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箱庭勇者と魔王録  作者: 鉋付ニーゴ
1章 異世界編
2/4

空腹少女 1

 ――小鳥のさえずりがかすかに聞こえる。

 ここはどこだろう。


 睡眠欲求の泥沼から意識を引っ張り上げ、目を開くと、そこには緑。

 緑色が視界いっぱいに広がり、所々から白が漏れている。


 ――そうだ。森の途中だった。

 よいしょ、と体を起こすと、もう少し森が続いていることが見て取れる。

 今日中に抜けられたら良いなぁと、ぼんやり考えつつ、手探りで革袋を掴む。

 その中から、干し肉を取り出――そうとしたものの、見事に食べ切ってしまっていた。


「食べれる物は……」


 当たりの木を眺めるも、一つたりとして実がなっているものは無かった。

 するとその時、目の前を野ウサギが横切っていった。そのまま木々の間に逃げ込もうとしている。

 さっきまで動物が居る雰囲気すら無かったのなぁ、と首をかしげてみる。

 この際、野ウサギでも、と銀髪の少女は後を追いかけ始めるのであった。



 □□□


「はぁっ……はぁっ……あ、れ?」

 どうやら私は野ウサギすら捕まえる事ができなかったらしい。

 何故ならば、私のお腹がまだぐぅぐぅと鳴っているからだ。

 というか野ウサギって捕まるの?男の人でも難しいんじゃないかしら……。

 何にせよ、朝食が用意出来なければ、朝食は抜きとなる。

「とりあえず、川があっただけマシか……」

 満足に水分もとれていないのに、走ったので、喉がくっつきそうになっている。街に行くまでの辛抱だということで、空腹の分も誤魔化す様に水を飲み、出発した。



 □□□


 あれからどれくらい歩いたのだろう?

 お腹が空きすぎて、空腹なのか満腹なのかよくわからなくなってきた頃、少しぼやける視界に2人の衛兵が見えたような気がした。

「あれ?」

 ぐらりと落ちる感覚。

「お、おい!どうした!?」

 男の人の声だ。

 いやしかし、目の前が土っぽい色だな――……。


 なんでだろう?


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