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管理人さん、お約束との遭遇

 

「へっへっへ。

 悪いなぁ~

 ここからは有り金全部と女置いてかないと通れないんだわ」

 くっそぉ~!

 せっかく、新人がベテランを一撃撃破系フラグを回避したのによりにもよってチンピラに絡まれるフラグが立ちやがった!

 しかもこいつ等五人の内二人があの場にいた奴じゃないか。


「おいおい。

 もしかしてブルってんのか~?

 ぎゃっはっはっは!

 オチビちゃんは優しい優しい商人さんが買ってくれるから大丈夫でちゅよ~。」

 あ?

 こいつ今おれのことチビって言ったか?


「よろしい…

 ちょっとお灸を据えてやろう!

 ヒュビリスさん達がな!!」

 あれ?

 なんか外した?

 すごく寒い空気になったんだが…


「後ろのお姉さん方苦労してんな…。

 まさか、女たちに戦わせて自分は避難とかさすがに無いわ。

 せめて、戦うポーズ位は取れよ!

 女にやらせて自分は汚れないとかどこの貴族様だ!?」


「ディスられたっ!?

 場末のチンピラに言われたくねぇよ!

 お前らだって徒党組んで庶民脅してんじゃん!!」

 理不尽な罵りに言い返さずにはいられなかった…。


「ばっか!

 おれ達はスラム人だから良いんだよ!」

 謎の理論を持ち出されても困るんだが。


「よし!

 こうしよう!

 おれ達はにお前らに飯を奢る。

 代わりにお前らは今後邪魔しない!

 どうだ!

 ちなみにダメだったらもう物理的に手も足も出せない状態になってもらう!」


「な、なんて理不尽なチビなんだ!?

 暴力に訴えるなんて最低だぞ!!」


「だあぁぁぁー!

 もうめんどくせぇぇぇーー!!

 ヒュビリス、ヘルマ!

 殴れ!」

 もう、こいつらのノリについていけない!

 めんどくさいから物理的な御話をしよう。

 結果。

 チンピラとは会話せずに殴りましょう。

 おれは今日、一つ賢くなった!

 チンピラとは肉体言語で会話しないといけないなんて知らなかったよ。



 ちなみに、この日さらに二件のチンピラに絡まれた。

 おれ達ってそんなに絡みやすそうな顔ぶれなのかな?

 子供(おれ)性別不明(ヘルマ)女中(ヒュビリス)…。

 あ、うん。 めっちゃ襲いやすそうなメンバーだったわ。

 次からは武器の一つも持ってこようっと!


 そんなこんなで酒屋さんを探しているとお酒の樽を搬入してるお店を見つけたので覗いていくことにした。

「こんにちは~。」

 挨拶しただけなのに筋骨隆々の白髭の爺さんは目付きだけで人を殺せそうな視線を向けている。

 ここは逃げ出すべきかっ!?


「うちは庶民向けの酒しか置いてない。

 富裕層の子供はさっさと安全なところへ帰れ。」

 この爺さん、外見怖いけど言ってることって、『ここにはきっとお前さんが探しているようなものはないだろう。 変な奴に目を付けられる前に避難しなさい。』ってことだよね?

 ジジイのツンデレは流石に需要絶対にないだろうな…


「ここは酒屋さんですか?

 もし、そうなら少し相談に乗ってもらえますでしょうか?

 お金ならちゃんとお支払いしますので。」

 ダメで元々だしキチンと頼んでみよう。



 ……。

 なぜ何にも返してくれないんだろう?


「ふん。

 入りな。」

 ぶっきらぼうに言いながら扉をさりげなく抑えておいてくれる些細な優しさを見せるんじゃないよ!

 ちょっと、人間味に惚れそうだろ!?


「それで?

 何をしてほしいんだ?

 ここは見てのとおりオンボロな場末の酒屋だ。

 碌なことは出来んぞ。」

 ジジイはそう言ってもちゃんとジュースを人数分くれた。

 優しすぎるだろ!?!?


「実はお酒が欲しいのと自家製のミードの評価をしてほしいんです。

 今度、高貴な人が家に来るんですけど家はお酒を全く飲まないのでそういう知識が無くて困ってたんですよ。」

 おれは話しながらリュックからミードを取り出す。

 本来は酵母を作る過程で出来た副産物なんだけどね。

 蜂蜜とフルーツの酵母を作ってた時にフルーツを入れ忘れて気づいたら別ものに変容してた。


「む?

 ずいぶん香りがいいな?

 では…


 小僧。

 これは本当にミードなのか!?

 こんなにまろやかで香りの良いミードなんぞ知らんぞっ!?

 一体何を入れたらこんなに旨い酒になるんだ?


 う…?

 なんだ?

 なんだか体が暖かくなってきたぞ!?」

 爺さんは驚きながらも手元のミードを一気に飲み干していた。


「なにをって言われても…

 家で採れた蜂蜜でしょ?

 後は、香りづけに果物の搾り汁と少量の薬草だけだよ?」

 ごく一般的な材料しか入れてないけどそんなに普通のは不味いのかな??

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