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番外編 ー外に出たら、死にそうー

昼寝にもってこいの暖かさを頭に感じながら、私は大通りまで長々と続く道をてくてくと歩いていた。


昨晩、この世界の常識を身に付けた私はこの世界をもう少し知りたくなったので外に出たのだ。


道には私の知らないものが私の情報量を遥かに上回るぐらいあった。

何かはよくわからないが、煙をもうもうと吐くもの、また人間が乗っているやけにチリンチリンとうるさいもの様々だ。


後、猫も見かけたつまり今の私と同じ生き物だ。

猫は人間とは違い働きもしなければ動きさえ鈍い、きっと一日中動かないんだろう。


まず、私は情報を得ることにした。

本に書いてないことを私は聞きたい。


と、そんな考えが上がったのと同時に細い路地があったので、私はそこに入って行った。

うす暗い中をズンズン進んでいく。

途中、ゴミの山を幾つか見つけて体が勝手にそのゴミの山を漁りたくなる衝動に駆られたが、その欲求を抑えてまた進む。


そろそろ奥に着くだろう。

と呑気なことを考えていたその時!



後ろに・・・・誰か・・・いる!


なんだ⁉︎

どうやら、さっきからつけられていたようだ。

そこで、私は身を翻しつけてきたやつを見た。


片目に誰かにひっかかれたような傷が付き体はデブっとしている。

そして、こちらを睨んでいた。

さらに後ろには猫が10匹ぐらいはいるだろうか。

とにかく多い。


私が何をしたかは知らないが、とにかく事情を聞かなければ話にならないので、話しかけてみる。


「私が何かしましたか?」


迂闊にも唐突に聞いてしまったが、そこは考慮して欲しい。

なにせ、少し怯えているのだから。


そのデブっとした猫は私を睨みつけながら、


「ここは俺の縄張りだということを知らないのか」


と言ってくる。

こんな決まり切ったパターンの会話に私は結構向こうの世界では良くあったので、一応謝る。


「どうも申し訳ありませんでした。どうにも、ここに来てまだ数日しか立っていたいもので」


私の世界では大抵こう謝ると許してくれる。

こちらの世界でも同じだろうと思った。

しかし、その答えは全く別のものであった。


「俺の縄張りを荒らしに来たやつは大抵そう言って誤魔化そうとするんだ。お前もその様子からすると縄張り荒しだな?」


他人の考えをねじ伏せてまで私を倒そうというのか・・・


なおデブ猫は私を睨みつける。

まずい!

この状況はやられる!

ここで戦うのはできるだけ避けたい、確かに私には魔法がある。

しかし、この状況多勢に無勢、まさに背水の陣という言葉が当てはまるだろう。


私はこの切羽詰まった状況を打開すべく一歩後ろ下がる。

すると、相手が動いた!

しかも10匹が一斉に!


10匹が私を囲む、私は前にも後ろにも動けない。

ただじっとしているだけだ。


そして、猫たちが一斉に飛び上がり私に向かって突撃してくる‼︎

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