第3話 寮長登場!
「ふぅ~、やっと着いた。」
澪を初等部の寮へ送りミズキは全速で高等部の寮へと走った。そして、ようやく着いたと思ったら、問題が起きた。
「う~ん。さて、どうやって入るか?」
放課後になり、生徒たちが寮へと帰ってきていた。その為、ミズキは寮へと入れないでいた。
「はぁ、入ったらまた大騒ぎかな・・・」
溜息を1つ吐いた。そして、覚悟を決めて寮のドアを手を掛けた。
「あ!」
「えっ?」
運が悪いとは、たぶんこのことだろう。ドアを開けた瞬間にミズキは女の子と鉢合わせた。そして見ると女の子は目に涙を浮かべてきていた。
「きゃっ」
(またか・・・)
ミズキは、頭を抱えて溜息をついた。
「きゃあああああああああああああああああ!」
寮中に悲鳴が響き渡った。
「な、なに?」
「どうしたの?」
「なになに?」
そして、それを聞きつけて生徒たちが昼間のように集まってきた。
「あー!昼間の男の子!」
「な、なんで男がここに!」
「まさか、私たちを襲いに・・・」
何か、妙な疑いを掛けられそうになっていた。そして、女子たちはミズキを囲むようにし、逃がさないと言わんばかりに睨み付けてきた。
(こ、怖い・・・)
50人ほどの女子にたちに囲まれミズキは恐怖を感じていた。そして、もうダメかと思っていると救いの手が現れた。
「みなさ~ん、どいてください。」
人垣の向こうからおっとりとした声が聞こえてきた。そして、そこ声のほうの人垣が割れてそこから1人の女の子が出てきた。
「えっと、君がミズキ君よね?」
「はい・・・」
「安心して。私は、学園長から事情は聞いているから。」
そう言った少女の言葉にミズキは安堵した。だが、騒ぎはまだ収まったっわけでない。
「寮長!どういうことですか!」
「どうして男がここにいるんですか!」
周りにいる娘達が叫びだした。そして、寮長と呼ばれた少女は周りの娘達に向かって言った。
「その事なんだけど明日、学園長からお話があります。この事は、その時に詳しくわかると思いますので、今日はこの辺で解散してください。」
「・・・・・・寮長が言うのでしたら、わかりました。みんな、行こう。」
「は~い。」
そう言い、ミズキを囲んでいた娘達は部屋に戻って行った。
「さて、それじゃあ行きましょうか?」
「あ、あの・・・」
寮長は、ミズキの手を引いて歩き出した。そして、着いた先はミズキの部屋だった。寮長は部屋の中に入るとベットに座った。
「じゃあ、ちょっとお話しましょうか?隣に座って。」
「は、はい。」
そう言われ、ミズキは隣に座った。
「とりあえず、自己紹介からね。私は、高等部3年2組の柚木つかさです。一応、高等部の寮長をしています。」
「えっと!綾月・L・ミズキです。」
「ふふっそんなに緊張しなくてもいいわよ。」
つかさは、微笑ましく笑った。
「えっと・・・母さっ!んと、学園長からは全部聞いてるんですか?」
「ふふっお母さんでいいわよ。」
「いいえ。一応、学園関係の話なので。」
ミズキは、こういうところが律儀だった。
「ふふっえっとね、たぶん全部ってわけじゃないと思うな。学園長、何か隠してるような感じだったし。」
「そ、そうですか・・・」
「・・・大丈夫、詮索したりしないから。誰でも知られたくない事ってあるし。」
「ありがとうございます。」
ミズキはつかさにお礼を言った。そして、それから少しばかり話をして今日のところはお開きとなった。
「それじゃあ、ミズキ君またね。」
「はい、お休みなさい。」
つかさが出て行った後、ミズキはベットに倒れ込んだ。
「はぁ~、大変な一日だったな。でも、がんばらないとな。」
ミズキは、何とかがんばる決意をした。
「ふわ~。眠い・・・今日もう寝るか。お休みなさい。」
こうしてミズキの一日は終わったのであった。
はい、第3話でした。どうも、Theaterです。
さて、一日が終わりました。ここで、新キャラ寮長の柚木つかさが出てきました。
たぶんこれからちょくちょく出てくるキャラになると思います。
そして、次回から転入初日になります。まぁ、しばらくは女の子たちと和解するよ
うな話になると思います。
では次回、第4話で会いましょう。