いのち
命はね、他人とか自分とか関係ないんだよ
その命がみたもの、それは大きいんだよ
なによりも大きい気持ちを、爆発するほど持っているんだよ
違う命と出会うだけで大きな進歩なんだよ
他人が生まれ、育ち、死んでゆく様子を最初から最後まで見届けることはできないけれど
生まれつきの生命を持つんだよ
命は生まれつきの生命、生まれてから矯正することはできないの
奇跡とか希望、明るい未来なんてものはない
全部、人間の理想なんだ
死ぬも生き残るも、すべて産声を上げて生まれる前にプログラミングされてしまうの
だから、無念な夢を残した命は魂がいまだにさまよっているかもしれない
でも、それは生きているの
空気として、魂として、空の一員として、人間の最後として
その魂、その人間、その心なりの生き方なの
死にたければ死ぬ、生きたければ生きる
結局、人間は永遠に存在することはできないの
生まれて、死んで、生まれて、死んでを繰り返すの
いくら魂が残っても、その魂もいつかは消える
千年だろうと百年だろうと残っても、最後は消えうせるの
短いかもしれないんだよ
遣る瀬無いのかもしれないんだよ
受け止めてみたら何か分かるかもしれないよ、その小さな感情
人を無断で殺してはいけない――
そうは思うけど、人を殺した人間なら、同等の苦しみを味わう必要があると思う
どれだけ苦しかったか、悔しかったか、怖かっただろうか?
分かるものなら誰も苦労しない
データのように送りあえないのが人間の感情なんだから
最初から決まっている命なんて、生きることさえ憂鬱かもしれない
じゃあいらないね、そういわれたら素直に諦める?
そういうことなんだよ、たぶん
予想を超える感情の重さを感じることだって、人間としての進歩なんだよ