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閑話 村の大事件

現在、改編中2018.5.25



ワシはディト村の村長デラーク。

ディト村はハイデラント王国の山に囲まれた盆地にある寒村らしい。昔、ガキの時分に行商に来ていた商人がそう言っていたのをよぉく覚えておる。




その日、ワシらの村は三年に一度の祭りの為に集会所としても使われる我が家にみんな集まっておった。子供は踊りの練習のために集まり、大人は祭りの飾りつけや料理の仕込みのためにそれぞれが集まりワイワイガヤガヤと楽しくやっておった。



「おぎゃー!おぎゃー!」

「あらあら、ご飯かしら?」

一番最近、子を産んだメアリ婆さんのとこの孫娘トネルが泣きだし、ワシらにとってもかわいがっている子供の泣き声に皆が子を構いだして一時作業が中断され、笑い声が響く穏やかな空間。



──ドオオォォォォォォォォォン!!!!──


それをぶち壊すように轟音が鳴り響いた。


「何事じゃ!?」

「なんだっ!?」

大人たちは慌てふためき


「怖いよぉー!」

「おかあさーん!!」

子供たちは親の元へ一目散に逃げ込んできた。



「みな、落ち着け!

ワシらが外を確認する。

盗賊など来てもこんな村じゃ略奪なんぞしないだろうが可能性があるから女衆と子供は奥の倉庫へ行け。

あそこなら頑丈じゃからそうそう壊せん。」

他の者へ指示を出しワシと数人の男が恐る恐る外を覗く。


「…ボソボソ(どうじゃ? 

見えたか?)」


「…ヒソヒソ(ダメだ。 

ここからじゃ特に変わったように見えないし盗賊なんかも見えない。)」


こっそりと外を伺うが特に怪しい者も何か起きたようにも見えない。


「仕方ない。

皆で武器を持ってゆくぞ。」

ワシらは各々鎌や鍬(中には鍋を持った者もおるが)を持ちゆっくりと玄関のドアを開けた。



「どうじゃ?」

外へ一歩出たが特に変わったモノはおらんかった。


「村長…。

おりゃぁ、夢でも見てんのか…?」

少し震えながら一緒に外へ出た男衆の一人が話しかけてきた。


「どうした?

なにかおったのか!?」

話しかけても虚ろな顔をしており要領を得ない。



青い顔しながらも指を差した先はソイツの家の方じゃった。

訝しながらも向かったワシの眼に映ったのは残骸。

家二軒いや、三軒分の残骸じゃろうか…。

ワシのおったところからはちょうど他の家があって見えなかったが近づいてようやくわかった。



真ん中の家に何かが落ちたのか一番酷く壊れており、ぽっかりと空間だけが空いて家だった部分はほぼ無くなっておる。両隣は真ん中の家に接している方の壁や天井が吹き飛び家の中はごちゃごちゃになっておった。


「な、な、な、なんじゃあぁぁこりゃあぁぁぁぁぁ!?!?!?」

人生で一番声が出たんじゃなかろうか?

ワシの声を聞いた村の者達も急いで集まってきた。



「おい、村ちょ…っ!

な、なんだよこれ!?」

家の持ち主の男達は呆然と座り込んでしまった。

無理もないの。まさか、数時間前まで在った家がボロボロの廃墟になっているなんてお天道様でも思うまい…。

彼らは家が治るまでワシの家に居てもらう他ないのぉ。




「村長!

これ見てくれ!」

真ん中の家を見に行った村の衆がワシを呼んでいる。


「どうしたのじゃ?

何かあったのか?」


「見てくれ。

この穴の奥の方を」

促された穴の奥には子供が半身を土に埋めて倒れておった。


「た、大変じゃ!

急いで助けねばっ!!」


「おいっ!?

村長おちつけ!

結構深いんだから転ぶだろっ!

ひと月前に段差で転んで腰打ったの忘れたのかよ!?」

ワシが穴へ飛び込もうとしているとワシに付いてきた男衆が必死にワシを押しとどめた。


「落ち着けよ村長。

もし、人ならもう生きてるわけないだろ!


おれが下りて調べるからじっとしててくれ。」




その後、調べに降りた者が重そうに子供を引きずって戻ってきた。


「これ、生き物じゃねぇぞ?

見ろよこれ。」

そう言って渡されたのは肘から先の左腕だった。


「ひいぃ!?

なんちゅう外道な事を!?」


「いや、落ちた時に折れたみたいだ。

さっきは土に埋まってて見えなかったけどな。

それよりその腕の断面見てくれよ。」


そう言われたワシが持っていた左腕を確認するとそこには血も肉も無かった。

代わりに詰まっていたのは丸くてギザギザの金属のような物と金属で出来た紐のような物を束ねた物であった。



「なんじゃこれは??

ワシはこんなの見たことないぞ?」


「おれはこれに似た物見たことあったんだ。


おれが一時期王都に買い物に出てたのは知ってるだろ?

その時、たまたま何かの行進を見たんだ。

行列の最後尾にこの丸くてギザギザしたやつとかが出てた壊れた鎧みたいなのが引かれていて周りの奴に聞いたら『古代遺跡から出た人形だ』って教えられた。

たぶん、これも同じだと思う…

おれの見たのはもっと大きくて重そうな感じだったけどコイツはずいぶん人に似ている。身体も柔らかいし髪も本物みたいだ。」


「なるほどのぉ~。

だとしたら領主様に連絡じゃな。

とりあえず持ち上げて倉庫に置いておくかの。

すぐに来てくれるじゃろ。



……しかし、人形だとしてもコイツは何処から来たんだじゃろうか?

空には大地なんぞあるわけないし…。

読んでくれてありがとうございます<(_ _)>

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