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第63話 国境砦、攻略戦

ローファン日刊ランキング34位です。

ブクマ&評価して下さった方、ありがとうございます。

まだの方も、気が向いたらお願いします。

「そこで止まれ!ここより先は王国領である。貴様らは何者だ!?」


 え?戦闘前イベントとかあるの?


 第4階層で遭遇した農民兵たちは「うぉぉぉ!」とか叫びながら問答無用で襲い掛かって来たぞ?もはや兵士というよりもラノベに良く出て来る野盗みたいだった。


「私はマスター、彼女たちはサーヴァントです。この先に行きたいのですが、通して貰えませんか?」


 アーニャが普通に応対している。順応力高すぎじゃね?


主人(マスター)召使(サーヴァント)だと?王国では奴隷は禁止されていると知っての狼藉か?むむ、そちらの娘には見覚えがあるぞ!近くの村にいた娘ではないのか?王国の民を捕らえて奴隷にするとは不届千万!捕まえて余罪を吐かせてやろう!」


 おっと、口を挟む間もない怒涛の展開である。


「結局バトルですか。まぁ良いですけど」


「これって、私が居なかったらどうなってたんでしょうね?」


「奴隷禁止って言ってたし、サーヴァントを連れてる時点でアウトなんじゃね?」


「要するに、戦う口実があれば何でも良いんですね」


 GRのお遊びか何かだろ。深く考えたら負けだ。


「敵はHN:一般兵、N:農民兵、N:農民兵の3人のようですね。ピアも加えて3人で行きますか。敵の数が多いので、まずはアローレインで減らしましょう」


「やっと出番ね!このピア先輩にまっかせなさーい!」


 5階層ごとにいるボスは、こちらのサーヴァントのレベルを参照してレベル補正を受けるので、レアリティが許す限りレベルが上昇する。


 今回の場合はレベル21の俺やピー助が参照対象となるので、レベルは以下のようになる。


R:下級夢魔(レッサーサキュバス)(♀) レベル21 HP:51

R:妖精(ピクシー)(♀) レベル21 HP:30

N:農民兵(♀) レベル4 HP:11


VS


HN:一般兵(♂) レベル20 HP:96

N:農民兵(♂) レベル10 HP:34

N:農民兵(♂) レベル10 HP:34


 まぁ普通に俺たちが勝つだろう。


 問題はアローレインで農民兵を殲滅出来るかどうかである。


 まぁ所詮N:農民兵だからなぁ。MENが高いとは思えない。


 農民兵を5発ずつで倒せれば及第点。余るようなら残りを一般兵にぶち込めんでやれば良い。


「ピア【アローレイン】です。農民兵から狙って下さい」


「ほいほーい。アローレイン!」


 3人全員をターゲットサークルに収め、10本の矢を同時に射出するのではなく、1本ずつ当てて行く。


「ぎゃー!」


 どうやら農民兵を倒すには3発ずつ必要だったようで、残りの矢は4本だ。


「さぁ喰らいなさい!」


 ピー助が両手を勢い良く振り下ろすと、上空に待機状態になっていた残りの矢がHN:一般兵を目掛けて降り注いだ。


「ぐわぁぁぁ!」


「さっちゃん【セクシービーム】です」


「おうよ、セクシービーム!」


 ピー助のアローレインを喰らってぶっ倒れている一般兵が立ち上がる前にセクシービームで追撃する。


「おほぉー!」


 これで一般兵の残りHPは4割ほどだ。


「のんちゃん、あなたのターンが回って来たら【突き刺す】で攻撃して下さい」


 今は敵の一般兵のターンなのだが、ダメージの影響で動けないらしく、立ち上がって攻撃して来る様子がない。


 セクシービームで魅了されてたら、痛みを振り切ってでも俺を見ようと(もが)く筈なので、全く動かないということは単純に痛みで動けないだけだろう。


 攻撃を喰らっても激痛がするだけなので、死ぬ気で立ち上がれば動ける筈なのだが、そこまでの根性はなかったもよう。


 まぁ所詮は一般兵だしね。多くを望んじゃいかんよ。


「えーい!」


 のんちゃんのターンになったようで槍を突き出しているが、流石に「突き刺す!」とは叫ばなかった。


 せめてピアースとか、もうちょっと技名っぽければ良かったんだけど「突き刺す!」って叫ばれてもダサいことこの上ない。


 そんな益体もないことを考えていると次のターンになった。


「ピア、もう一度【アローレイン】です」


「これでトドメよ、アローレイン!」


 ぶっ倒れたままの一般兵に10本の矢が降り注ぐ。


 哀れ一般兵くんは、攻撃はおろか断末魔の悲鳴一つ挙げることすらなく、その姿を消滅させバトルは終了してしまった。


「あっ!カードが落ちてますよ?」


 のんちゃんをランクアップさせる為にHNのカードは欲しいけど、さっきの一般兵は男だからのんちゃんのランクアップには使えない。まぁ売れば生活費の足しくらいにはなるかな?


「これは槍ですね。あと農民兵のカードです」


 サーヴァントカードではなかったが、のんちゃんが装備出来る槍がドロップしてくれたのは地味に助かる。


 戦闘中に竹槍が壊れたら、バトル終了まで素手になってしまうからな。


 何かの時の為に捨てずに持っている棍棒?くんもあるのだが、残念ながらのんちゃんは装備出来なかった。


 もしかしたら槍しか装備出来ないのかもしれない。


青銅の槍

レアリティ:HN(ハイノーマル)

効果:槍を使用した際、物理属性ダメージを1pt増加する。

備考:硬い木の棒に青銅の先端を取り付けた王国正式採用一般兵装。まぁまぁ壊れ難い。


 のんちゃんの武器が『せいどうのつるぎ』もとい青銅の槍にランクアップした。


 次は『はがねのつるぎ』かな?


 あとは、おっさん農民兵のカードか。


 あれ?もしかしてコイツって、のんちゃんよりも高いのでは?美少女よりもこんなおっさんの方が価値があるなんて、世界って不思議に溢れてるわ。


 N:農民兵(♀)ってゴブリンよりも弱いから戦力にはならないらしいし、なら何の為に存在しているのかを考えると、もしかして☆1マスターどもの性欲処理要員だったりするんだろうか?


 そこらにいるN:農民兵(♀)は、正直のんちゃんとは比べ物にならないくらい芋臭い子ばっかりだけど、別に直視に耐えないようなブサイクという訳ではない。


 万年女日照りの☆1マスターなら、ソロプレイで処理するよりも、多少好みではなくともおっぱいやお尻がある女のカラダを抱ける方が良い筈だ。


 とち狂って一般人に襲い掛かるくらいなら、N:農民兵(♀)で我慢しろってことかもしれん。


 どうしても好みの美女とヤリたければ、相応の金を払ってプロのお姉さんに会いに行けば良いんだし。


 ところで、何故俺は☆1マスターどもの性活事情について考察しているのだろうか?


 まぁ何にせよ、のんちゃんが他のマスターに買われずに今まで残ってたのは、非常に運が良かったのかもしれないってことだ。つまり俺の日頃の行いのお陰だな。

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