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第44話 だーれーにーしーよーうーかーな?

 R:狼獣人(♀)が【餓狼草原】の第10階層のボスとして出現するとのことなので、戦力兼ハーレムメンバー候補Rカードを自力で入手出来る可能性が出て来た。


 サーヴァントを自力で手に入れられるならそれに越したことはない。


 ☆2に昇格する前に可能な限りレベリングをする予定なので【餓狼草原】のダンジョンボス周回はモチベーション維持にも役立つだろう。




 どうせ今は金もないことだし、商品カタログを見るのは後日にしてカードショップ出て、俺たちは定番の暇潰しスポットである闘技場へとやって来た。


 それにしても初めて来てからというもの、ほぼ毎日通っているな。


 だが、今日は観戦やトトカルチョが目的ではない。


 今週の公式戦ノルマ期日を明日に控え、今日は下見に来たのだ。MPも半分くらいは残っているし、状況次第では下見と言わず今日戦っても構わないだろう。


「わぁ、マスターがいっぱいいるー」


「新人と古参、どっちと戦おうかな?」


 今日は2階の観客席ではなく、1階のフリースペースへとやって来ていた。


 前世の体育館くらいの広さの大部屋だろうか?そこに自分のサーヴァントを連れた☆1マスターたちが、ノルマを熟す為に自分が勝てそうな対戦相手を物色していた。


「古参はRカード持ってる奴なんて殆ど残ってねぇし、どーせ賭けるのもNカードだろ?リターンが一緒なら新人のチョロそーなのと戦った方が良くね?」


 古参マスターは生活苦からRカードを売却しちゃうんだよね。あるいは現状打破の為に一発逆転を狙ってアンティに賭けた結果、相手に奪われる。何にせよ、今でもRカードを所持してる奴なんて片手で数えられる程度だと思う。


「あっ、ゴブリンキング連れてる人がいる。さっきも倒したばっかりだし、同じ戦法でイケるんじゃないかな?」


 エースサーヴァントがゴブリンキングなら、残りの2人もゴブリン系だろうな。


 てゆーかHP2倍のボス補正がないなら、ピー助のアローレインでワンパンじゃね?俺の出番が無さそうだわ。


「見た感じ若いし新人っぽいな。折角だしピー助をアンティに賭けて、奪えるか試してみるか?」


 ピー助には事前にアンティとして賭ける可能性があることを伝え、了承も貰っている。


 まぁ別にサーヴァントの了承なんかなくても、マスターの一存で賭けられるんだが、そこら気分の問題だ。


 それに賭けるのも高確率で勝てると判断した時だけだ。


 もし拒否られたら、Nカードと500Gを賭けてバトれば良い。


「申請送ってみたよ」


 アーニャが、闘技場でのみ使用出来るホロウィンドウを用いてゴブリンキングを連れているマスターをターゲッティングし、対戦申請を送信する。




公式戦対戦申込申請


送信者:アーニャ スメラギ

受信者:ケンジ スズキ


公式戦希望日時:本日今すぐ


アーニャ スメラギ

アンティ:R妖精(ピクシー)

アンティ希望:Rゴブリンキング




 さて、どうなることやら?


「返信来たよ」


「釣れたか?」


「ダメだった。アンティをNカード同士で交渉して来てる」


「流石に釣れなかったか」


「こっちが500G、向こうがNカードで再交渉するね」


 Nカードの価値は大体100G前後だ。こちらの方が遥かに不利なレートだし、これで向こうが断った場合『正当性のない対戦拒否』と見做されるので、こちらの不戦勝になる筈だ。


「ん、成立したよ!」


 まぁ向こうにしてみれば、勝てば500G、負けても損失は100G相当のNカードだ。


 拒否れば不戦敗で100Gを罰金で失ってしまう上に、対戦ノルマを達成出来ないのだから、受けない理由がない。


 サクッと倒して今週のノルマを達成しちまおう。




 ワンパンだった。


 バトル開始早々、ピー助がアローレインをゴブリンキングに集中砲火して消し炭にしてしまった。


 いや、水属性魔法だから別に燃えはしないんだが、観客席の空気がそんな感じだった。


 残りの1人はゴブリンプリーストのみ。戦える訳もないので、俺が行動する前に降参宣言(サレンダー)されてしまった。


 貰ったカードはN:ゴブリン。まごう事なきゴミである。


 せめてN:ウルフとかだったら、来週の公式戦までの1週間だけ家でペットとしてモフモフするのも有りだったんだがな。

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