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何の冗談?-2-

「この世界をお創りになられた創造神、アメシュ。全ての命の源であり、リンベール王国に住まう民の父だ」

 何処か酔いしれるような甘い声音が、高いドーム状の天井にはよく響く。

 ウィリウスは、薬指と小指を折り、残りの三つの指を垂直に立てた独特な形を作り、それを額、胸、左肩、額の順にそっと当てた。最後に膝を折って深く低頭する。それが、この国の人々の神に対する敬意の表し方なのだろう。

「カズ。お前は、そのアメシュが遣わした、星の女神アルシラの娘。廻る命の連鎖を司る、再生の神。その娘は、この世界にとっての救世主だ」

 カズこと北原和歌は、完璧な微笑みを真っ直ぐな心で向けてくるフィルチチェ二世に、先程から覚えている頭痛が更に増した気がしてこめかみを押さえた。

 彼等がどんな宗教を信仰していようと、あたしには関係ない。日本国憲法には信仰の自由が保障されているから、個人が何を信じようとそれこそ個人の勝手だ。

 だから、それ自体について何かを言うつもりはないし、そもそもそんな権利などないだろう。

 だが、一つだけ言うことが許されるのなら、今この瞬間、痛烈に言いたいことがある。

 救世主って、なんの冗談?


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