第5話 質問タイム1回目!
「えっと~。それじゃあ、とりあえずミズキ君の席はあそこね。」
「・・・はい。」
学園長のとんでもない朝のお話から気を取り直して理奈はホームルームを再開しようとする。そして、理奈はミズキの席を指差しミズキはそれに従い席に移動した。
「ふぅ~。」
ミズキは、席に着くと溜息を吐いた。ちなみにミズキの席は、窓際の前から4つ目の位置にある。ミズキがふいに隣を見ると、隣の席の娘がこっちを見ていた。
「これからよろしくね。」
「あ、うん。よろしく・・・」
ミズキは、少し戸惑いつつ返した。
「それじゃあ、授業を始めるよ。今日は、この前の続きから25ページね。」
理奈が授業を開始する。ミズキは、教科書を出しページを開いた。その後授業は、至って何事もなく進んで行った。
ときどき、ミズキを横目で見る娘達がいるが、ミズキは気にしない事にした。
「ん?ほ~ら!あんた達。男の子が気になるのはわかるけど、今は授業に集中する!」
理奈に注意され、ミズキを見ていた娘達は、ハッと前を向いた。しかし、それでもミズキを見る視線は止むことはなかった。
「は~い!今日はここまで。」
ようやく、授業が終わりミズキはホッとした。そして、理奈が教室を出て行った瞬間、ミズキに興味津々の娘達が押し寄せてきた。
「ねぇねぇ!ミズキ君。どこから来たの?」
「趣味ってなに?」
「何で魔法が使えるの?」
次々にミズキに質問をするクラスメイト。ミズキは、突然の事にオロオロとしていた。
「えっと・・・その・・・」
一度にたくさんの質問が繰り出され、どれに答えていいのかわからず、パニックを起こしそうになっていた。
「いい加減にしなさい!」
すると、突如として教室中に大きな声が響いた。ミズキを始め、質問をしていた娘達も声のした方を見た。その先には、メガネを掛けた如何にも委員長と言う感じの女の子がいた。
「みんな、いい加減にしなさい。そんな、一気に質問されたら、答えることも答えられないでしょ。」
その娘は、ミズキの席の前まで、来ると質問攻めにしている娘達を鎮めた。
「ごめんなさい。みんな、悪気はないの。許してくれる?」
「い、いや。そんな・・・」
「ふふっ。それじゃ、質問は1人ずつね。」
「「「「は~い!」」」」
委員長っぽい娘が、そう言うとクラスの娘達が元気よく返事をした。
「じゃあ、最初は私ね!」
そう言って、最初の質問者が前に来た。
「えっと、私の名前は和泉蒼だよ。よろしくね。」
「う、うん。よろしく・・・」
和泉蒼と名乗った女の子は、ミズキの手を取って握手してきた。
「うんと、じゃあ、最初の質問!ミズキ君、学園長の息子って本当?」
「あ、うん。本当だよ。」
ミズキは、蒼の質問に答える。すると、それを聞いたクラスメイト達はとある疑問が浮かぶ。
「でも、学園長って確か、まだ20代後半だったような・・・」
彼女たちの疑問それは、奈々とミズキの年齢差が無さすぎなところだ。
「えっと・・・それは・・・」
ミズキは、少し言い難そうにしていた。
「それは?」
「・・・俺は、拾われたんだ。母さんに・・・」
その瞬間、教室中が沈黙した。
「えっと・・・ごめん。」
「ううん。謝ることじゃないよ。」
ミズキは、そう言うが気まずい雰囲気は収まらなかった。そして、次の授業のチャイムが鳴った。
「はいはい!みんな、席に着いて!」
委員長っぽい娘が、手を叩いてみんなを席に着かせる。こうして、最初の質問タイムは、気まずい雰囲気のまま終わった。
はい、第5話でした。どうも、Theaterです。
更新が遅れて申し訳ありません。
えっと今回から、クラスメイトの紹介をします。それでは、出席番号1番から
出席番号1番
名前:朝倉 杏
身長:150cm
体重:45kg
好きな物:スイーツ
嫌いな物:勉強
成績は中間、でも頭は良い方。クラスではそんなに目立つ方ではない。運動能
力が高く、魔法の実技の成績も良い。
ひとまず、こんなところです。では次回、第6話で会いましょう。