幻影店
いつの間にか、友達ができていたなんてのはよくある話だ。
まあ、これもアリスのおかげなんだから、良しとしよう
で、なん・・・
「おい!一馬!ちょ、こっちこいって!」
ガウラスが呼んでいる・・・
僕は今なにやってんだろ・・・
ーーーーー朝の話である。
「今日は休みにしようと思う」
「はてその理由とは」
「一馬と仲良くなろう!」
「いぇーーーい」
「じゃなくて!」
僕はすかさずツッコミを入れる。
そこで急にシーーーーン静まる空気・・・あ、やばいこれは間違えたか?と思いきや
「ふっはははは、なかなかのツッコミじゃねぇか」
「面白いな、一馬」
男2人が大爆笑
女性陣はそれを横目に見つつ僕に話しかけてきた。
「ねぇそんなことよりその僕って言い方、なんか女子っぽくない?どうして一人称が僕なの?」
「これには深い深い思い出がありまして、話すと長くなるのですが聞きますか?」
「あ、じゃあいいや!」
軽⁉︎
人がせっかく話そうと思って意気込んでたのに・・・
「なあ、どうする?一馬?」
なにが?
「女性か男性どちらについてくかって
話だよ」
と聞かれたので言うまでもなく男性を選んだ僕だった。
「で、外には出たがどうするよ?」
「やはり考えてなかったのか、せっかちなやつだな」
ガウラスとシャリアスが話し合っている。
今日はいったい何をするんだろうか
いや、さっきは仲良くなろうとか言ってたけど、実際僕には友達なんてものは邪魔なものでしかない。
僕はそう思いながら生きてきたから、友達なんてものは必要なかったんだ。
とそこで、話が終わったようだ。
「で、結局どこに・・・」
「酒場だ!」
「は?」
そして、僕たちは朝から酒場にいるのだが、さすが異世界と言ってもいいだろう。
年齢制限がないらしい。
ガウラスはもうベタベタに酔っている。
シャリアスを見ると・・・
「まだまだ、飲めるぜ!」
うん、おかしい
どこをどう間違えたのか、いや始めから間違っていたのかもしれないけど、仲良くなろうって言うよりかは一緒に飲もうって話になってるよ
僕がボケーと炭酸のジュースを飲んでいると、クラウドがカウンター席の隣に座ってきて僕に話し出した。
「アリスはまたどっかに行っちまう」
「え?」
不意にそう言われたので、よく理解できなかった。
「アリスはあるものを探している。それを見つけない限り、アリスのトリップは終わらない。だが、あるものは・・・Zzzz」
よく見るとガウラスは寝たようだ
って重要な部分で寝るなよ⁉︎
なんだが、僕まで眠くなってきた。
あれ?昨日早く寝たのに?
いや、これお酒じゃないよな?
僕はそのままイスから落ちて寝た。
僕が気づいたのは朝だった。
う、頭が痛い・・・
やっぱりお酒だったのかな?
僕が起きると、もう女性陣が起きていた。
「一馬、昨日なんであんなところに
いたの?」
アリスが聞いて来たので答えると
「え?だって道端で寝てたわよ?しかも3人一緒に」
何が起きたんだ?
僕は確かに寝たけどそこには酒場があったはずだ。
と考えていると、
「あーそりゃネズミの幻影店だろうな」
とホーランが言う
「最近多いですね幻影店」
そこでセレナも加わってくる。
どうやら、僕たちは騙されていたということらしい。
無駄な時間を過ごしてしまった。
でも、今日のガウラスの発言・・・いったいなんだったのだろうか。




