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管理人さん、目覚めた

やぁ、みんな

管理人さんだよ。

管理人さん、今知らない女の人に管理されてるんだ。


おれが城から落ちて、どれだけ時間がたったかわからないけど、これはよろしくない流れだと自信を持って言えそうだ。

「ふぅ、知らない天井だ…。

天井というか顔だ。」

おれがそう答えると同時におれをのぞき込んでいた人物が驚き、後ろに下がろうとして瓶を踏んづけて転倒して後頭部を強打し転んだ衝撃で机の上に山となっていた紙の束に埋まった。


「にぎゃっ!?

イタタ…うわっぷ!?」

謎の女性は紙の山に埋まり足をじたばたさせている。


「あっ。

止まった。」

体力が無いのかそれも疲れるから暴れるのをやめて救助を待つのか知らないけど動かなくなった。



「すごい三段オチだった。

ここまで芸術的な転び方は見たことないや。」

拍手しようとすると左腕の肘から先が無かった。

落下の衝撃で取れてしまったようだがむしろ、高高度から落ちてこれで済んでることは喜ぶべきなんだろうか?


「お姉さん、そろそろ起き上がんないと下着丸見えだよ?

色気なさ過ぎてつまんないから見ないけど…」


「ぬぅわんですってぇぇー!?」

おぉ、般若みたいな顔になった。

くそ怖いです…。


紆余曲折あって事情を聞くことに成功した。

代償はおれの頭部にぶつけられた飲みかけのジュースや黒カビの繁殖したパンみたいな物体Xだ。


話によればどうやら、おれは少なく見積もっても数か月は地上にいるようだ。

金髪クソ野郎はおれだけでは降りれないとか言ってたがどうにもこの体である場合は当てはまらないらしいな。

…こんなことならもっと早く試すべきだったぁぁー!!



ここはゼルム大陸の南部にあるファルゴ王国というそうだが、おれには全くその辺の知識が無いからさっぱり理解できない!

「…ラプント!?

それってあのラプントっ!?!?」

この唾を飛ばしながら興奮している地味美人さんはおれを買い取ったファルゴ王立研究所の研究員カナメさんだ。

茶髪のおさげでソバカスがチャーミングなのに今はちょっと相手をしたくないレベルで興奮してる。

あ、なんかイヒヒとか笑いながらメモしてる! キモい!!


「失礼。

まさか、伝説の国名を聞くとは思わなかったので取り乱しちゃったわ。」


「伝説?

何のことです?」


「ラプントは、ある日突然城と住んでいた全ての人が消えたとされている伝説の公国なんです。

文明崩壊期と言われた世界を巻き込んだ戦争時に実在したとされていて、突然音信不通となったため友好国の使者が確認に向かったところ…城は更地となっており公国に住んでいたハズの人達も誰一人残っていなかったそうです。

民家には食料と水が残されていて、テーブルには食事が盛られた皿が置かれてありまるで人だけが煙のように消滅したようだと記録がありました。

これだけだと、他の国に滅ぼされたとしてもおかしくない証言かもしれませんが争った跡も血液もなにもなかったそうです。

やがて、公国は悪魔と契約して全てを失ったという噂が流れ歴史の波に消えていきました。

その奇妙な最後だけが人の記憶に残ったまま…。」

話を聞くとどうやら、空へ飛んだ後は地上と交流してなかったみたいだな。

転移陣もあったのによくわからん…。



とりあえず、おれはここから出れなさそうだしゆっくりするかな~。

ちょっと知識チートで混乱起こせばそのスキに逃げるのは容易そうだし、話を聞く限りは文明度は低く身分制度が絶対的なようだから気をつけよう…

貴族になんかしてさらに強固なところへ監禁されたら困る。





研究所で缶詰にされること五日目。

いい加減飽きたので、逃げる算段を起てているとカナメさんが泣きながら部屋に入ってきた。

どうしたのかと話を聞くと、せっかくまとめた研究記録を同僚に奪われてこのままでは好きでもない上司に体を差し出さねばやっていけないそうだ。

どうも、上司は各所にコネがありそれを使われるとどこにも居場所がなくなるレベルらしい。

国管轄のくせに清々しいゴミがいるなんて低文明は怖いな。


「こんな地味美人を好き放題だとっ!?!?

な、なんてうらやま…ウエッホン!

卑劣な奴だ!!

許せない!

おれなんて黒髪メイドに蔑まれて双子には食べ物を貢がないと反応すらされないのにぃぃ!!!!」

おれの中の正義の心(下心)が爆発した。

話を聞くと既存の炎を操る魔法の威力を上げる研究をしていたそうだ。

その過程で古代遺物だと思われてたおれを買ったのだから縁とはほんと奇妙なものだ。

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