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閑話 妖精さん現る

「おい、聞いたか?

 また例のアレが出たんだってよ」


「アレってもしかして閃きを授ける妖精ってやつか?

 ここ最近聞くけど本当にいるのか??」


 ここは研究所にある食堂。

 現在、研究所ではある噂が広まっていた。

 曰く、机からほんの少し目を離したら机上にメモがありそこには煮詰まってた研究のヒントが拙い字で書かれていた。

 曰く、何度試しても成功しない実験中に強風が吹き棚にあったはずの薬剤が容器落ち実験が成功した。


 誰が言い出したかわからないが何時の頃からか妖精がいて困ってる人を助けるという噂が広まっていた。



 まぁ、妖精=管理人さんなんだけどね!

 真面目にやってるけど中々とっかかりが掴めない人を気まぐれに助けてたら何時の間にか妖精説が生まれてたわけだ。

 人じゃないとことか似てるし害はないからほっとこう。




 研究所にいる理由はカナメさん付けたある護衛の確認とちょっと暇だったからちょいちょい来てたらこんなんなってたんだよね。

 最初に助けた爺さん研究員の時にちょっと調子に乗ったからなぁ~。




 《ある研究員Aの場合》

 ワシは焦っていた。

 少し前にあった発表会は若手が全く新しい内容を出してきてその確認の過程で別の発見が出てと良いサイクルが生まれ、ワシもその波に乗りたいと昔やった研究を引っ張り出したのだが、やはり証明されたものはこれ以上追究出来なんだ。

 そう思って椅子に座り、論文を机に放りだした時にカサッという音が聞こえてきて虫でも這っているのかと机に目を戻すと知らないメモが論文の上にちょこんと置かれていた。

 ワシが追究しようとした論文は効率的な農業についてであり論文は作物の成長を早められるかどうかというものであったが、環境を変えてもほとんど変化は無くせいぜいが環境に合わないものは成長が遅れるとか育たない程度のものしかわからなかった。

 メモにはこう記されていた。

『さくもつをそだてたいなら、みみずとごみをあたえてみて

 あとは、かいがらをくだいたのもいいかも』


 拙い字で書かれており一目で子供の字だとわかったが、ここには子供の研究員はいないはずだ。

 発表の時、女性研究員のそばに目立つ銀髪の子がおったが今この部屋には誰も入っていない。

 この時のワシは疲れていたのもあり普段なら無視するようなメモに従ってみた。

 これでなにか変わるかわからんが煮詰まってしまったのだから試せることは試すことにしたのだ。


 三日過ぎ、一週間過ぎてミミズとゴミを与えたものとそうでないものの育成度は一目でわかるほどだった。

 これをさらに実験を重ねて成長を助けるものを完成させることが出来たワシはこのことを仲間に喋ったところ、同じようなメモを受けとった者が多くいた。

 不思議なことに受け取った者はみんな熱心に研究を重ねたり成果は出せなくとも腐らずに取り組んでいた者だけがメモを受け取っていることに気付いたのだ。

 そこから話が広がり、妖精が助けてくれるという噂となった。

 今となっては、ほんとに妖精のような者が助けてくれたのだと思っている。


 さぁ、また別の研究を始めないとならんな!

 願わくばまた妖精のような奇跡と巡り合いたいものだ

そろぼち、ストック無くなるから更新遅れます。

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