第101話 新たな仲間
「引っ越しの片付けもほぼ終わりましたし、そろそろN:ラビ(♀)を召喚しようと思います」
エリカと買い物という名のプチデートから帰って来てしばらくすると、アーニャが新たな仲間の召喚を宣言した。
「良いんじゃないか?今召喚すれば、夜は一緒にメシ食えるし」
「N:ラビって何食べるの?やっぱり人参?」
ピー助の言う通り、何故か兎って人参が好きなイメージがあるよな。野菜の中で特別人参が好きって訳じゃないと思うんだが不思議だわ。
「普通の兎の場合は草食動物なので、主食は牧草ですね。野菜や果物は偶に少量あげるくらいで良いらしいです。ただN:ラビはあくまでもサーヴァントなので、もしかしたらお肉も食べられるかもしれません」
「まぁその辺は本人…本兎?に聞けば分かるだろ」
「それもそうですね。では行きます。おいでN:ラビ!」
アーニャの頭上に掲げられたN:ラビ(♀)のカードが光の粒となって消え、足元に体長30cm程度の真っ白な兎が出現した。
「プゥプゥ」
「キャ〜!かわいい〜!!」
アーニャ、エリカ、シィちゃん、のんちゃんが黄色い悲鳴を挙げた。
何故かピー助だけは静かだ。ジーっと観察するかのような視線である。
新入りにマスコット枠を奪われるんじゃないかと警戒でもしてるんだろうか?
いや、本人は別にマスコットのつもりはないか。俺が勝手に思ってるだけだ。
それはそうと、プゥプゥという鳴き声?は嬉しい時や楽しいと感じている時の物らしい。
ちなみにブーブーは機嫌が悪い時、短くブッというのは怒っている時らしい。
「この子の名前ですが、ラビの頭文字を取ってラーちゃん…にしようと思っていたのですが、プゥちゃんに変更します!」
よほど鳴き声?を気に入ったらしい。予定していた名前まで変えてしまった。
「プゥちゃん、抱っこしても良いですか?」
「プゥ!」
アーニャは両手で優しくプゥちゃんの身体を包み込んで抱き上げる。
「ふわふわポカポカです!」
可愛さのあまり、アーニャの語彙力が死んでいる。
「アーニャンばっかズルいっす。つ、次はウチの番っすよ!」
「わ、私も抱っこしてみたいです」
「尊い…」
エリカはプゥちゃんと戯れる美少女たちの姿を見て拝んでいた。
確かに女の子が小動物と戯れている光景は画になる。
実際、前世でもアイドル×動物のテレビ番組は鉄板だった。
とりあえず、プゥちゃんのステータスを見てみましょうかね?
プゥちゃん(仮名)
レベル:1
種族:ラビ(♀)
レアリティ:N
称号:なし
特性:美しい毛並み(兎系(♂)をCHR%の確率で魅了する)
HP(生命力) :8
MP(魔力):6
STR(筋力):6
VIT(体力):9
TEC(精密性):7
MEN(精神力):8
AGI(俊敏性):10
CHR(魅力):10
LUC(幸運):13
スキル
体当たり:物理属性単体微小ダメージ(消費MP1pt)
うーん…戦闘要員として召喚した訳ではないとはいえ、これはかなり弱いな。
一番高いステータスがLUCな時点で戦闘力はお察しである。
まぁプゥちゃんはペット枠だから今後ランクアップさせるかは分からんけど、それでもレベル10になれば全ての数値が+9されてだいぶマシになる筈だし、番犬の代わりくらいは余裕で熟せるようになるだろう。




