セレナの過去
「アリス、君の言っている、魔法陣に詳しい人っていうのはいったいどこにいるんだ?」
ガウラスは真面目な表情だ。
それもそのはず、今僕は怒りをあらわにしているからだろう。
見るとみんな怯えている。
「隣町よ」
「「「えっ⁉︎」」」
「お、おいそりゃマジかよ⁉︎」
ガウラスが驚き
「えー!そこまで行くのー⁉︎」
セレナが唸る
「みなさん、真剣に考えてください」
僕はいつしか頼まないといけない形になっていたので、もう敬語になっている。
隣町っていったら、すぐそこなのだろうが、何がそんなに不満なんだろうか
「隣町までの間に実は殺し屋がいるっていう噂があるんだ」
ホーランが情報提供していっそうみんな、暗くなった。
「でも、アリスの詫びもあるし、行かなきゃいけないだろ?」
「それもそうか」
うんうんと納得してくれて僕たちは隣町に行くことになった。
だが、すぐに行くわけではない、 殺し屋対策として幾つか用意するものがある。
そこで、僕たちは罠売り場へと出向いていた。
「これなんてどう?」
と言ってアリスが持ち上げたのはきびだんごみたいなお菓子だった。
「それ、君が食べたいだけだろ?」
「・・・・・」
図星らしい
真面目に選んでいるのはアリス以外の全員だった。
みんな、優しいな
「よし、準備もできたし明日から出発だ」
ということになった。
夜・・・・・僕は1人街の外に出ていた。
街は地球とはまったく違い、星が降るような夜空が見える。そんな光景だった。
街灯も何もない、ただ星が外を照らす感じ、暗さを和らげさせる効果そんな優しさに包まれた、風景が僕たちの降り立った、丘を染めていた。
あぁ・・・短かったなぁ
なんて思いはしない、はっきり言ってこんなところ二度と来るもんか
そして、2度と猫なんか疲労もんか
と思いを潰していると、宿から誰か出てきた。
「こんなところにいたのか」
セレナだ
こっちに来てそんなに話す機会はなかったものの別にいいか程度には考えていたものの相手の方からやってくるとは、
「一馬は友達がいないんだっけ?」
唐突にも失礼なことを言ってくる。
さらに、僕が一番気にしていることだ。
「あたしも昔は友達が少なくて、誰に対しても話しかけられなかった。人見知りだったんだよ」
ロリがよく言うわ
「今きっと一馬は小さいからとかそんなことを思っているんだろうが、あたしはあのパーティーの中では最年長なんだ」
と驚くべき新事実を何気無くいうセレナだったが、その顔には涙があった。
「なんで泣いてるんですか?」
「あたしにもわからないよ、同情しちゃってるのかもね」
この人は本当にそんな過去があったのかもしれない
僕はこの人になら相談できると思った。
「セレナさん、友達の作り方を教えてください」
「じゃあ、まずその一人称変えたら?」
「僕のですか?」
「その僕って言い方だよ」
そう言うので変えてみた。
「お、俺?でいいんですか?」
「そうそう、そっちの方が雰囲気にあう」
「僕の雰囲気っていったい・・・」
「だから、ほら」
気づくとぼ・・・じゃなくて俺はまた僕と言っていた。
「ありがとうございます」
「あとは人を頼るってことをしなきゃね。あたしはなんでも一人でやろうとしていたけど、実際できなかったことが多かった。思い知らされたよ」
「そうですか・・・・わかりました」
話が終わったのだろうか、セレナはそれじゃあ、おやすみっと言って中に入って行った。
そうか・・・心を開くのか・・・・・




