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は・な  作者: Reiko
14/14

Cry

今日で何度目だろうか…

こうやって泣くのももう慣れた

悲しみも既に涙に変わり、いま私から排出されようとしていた


最初のうちは感情の波として流していた涙も、いまとなっては掃除機

あふれそうな悲しみとか、そういうものを流すための機械となった

何度何度、この思いに壊されたことか


もういらない、そんな言葉を口にできるようになったのも、このお陰

私なんて存在はとっくに周りの「涙」として成り立っていた


邪魔、いらない、消えろ

十分すぎるほど聞こえた


誰かが言っているわけではないし、こんな言葉、言われたこともない

でも、聞こえてしまう…

悪魔の密やかな泣き声が


――冷たい壁の窓際?


そこにる悪魔は笑ってる

でも泣いてる

どっち?笑ってるから涙を流してるの?

それとも涙が出るから笑っているのか?


心のなかに、いつの間にか芽生えた自己嫌悪

この身体いずみさえも空だと感じてしまった


幻に囚われて忘れてた

色々、色々。


甘えとか、イヤとか、そんなことばっかり考えてた

全部、悪魔に囚われたせい

いつか夢から覚められますか?


いまはただ泣くだけ

もう1000回を越してるから、数える術もなく

ただ祈り、泣き、願うだけ


――どうすれば「必要」になれますか

――どうすれば私は生きることができますか

――どうすれば私は誰かの下へいけますか

――どうすれば夢から覚めるのですか?


同じ願いを繰り返す

同じ涙を二度流す


彷徨いながら得るのはたぶん、無力さだけ

生きてるなんて感情、たぶん捨ててる


いらないものは涙ですてて

その分必要なものを何かで補うだけ


生きてるって、なんですか?


そう聞かれたら、私は答えます……


それは、涙の結晶を残すことだと。



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