第4話 転入初日・・・
「ふわ~、朝か・・・」
大騒ぎな1日から一晩明け、今日ミズキの転入初日が始まるであった。
「さてと、準備しなきゃ。」
ミズキは、ベットから起き上がると顔を洗いに行った。そして、顔を洗い終わりリビングに戻ってきてミズキは大事な事に気づいた。
「ご飯ってどうすんの?」
そう、食事の取り方が分からなかった。部屋にはキッチンは付いてはいるが、当然食材はあるわけがない。となると、食堂かと思われるが場所が分からない。
「誰かに聞くってのも・・・」
まだ、完全にここに受け入れられてないミズキは、誰かに聞くことさえ困難である。
「しょうがない、今朝はいいか。」
仕方がないので今朝は食べずに行くことに決めた。それから、登校時間が迫ってきたのでミズキはカバンを持って部屋を出る事にした。
「行くか。」
部屋のドアを開け、玄関に向かって歩いているとミズキは重いプレッシャーに襲われていた。
(あれが、噂の男ですの。)
(そうみたい。)
(見ちゃだめよ。襲われちゃう。)
原因は玄関に着くまで、女の子たちにヒソヒソと言われていた。昨日のように悲鳴を上げられる事はなかったが、あちこちで呟かれ、目を合わせると逸らされ逃げられていく。
「何か、目から水が流れてきた・・・・」
すでに心が折れそうなミズキであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「失礼します。」
それから、何とか心が折れずに高等部の校舎へ着いたミズキはまず、職員室へ行った。
「あ、来たね!ミズキ君。」
ミズキが職員室へ入ると理奈が席から立ってきた。
「どうだった?寮の様子は?」
「はははは・・・・まぁ、何とか大丈夫でした・・・」
苦笑いを浮かべるしかできなかった。
「くすっそれじゃあ、教室へ行きましょうか。」
「はい。」
ミズキは理奈に連れられ教室に向かった。
「はい。ここがミズキ君の教室2年3組よ。」
「ここが・・・」
「じゃあ、入るわよ。は~い!みんな席について!」
理奈は教室のドアを開けると生徒たちに着席するように言う。それに続いてミズキも教室の中に入った。ミズキが入った瞬間、一斉に女の子たち視線が集まった。
(き、きつい・・・)
その視線からは、“何でうちのクラスなのよ”とか“うわ!最悪!”みたいな言葉が込められているようだった。
「は~い!それでは、今日は転入生を紹介します。ミズキ君。」
「は、はい。えっと、綾月・L・ミズキです。よろしくお願いします。」
ミズキが自己紹介をした。すると、今まで黙っていた生徒たちが騒ぎ出した。
「えっ?綾月って・・」
「学園長と同じ名前?」
「どういうこと?」
学園長と同じ名前のミズキに生徒たちは注目した。
「は~い!静かに!」
理奈が、手をパンパンと叩いてみんなを鎮めた。
「それに関してはこの後、学園長からお話があります。だから、みんな・・・」
『はーい!生徒の皆さん注目!』
理奈が説明をしようとすると突然、外から声が聞こえてきた。
「あ!あれって!」
生徒たちが窓から外を見ると、そこには巨大な空間モニターが開いていた。そして、そこに映っていたのは、他でもない綾月奈々学園長だった。
『突然ごめんね。今日はみんなにお知らせしたい事があります。』
ニコニコと満面の笑みで話すその姿にミズキと理奈は、はぁ~と溜息をついていた。
『高等部の生徒のみんなは、知ってると思うけど初等部、中等部、大学部のみんなは、ん~噂くらいなら聞いてるのかな?』
人差し指を頬につけて、首を傾けた。
『実は・・・・・・この学園に今日、男の子が転入してきました!』
その瞬間、世界が止まった。1分、2分と経過していくが、誰1人として動き出そうとしない。
『あれ~?みんな割とリアクションが薄いな~』
生徒たちのリアクションが無い事に奈々は不思議がっていた。しかし、静寂の世界はいつまでも続くわけではなかった。
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」
学園中から、驚愕の声が響いてきた。かなり、距離があるはずの初等部と大学部の方からも声が聞こえてきたほどだ。
『おっ!良いリアクションね!ふふっみんなGoodよ!』
「何が“Goodよ”なのよ。まったく・・・」
「ははは・・・」
学園中で生徒たちが大慌てしているのに奈々はまるで気にも留めていない様子だった。しかも、さらに爆弾を放り投げる事をしてしまった。
『ああ、それとその男の子、私の息子だから手を出したりしたらダメよ。もし、万が一手を出したりなんかしたら・・・』
奈々の声が低くなった瞬間、学園中の生徒たちが震え出した。よく見ると、生徒たちだけでなく先生たちも震えていた。しかし唯一、理奈だけは平然としていた。
『そういう事なのでみんな!息子と仲良くしてあげてね!じゃあね!』
そう言い残しモニターは消えた。そして、その後各校舎、教室は何とも言えない雰囲気になっていた。
「えっと、学園長の言った通り、ミズキ君は学園長の息子さんということなので仲良くしてあげてね。」
「よろしくお願いします。」
「「・・・・・・・・・」」シーン
しかし、誰1人として、返事する人はいなかった。
(母さん、俺・・・ここに来てよかったのかな。)
たった今、学園中を引っ掻き回した母親にミズキは心の中で聞いてみた。
はい、第4話でした。どうも、Theaterです。
転校初日の話になりましたが、こんな初日はいやですよね。
唯でさえ、男が1人しかいない中、気まずいのに母親があんなことをしたら普通、
ぼっちになりますよね。
さて、次回から新キャラをたくさん出していきたいと思います。クラスメイトが大
体30人くらいを予定しています。全員名前つけてあげたいけど・・・
まぁ、がんばれればやります。名前を考えても良いという方ぜひ感想で教えてくだ
さい。留学生もいる予定です。その場合は国籍もお願いします。
それと、パソコンを修理にだすのでしばらく更新はできません。
では次回、第5話で会いましょう。