになられたのではないですか。」
「クソ虫って言った!?
今、クソ虫って言ったよね!?
おれが組み込んだのは物理的な毒だから!
だれも精神的な毒なんて組み込んでないよ!?」
「少々、声が大きいです。
造物主様。
私は貴方の創造物なのですから貴方を貶めることだなんて無いですよ。」
「今おもっきりやってたじゃん!」
「あれは造物主様の緊張を和らげるための演技にございますクソ。
とても、緊張されていましたので少しばかり小粋な冗談を飛ばしただけでございますムシ。」
「おいィー!
語尾を足したらクソ虫じゃん!!
これは擦り込み効果なのか!?!?
くっ……このままだとおれの無意識下に擦り込まれてしまう!
てか、話が進まない!!」
そんなやりとりを数十分繰り返しようやく彼女は気が済んだらしい。
皮膚は人工皮膚だがやけにつやつやしているように見えた…。