第95話 トトカルチョは性格が出る。
とりあえず1話だけ更新します。
焼肉パーティは大盛況だった。
…え?細かく描写しろ?
それはちょっと放送コードに引っ掛かりそうな絵面だったから難しいかな?
掻い摘んで言うと、酒が入ったエリカとシィちゃんがR18に突入しかねない暴走を始めてしまったのが、全ての原因である。
女だらけの王様ゲームで、ほっぺにちゅーや服を一枚脱ぐなんて命令は可愛い物で、途中からはポッキーゲーム(キスしなかったらやり直し)に始まり、おっぱい揉んだり乳首摘んだり、下着越しとはいえ愛撫まで命令し始めた。
あのまま放っておいたら本番まで命令しかねない勢いだったな。
流石の俺もゲームの罰ゲームで初体験を迎えるのはちょっと…
エリカも大事な初体験が『酔った勢いで罰ゲームでヤっちゃった』というのは嫌だろう。
もしも記憶が残ってなかったら更に最悪だ。
そんな訳で俺がレフェリーストップを掛けて強制的にゲームを終了させたのだった。
翌朝もとい翌昼に起き出した俺たちは、エリカの家を出た足でそのまま闘技場に観戦に来ていた。
キックボードを持って来ていなかったし、ダンジョンに行くには時間も微妙だったので、今日は一日オフということになったのだ。
☆1の初期なら兎も角、今は資金にもある程度余裕があるので、1日や2日休んだところで問題はない。
「そこだ!トドメを刺すっす!」
「まだです。クリティカルさえ防げばギリギリ生き残れる筈。逃げずに防御を固めるのです!」
シィちゃんとアーニャが白熱している。
どうやら2人はそれぞれ対戦相手に賭けているようだ。
いや、それって勝ってもあんまり意味なくない?
敢えて言うならシィちゃんが勝った方が倍率的には儲けになるけど、その分アーニャが負けてるから家計的には大してプラスにならない。
まぁそもそも賭けてる額も子供の小遣い程度の額だし、2人が楽しそうだから何でも良いか。
なおピー助は払い戻し10倍の大穴に全額賭けて早々にスった。
のんちゃんは勝敗の予想が難しいバトルには一切賭けず、波乱が起こらなそうなバトルにだけ賭けて手持ちを微増させているようだ。
見ていた感じでは、ピー助は勝算度外視でロマン極振り。当たればデカいが、宝クジで一等が当たることを願うようなもんだ。
アーニャは戦力分析しつつも偶にロマンに走るタイプ。初めてトトカルチョをやった時も、確かそんな感じだった。
シィちゃんはロマンには走らず堅実に勝ちに行っている。シスターだけど神には祈らないようだ。てゆーか祈ったら【祈る】が発動しちゃいそうだな。
のんちゃんは十中八九勝てる勝負しかしない。王国で伯爵と分の悪い賭けをした時は『強くなりたい』という欲求が暴走していたのかもしれんな。
こうして見ると、賭け方にみんなの性格が良く現れている。
俺?俺はピー助とアーニャの間かな?
10倍の大穴は心惹かれるけどHN、HN、HN VS R、R、HNは流石に無謀だろ。
ランダムマッチングでもなければ、バトルが成立した事自体が奇跡な戦力差だわ。
ロマンに小遣いを全額ぶっ込んで当然のように負けたピー助は、現在俺の頭の上で燃え尽きている。
最初はアーニャの頭の上に居たんだが、そこそこの高倍率を当てたアーニャが興奮して飛び跳ねた際に振り落とされて以降、俺の頭の上に避難して来た。
燃え尽きている割には冷静な奴である。
「っしゃー!2.3倍キター!!」
「ぐぬぬ…あそこで逃走を選ぶとは、あのマスターは算数も出来ないのですか?」
どうやらアーニャが賭けていた方のマスターは防御より逃走を選択したようだな。
途中までは良かったのだが、最後の最後で油断したのか制限時間ギリギリに追い付かれて背中に攻撃を受けクリティカルヒットになり倒されてしまった。
「昨日は豚肉だったから、今日は鶏肉祭りにするっすよ!」
肉喰って美少女とイチャついて翌日また肉を喰らう。シィちゃんは肉食系女子の鑑だな。




